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娘の湿疹と私の苦悩

こんにちは。酷暑が続きますがお元気でしょうか。
今日は娘が10ヶ月ほど実践していた湿疹治療のお話をしたいと思います。

あれ?湿疹?

初めて娘に湿疹ができたのは2ヶ月の頃。
私は里帰り出産はせず、産後1ヶ月ほどした後実家に帰省し、しばらくお世話になっていました。ちょうどその頃、顔がガサガサになって湿疹だらけになってしまいました。写真で見た事がある脂漏性湿疹とは違うし、すごく乾燥してる感じだなぁ・・・と思ったけど、しばらく保湿をしながら様子を見る事に。ところがこれが全然良くならず、むしろ悪化する一方。

心配になった私は「病院は新しい所が一番!」という母の助言通り、近所で一番新しいピカピカの小児科に連れて行きました。実はそこの先生は成育医療研究センターで勤務されていた方で、ステロイド外用薬を使ったプロアクティブ療法とスキンケアについてしっかり指導されました。

毎日の薬、罪悪感

ステロイド・・・。赤ちゃんに塗ると魔法にかかったように数時間で湿疹が引きます。プロアクティブ療法は、症状が軽快した後もしばらくお薬を使い続け、徐々に間隔を開けながら、最終的にはスキンケアだけに移行していくというアプローチです。でも、ステロイドって強い薬だし、副作用あるんじゃないの?と相当な抵抗がありました。その不安に更に拍車を掛けたのは家族の意見。私の母は薬剤師、妹は医師ですがどちらも「プロアクティブ療法?」という感じで、ステロイドを継続的に使う事には反対でした。

私は医者でも薬剤師でも無いので、専門的な情報はその分野のプロに聞いて頂きたいのですが、ステロイドに対する情報は特に医師でも情報がアップデートされていない場合が多いと感じました。「ステロイドは悪!」という素人の情報ばかりが世に溢れていて、薬を使う事自体に罪悪感を感じることもある中でどのお医者さんに相談するかで治療の質も、心理的負担も全然違うと思います。私も全く悪気のないアトピー持ちの友人に、ステロイドは副作用が出るからと「よもぎクリーム」を使っているクリニックを紹介されました。

さて、その後、妹が先輩小児科医に調べてもらい、このプロアクティブ療法というのは比較的新しい治療法できちんと論文も出ていることが分かりました。これで私は大分安心して言われた通り保湿&しっかり薬を塗るというケアが出来るようになった訳ですが、地方都市の実家から都内に戻った後がまた大変でした。

都内の病院=最先端は間違い?

手持ちの薬が切れそうだったので、予防接種に連れて行っていた先の小児科医に同じ薬を処方して欲しいとお願いしたところ、ステロイドについて難色を示されました。更にはステロイド塗った後に日光を浴びると色素沈着する(注:これは事実ではありません)ので、日焼けをするなと指導されました。調剤薬局でもステロイドはあまり使わない方が良いと言われる始末・・・。いや、都内で開業しているからと言って情報が最先端とは限らないのです。医者だって自助努力で情報を更新しない限り、古い情報のまま患者を指導してしまうのです。

娘の湿疹はステロイドを3日以上塗らないと再発します。綺麗な肌を保ちたいけど、やっぱりステロイドは悪いのか?症状が出たとしても保湿だけで我慢すべきか?さぁどうする?

散々調べて、近くにある病院を受診。ここを受診した理由は先生がアレルギー専門医で、プロアクティブ療法についてもウェブで触れていたので。ここならきちんとした知識がある先生に診てもらえると思って受診しました。この先生は穏やかで良い人でした。しかし、やはりステロイドを使うほどではない、と保湿だけに切り替えるよう助言されました。するとやはり湿疹は悪化します。

この時私が痛感したのは、こんなに治療方針がバラバラだと、医師ではなくて親が治療法を選んでいるのに等しい!私は苦悩しながら、はじめの先生が指導してくれたやり方を信じて薬を少し間を開けながらきちんと塗って日々を過ごしていました。私も夫もアレルギー体質。皮膚の壊れたバリアからアレルゲンが入り込みアレルギーが成立するというのは出来れば避けたい訳です。

色々と悩みながらも、きれいな肌を維持する事に努めながら日々スキンケアとステロイドの塗布を続けていました。ある時、近くでかかりつけの小児科を探したいと思い、近所の小児科を受診した時にようやくその時が訪れました。先生が言ったのです。

最近はステロイドの使い方の研究も進み、弱いランクの薬を症状が治った後も継続して塗り続ける治療法が有効とされています。皮膚に塗る程度なら副作用はありません。徐々に感覚を開けながら最終的にはスキンケアだけで大丈夫になるところに持って行けるように、頑張ってお薬塗ってくださいね。

ついにきた!!ようやく私が通うべき小児科を見つけた気がしました。

やっぱりこれだと私が信じる治療法に合わせて医者を選んでいる感覚が否めないですが、専門家が見方してくれるとそれだけで心強いのです。それ以来、ステロイドのお薬についても罪悪感を持つことなく、気軽に相談できるようになったし、処方もお願いし易くなりました。

薬局も変えました。そこの薬剤師さんは、娘の事を覚えてくれて、処方をお願いするたびに気にかけてくれました。もちろん、ステロイドへの偏見もありません。

今振り返っても、果たして娘が「アトピー」と呼べるレベルだったのかは分かりません。ステロイドはアトピーの治療で、湿疹ならステロイド要りませんと言われることが続いたのですが、初めに診てもらった先生は「2ヶ月以上継続する湿疹はアトピー」と仰ってましたが、そもそも定義も曖昧なんですね。しかし、医療関係者にも蔓延るステロイド性悪説は何とかして欲しいです。相当気持ちを強くしないと、民間療法に傾向してしまいますよね。

何を信じるか

畑違いの私が言うことでは無いのですが、アトピーの標準治療はステロイド薬です。標準治療は最もレベルの低い治療、お安い治療ではなくて、最も効果が望める治療です。何を信じれば良いか分からなくなった時は、この本をお勧めします。私も読んで背中を押してもらいました。

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娘の湿疹は1歳ごろからほとんど出なくなり、今ではステロイドは使用せずスキンケアだけで綺麗な肌状態を維持できています。湿疹とは別に、汗っかきの娘は夏に背中に謎のブツブツが出たのですが、その話はまた別の機会に。

最後に、私が実践していた薬の使い方とスキンケアを共有します。なお、私は医療関係者ではないので、治療方針についてはお医者さんとご相談ください。

①洗顔について:湿疹が出ているところを中心に、泡立てた石鹸できちんと洗い、ぬるま湯でしっかりすすぐ。顔にシャワーをかけてしまってOK。石鹸が残るのはNG。ちなみに、娘はこのお陰で顔に水がかかるのは平気に。プールでもバシャバシャ水を浴びて喜んでいます。

②保湿剤について:お風呂から出たら素早く保湿剤をしっかり塗ります。初めの先生はステロイド剤を混ぜた保湿剤を出してくれましたが、途中から保湿剤とステロイドは別々に処方を切り替えました。保湿剤は季節によって使う種類を変えました。ヒルドイド(ヘパリン類似物質外用薬)は、クリームやローション、泡状スプレーと様々なタイプがあります。冬はクリーム、夏は泡スプレーと使い分けが可能です。夜と朝、カサつく時は日中もしっかり保湿をしました。

③ステロイド外用薬:お風呂から出て保湿が終わったら30分以内にしっかり塗るように言われました。この「しっかり」の量が慣れるまで難しいですが、私は思ったよりたっぷりだなぁと思いました。詳しくは下のリンクをどうぞ。朝起きたあとも体を拭いて、保湿→ステロイドと塗りました。

この記事がどなたかのお役に立つ事があれば幸いです。
どうか皆さんが良い先生に巡り合い、根拠ある情報を元に適切な治療法を見つけられますように。

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