【サ旅】畑冷泉館 │ 東京→熊本→豊前1泊2日<後編>
こんにちは、ソロ活サウナ女子ももかんです
今回は1泊2日の弾丸プランでサウナー西の聖地こと熊本の「湯らっくす」そして1年で夏のみの限定営業、幻のサウナこと福岡豊前の「畑冷泉館」(※2022年の営業期間はすでに終了2022年7月16日~8月31日) と念願のサウナ2か所を巡ってきました!この記事では最終日に行った畑冷泉館についてレポートをしていきます!
♨ ♨ ♨
この旅の全編・後編
【サ旅】湯らっくす │ 東京→熊本→豊前1泊2日<前編>
【サ旅】畑冷泉館 │ 東京→熊本→豊前1泊2日<後編>
神秘の水風呂を求めて
私が畑冷泉館を知ったのは、たしかTwitterでどなたかが投稿していた、行ってよかった水風呂リストの中で挙げられていたもの。
畑冷泉館という名前を存じ上げなかったので調べてみたところ「隣接する神社の樹齢830年を超える御神木から湧く霊水が水風呂」とあり、一目見て行きたい欲が爆発!どうしても行きたい!と無理矢理スケジュールをねじ込んだのが今回の弾丸サ旅の経緯です。というのも、畑冷泉館は毎年夏の7月から8月にかけてのみ営業する、人呼んで幻のサウナなのです。
今回お伺いできたのは本年最終営業日の1日前。まさにギリギリのタイミングでしたが、無理矢理にでも行ってよかったと思える最高の場所と素敵な人たち、そして奇跡のような良い天気に恵まれた最高のサウナ旅でした。
それでは前置きはこのへんにして、1泊2日のソロサ旅、最終日スタートです!
<前日分の記事はこちら>
起床 〜熊本駅までタクシーで
5時過ぎ起床。深夜1時まで湯らっくすを満喫していたので、睡眠時間は3時間ほど。まだ眠くて目が開かないけど、急いでホテルをチェックアウト。
早朝にもかかわらずホテル前の銀座通りはタクシーが多く、呼ばなくても乗ることができました。さすが熊本、観光立県。
銀座通りから熊本駅までタクシー料金は1100円ほど。早朝で道路が空いていたので10分ほど、あっという間に到着です。
始発で熊本→宇島
さあ、熊本を離れ新幹線で小倉へ、小倉からは日豊本線で宇島まで行きますよ!
畑冷泉館行きのバスが運行している
土曜または平日であれば市バスの運行があり「宇島駅」または「豊前松江駅」から乗車が可能です。
畑冷泉館前までのバス料金は、豊前松江駅からだと200円、宇島駅からだと300円となります。
料金は100円ほど上がりますが、宇島駅は特急の停車駅なので特急を使う場合は宇島駅から乗車するのがよいでしょう。
また、宇島駅の中には豊前市観光協会があり、品数はそんなに多くないけど豊前土産の販売も。近くに漁港があり、漁港直営の漁師食堂がある「うみてらす豊前」もあります (ただし火曜定休なので注意←行こうとしてまんまと閉まってた人)
ちなみに宇島駅発の始発9:40のバスに乗ると畑冷泉館前に9:59着となり、畑冷泉館の営業開始10時にちょうどなのでおすすめ。
また帰りのバスは16:37が最終となっています。
<リンク>豊前市バス時刻表※2022年現在
バスが来るまで仮眠
宇島駅に到着したのが8:30、バスの時刻は9:40なので、あと約1時間ほどの待ち時間があります。
時間を潰せそうなお店もないし、どうしようか。
駅からすこし歩いたところに屋根がかかったベンチを発見。
今日は朝早かったし、あんま寝てないし・・
・・寝るか (自然な思考)
宇島駅→畑冷泉までバス20分
さすがに路上なのでがっつり寝れなかったけど、少し目を閉じて意識飛んだだけでも体力ゲージ回復!元気に畑冷泉に向かっていきましょう!
バスはいわゆるコミュニティバスのような小ぶりのバスで乗客の距離が近く、地元の人たちのコミュニケーションの場でもあるようです。
地元のサウナーおばあちゃんとの邂逅
バスの乗客は自分以外に3人いて、うち2人が降りたので車窓からの景色を撮影していると、後ろのほうから
「遠くから来られたんですか?」
声がして振り向くと、感じのよいおばあちゃん。
なんでも長年、営業期間中はほぼ毎日通っているという、いわば地元のサウナーさん。
畑冷泉はこれまでは地元の人だけが行くようなサウナだったのに、最近は遠くから来る若い人を見かけるようになって驚いているという話をお聞きし、なんだか申し訳なく感じてしまいました。
ネットさえなければ、地元の人だけのものであった神聖な冷泉に、ネットで噂を聞きつけた自分のような東京の人間が押しかけてくる ── これははたして良いことなのだろうか、地元の人からしたら歓迎されることではないのではないだろうか・・とふと冷静になってしまいました。
しかし、東京から来たと言う自分に対して「畑冷泉にはほぼ毎日通っているけど、やっぱり入ってると違いを感じるよ、虫に刺されたりしても不思議とすぐ治るんだよ」と冷泉の良さを布教してくださり、先に降りられる時には「このお客さんはこのあと冷泉前で降りるからね」と運転手さんに伝えてくださり、別れ際には「ぜひ楽しんできてくださいね!」と笑顔で声をかけてくれて、本当に素敵な人でした!
言葉遣いも丁寧で若い自分にも敬語を使ってくれて、でも嫌味がなく、親切で、可愛くて。
自分もこういうおばあちゃんになりたいなあ。
心があったかくなり、あれやばい、なんかサウナ入ってないのにすでにととのいそう。
到着!緑豊かな九州三名水の地
さて、時刻は10時。
バスを降りるとすぐに畑冷泉館があります。
手前に見える建物は冷泉茶屋(エールカフェ)で、畑冷泉の湧水で入れたコーヒーが美味しいと評判です。冷泉茶屋は11:50開店なので、あとから来てみましょうかね!
冷泉館へとつづく細い吊り橋を渡っていきます!
これも都会にはなかなかない楽しい体験。
荒天時には臨時休館や営業打ち切りも
畑冷泉は水源の関係で台風や大雨の影響をうけて水質が悪化することがあるため、その場合には休館や営業打ち切りになる場合も。
実際、前の週には当日に急遽休館というのが何度かあったので、入れない場合ももしかしたらと想定していました。
見ての通りの素晴らしい晴れ日!実は長期天気予報では長らく雨予想だったのです。
きらやかな緑と青く晴れわたった空、清らかで澄んだ小川。見るからにマイナスイオンが漂っている感じ。この景色だけで、目からととのいそう。
素敵なサウナーおばあちゃんとの出会いで心がととのい、素晴らしい天気がもたらす絶景に目がととのい、あとは冷泉で体がととのうだけ。最高かよ( ◜ᴗ◝)
歴史となりたち
ここで畑冷泉館について学んでいきましょう!
豊前市は海にも山にも恵まれた自然豊かな地で、市の南には山岳信仰に端を発する修験道の修行の場として有名な聖山・求菩提山があります。
その麓にある畑地区には、かつて山伏たちが入山する前に体を清める禊をおこなっていたとされる水場がありました。
その後の歴史で修験道が行われなくなった後、その水場は「水神社」として整備され、一般の人に開放されることとなります。神社内には、樹齢830年超の大楠が育っていて、その根本からは一日1,000トンにもおよぶ量の湧水が今なお湧出しています。
その湧水を引いたのが平成6年に建造されたこの畑冷泉館というわけです。冷泉の温度は年間を通じて約15℃といい元々は冷泉浴だけの施設だったのですが、それだと寒すぎるという声もあり、冷泉に入りやすくするため後からサウナが併設されたという経緯があります。
名水としても名高く、水汲み場には毎日多くの人が飲用水として水を汲みに訪れるそうです。
目の前には小川が流れ、普段は子どもたちが遊んでいてにぎやかなんだそう。この日は夏休み終了後だったこともあり静かでした。
最高の冷泉浴とサウナへ!
時刻は10時をまわったところ。
オープン直後からすでにお客さんが入っています。
受付で初めて来たことを伝えると、スタッフのお姉さんが館内を説明してくれたのですが、すごく親切で感じがよくて、先のサウナーおばあちゃんといい豊前の人って素敵な人ばっかりなの??と思ってしまうほど。
本当に会う人がみんな親切で優しくて、気持ちがいい。
3528/3704人目の来館者
畑冷泉館のチケットは通し番号がナンバリングされているので、自分が何人目の来館者なのかわかるようになっています。私の場合は3528番目で、最終営業日を終えた時点では3704人だったようです。
この数字は例年よりもかなり多い数字なのだそう。
ちなみにこのツイート主のRANMARUさんという方が、先の素敵なスタッフさんです。
①もっくもくミストサウナが最高
畑冷泉館は冷泉とサウナのみの施設となっており、お湯のお風呂はありません。あくまでここの主役は神社の御神木から湧き出る霊水を引いた冷泉。神聖な禊の場であり、サウナはその冷泉に入るための準備にすぎないというわけです。
男女に分かれた浴場にはそれぞれドライサウナとミストサウナがあり、日替わりで入れ替えが行われます。スタッフさん曰く「どちらかというとドライのほうが人気」とのこと。
私が行ったこの日は女性側がミスト、男性側がドライ。
「残念ながら今回はミストだけど、こうして雨も降らずに無事に来れただけでもよしとしよう」と思いながら体を清め、いざサウナ室の扉をあけてびっくり!
個人的にはミストでよかったまである最高のサウナでした!
何がそんなに最高だったかというと・・
このもっくもく!視界が50cmもないくらいホワイトアウト!
奥に人がいるのかいないのか見えないし、温度計も時計も読めません!肉まんってこんな気持ちなんだろうな ── 蒸気はゴーッという音とともに一定間隔で約3分間強烈に噴出し、それが止むと少しずつ視界がはっきりしてきます。
ふむふむ、室温は約60℃。優しい温度ながら熱さはしっかり、ちゃんと汗をかける体感です。
L字型2段式のサウナ室内は10名ほどの大きさで、現在5~6人ほど。年齢層は高めで皆さん地元の人のようでした。
じっくり蒸されたところでいよいよ禊がれにいきますか!
②まろみがある肌馴染みのいい水が最高
天然のミネラルウォーターである神聖な霊水をかけ流し、溢れ出るオーバーフローが贅沢な冷泉は、体感としては15℃よりも低く感じました。入りたては冷ためかもと感じるけど、まろみがあり水に角がないから、冷たくても痛くなく肌に馴染む。
ゆえにずーっと入っていられる・・つまり、最高!!!
なお、湯上がりの肌はしっとり保湿されたようで、温泉の感じに少し似ているなと思いました。畑冷泉は温泉ではないはずですが・・一説によるとこの地は湯出ヶ原という地名を持ち湯が湧いていたとされる説もあるとか。
蒸気で召される新体験
施設内には大広間のような広い休憩部屋があるものの、浴場内にはととのい椅子などの休憩スペースはありません。
したがって、①カランでととのう ②着替えて休憩部屋に行く ③休憩せずにサウナに入るのいずれかのパターンになります。
スタッフさん曰く、ポンチョやワンピースのような着替えしやすい服を持ってきて休憩部屋の縁側で休む常連さんもいるんだとか。この日は休憩部屋に行っている人はほとんどおらず、みなさん繰り返しサウナに入っているようでした。
私の場合はというと、1セット目は服を着て縁側で休んでみたのですが、2セット目以降は着替えが面倒で外気浴をせずサウナに戻るスタイルに。
でもこれが意外とすごく良くて、トランス状態の多幸感に包まれながらもくもくのスチームに包まれるのが笑いそうになるほど気持ちよかったのです。気持ちよくて、幸せで、ありがくて、思わずにやける。
畑冷泉はスチームのもとになっている水ももちろん御神木から湧いた冷泉。浅草寺とか巣鴨などで見かける、香炉から出る煙を体に浴びかけるようなあれに近い神聖なありがたみを感じながら、羽衣とスチームに包まれて召される・・
視界がなくなるほどのスチーム量なので、多幸感でにやついても他人の視線を気にせず、思う存分破顔OK。
冷泉浴を繰り返すほど自分と冷泉の境目がなくなっていき、スチームで包まれ蒸され、冷泉の水を飲み、毛穴から臓器から冷泉と一体になっていく・・私は冷泉・・
③お客さんのマナーの良さが最高
なんだか今日はものすごく集中できるなあ・・
と、ひとつ気づいたことそれはお客さんの黙浴が徹底されていて、わりと人がいるのに、貸し切りであるかのようにサウナ室が無音だということ。
地方ということもあり、こういった施設の場合、地元の方の交流の場となっていてサウナ室がにぎやかであることも多いのですが、ここは誰一人喋ってない。
その無音の一体感のなかに、いかに地元の皆さんが畑冷泉を大切にされているのか伝わってくるようです。
振り返ればここにくるまでの道のりで出会った、バスの中でのおばあちゃん、運転手さん、施設のスタッフさん、出会う人みんながいい人であったこと。それは偶然なのではなく、皆さん一人ひとりが冷泉を大切にされているからこそなんだと気づかされました。本当に素晴らしい場所です。
サ飯はぜひ冷泉茶屋で
畑冷泉館のチケットは当日であれば出入り自由なので、一旦着替えて、隣接する冷泉茶屋へ行ってみることに。
ここの売りは冷泉をつかったカフェメニューや地元食材を使ったお食事とのこと。中でも冷泉で淹れた水出しコーヒーが美味しいとの評判。
ぶっかけうどん 500円 他のメニューが売り切れのためこちらのメニューしかなかったのですが、期待してなかったわりにコシがあってかなり美味しい!
冷泉水出しアイスコーヒー 300円 いわゆるコールドブリューというやつで、苦みなくまろやかで噂通り、かなり美味しい!
身も心も禊がれて、おなかも満たされたあとは水神社へ。
素晴らしい天気に恵まれこの場所に来れたご縁に感謝し、また来年も来られますようにとの願いをこめてお参りしました。
ほんと最高なんだよこの景色・・まさに日本の原風景。
初めて来たのに故郷感がすごい・・
この景色を見てるだけで目からととのう感じがする。
この夏、最高の思い出
次にこの冷泉に来れるのは1年後。
帰りの時間が近づくにつれ愛惜が冷泉の湧水のごとくオーバーフロー。離れがたくて、別れを惜しむように冷泉とサウナを何遍往復したかわかりません。
── 次第に人が増え、サウナ室が満席になったのでやっと帰る気に。
(´-`).。oO(冷泉の神様ありがとう、最高の冷泉浴だった)
推しに課金したいオタクの愛情が芽生え、MOKUタオルを色違いで購入したほか、ステッカーやキーホルダーも全種類購入。
そういえば、昼に来た時におじさん2人組が1人ずつかき氷を頼んでいて、やたら美味しそうだった&やたら映えてたのを思い出して頼んでみることに。
クリームソーダかき氷 たしか650円 氷はもちろん、冷泉の湧水を使用しており、水がいいから美味しい!かき氷なんて久々に食べたなあ!
宇島→朽網→北九州空港へ
15:19のバスに乗り畑冷泉を後にし、約20分で宇島駅へ。
今回のサ旅お土産
豊前とうがらし
宇島駅内の豊前市観光協会で購入した豊前とうがらし 540円
細かいパウダー状だから色々な料理に合わせることができ、香りが良くて美味しい!
稚加栄のいわし明太子、辛子明太子
北九州空港の中で購入。
いわし明太子3尾 2592円
辛子明太子 2160円
料亭の明太子というだけあって上品な味でとっても美味しい!白いご飯が無限に食べられます。
特にいわし明太子は東京では見かけないと思うのでお土産にとても喜ばれると思います!
平塚明太子
搭乗口付近で見つけて購入。
辛口 辛子明太子 1080円 味が濃くてめっちゃ辛いから、釜玉うどんに合わせたり、パスタに合わせたり、玉子焼きに入れたりしても美味しくて、私はアレンジして食べるのが好きかも!
畑冷泉館のまとめ
幻のサウナとよばれる畑冷泉館は、その泉質の良さはもちろん最高でしたが、それだけでなく冷泉を取り巻く地域の人々の温かさも素晴らしく、お客さんのマナーの良さが特に印象的でした。
「お客さんのマナーがいい施設」というのは、すなわち「お客さんから愛されている施設」と言うことができると思います。これまで色んな施設を巡りましたが、畑冷泉館は特に、地域の人から愛され大切にされている施設だと感じました。
それと同時に、メディアへの露出が増え (自分のような個人の発信も含め) おそらく来年はもっと多くの人が来訪することになると思いますが、ブームになって人が押し寄せることへの不安がないわけではありません。
小さな施設なので、混雑しすぎることで利用者の満足度が下がってしまうのではないか、地元の人たちがゆっくり入れなくなるといった状況が起こってしまうんじゃないかと心配してしまいます。地元の方とお話しても、皆さんそのような懸念は持たれているようです。
一方で、私自身も来年も再来年も毎年行きたい気持ちがもちろんあるから複雑なところです。
ただせめて、遠方の人間が来訪するときには、施設と地域の人に敬意を持っていつも以上にマナーをきちんとしなくてはならないと思います。自戒を込めて。
◼️追記
記事を公開したところ、畑冷泉館さんより以下のようなリプライをいただきました。
畑冷泉館さんありがとうございます!
是非来年もお伺いさせていただきたいと思います!また来年を楽しみに、畑冷泉を訪れることができたあかつきにはグッズの購入や飲食などでもできる限りの応援をさせていだだけたらなと思います!
今回の1泊2日ソロサウナ旅、畑冷泉館と湯らっくすを巡ることができ最高の2日間でした!より一層、もっと両施設のファンになったし、もっとサウナが好きになりました!
サウナってやっぱ人生 (涅槃の境地)
最後までお読みいただきありがとうございます。
< 参考記事 >
御神木に湧く禊の霊水”畑冷泉館”-「九州とサウナ」
【豊前市】畑冷泉館へのアクセス・公共交通機関 -webko.trip
神秘の水風呂!? 1年で約1カ月しか開かない幻のサウナ「畑冷泉館」へ
♨ ♨ ♨
サウナや銭湯が好きで銭湯でバイト中、未来に銭湯を残すための活動をしています!
Twitterもフォローしていただけると嬉しいです
https://twitter.com/mommmkan
この旅の全編・後編
【サ旅】湯らっくす │ 東京→熊本→豊前1泊2日<前編>
【サ旅】畑冷泉館 │ 東京→熊本→豊前1泊2日<後編>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?