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M-05 皺は人生そのものと言うじゃありませんか

無残にも多数の皺が襲いかかろうとも・・・

 ご老人だって変わる時は変わるんですよ。
今まで着ていた物と言ったら 色はグレーか からし色か いわゆる枯葉色ですね。先日近くの公民館から何やら怪しげな集団が出てきたのでビックリしましたよ。よく見たら殆ど同じ色のつまり枯葉を全身にまとったミノムシ状態のご老人の集団だったんでございます。色だけじゃないです 形だってそうですよ。地味です。下手をすると全身グダグダのナマコの寝間着みたいな物だって平気で着てますからね。
 それがですよ そんなこんなの散歩の毎日の中でおしゃれにも気を使うようになりましてね、最近それなりの身なりになってきたわけです。背筋がちょっと伸びて足腰がしっかりするだけで何となく全身が軽やかになるんですね。
 若返りもしましたよ。そりゃまあえくぼがあったであろうあたりには無残にも多数の皺が襲いかかりましてね、笑顔をつくれば顔全体が山岳地帯を表す込み入った等高線みたいにクシャっとなってしまいますよ。
 しかしですね皺は人生そのものって言うじゃありませんか。口元の皺は歯を食いしばって頑張ってきた証です。目尻の皺は楽しかったり嬉しかったりした思い出を表す皺でございます。お年を召されたみなさん 本当にいいお顔をしてますよ。

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