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神様からの昇給テスト㉙

※注)これは、2020年から私の身の上に起こったことを
思い出しながら、それを乗り越えるまでの体験を
書き綴っているお話です。
先の事はわかりませんが、今現在はたくさんの出来事を超えて
新たな課題と共に元気に生きています。

※注)以下の見解は、私個人が聞いたり、興味を持ち、体験して感じた事をそのまま書き綴っています。個々の選択や考え方、各分野での専門家や医師の見解はそれぞれ違うと思います。癌治療はセンシティブな問題ですが、正解はないのです。自分の体験が誰かの何かヒントになれば幸いです。どうぞ、その事をご理解の上で読み進めてください。

(2021年6月)

人生最大の危機の真っ只中、子供が大怪我をするという…。まさに泣きっ面に蜂とも言える状況。単純にこの出来事を受け止めていたなら、ただの『不幸に見舞われた親子』で終わっていたかもしれない。幸いこの件でも、再び脳天を直撃するほどのショックと、気づきが同時に起こったので、自分の人生にとっては、この先の生き方を変えるほど、意味深い体験になった。

泣いたり怖がったりしながらも、どこか冷静に見ている自分もいて、耳に入る情報を参考にし動き、良いと言われることは片っ端から試してみていた。

そんな時、癌を研究する会のオンライン講習が開催されることを、通っていた温熱治療の待合室に置いてあった雑誌で知った。このころの私にとっては、癌=死という思い込みが思考の大半を占めていて、良くなる事をあまり想像できない状態だった。このオンライン講習では、そんな思いがひっくり返る内容だった。講習会が終わる頃には、人は生きている限り、どんな状況からも復活できる可能性があるんだと思えたので、怯えていた自分の心にはかなりの励みになった。

この会では、病院では完治は難しいと診断されたり余命宣告されたけど、日々、自分の為にできることに専念しているうちに、実際に治癒し元気に暮らしている人達や、現在進行形で自分のケア、手当をしている人達と交流することができる。その方々の歩んできた人生体験や、今までの経緯、良くなるために何をして、何を食べ、どのように現実を変えていったかを、実際にご本人からお話を聞くことができる。自分を助け、精神や身体に優しい方法で自然に病が退縮する方法や考え方を学ぶことができる。

面談の予約を取れば、この会の代表の川竹氏とも実際のお話ができる。ご自身も体験者なので、辛い気持ちに寄り添いながらじっくり話を聞き、相談に乗ってくれた。
病院での治療をするかしないか、悩んでいることも相談した。
この時は気持ちがまだ混乱していたので、どうするのか決められない私は、まとまりのない話をしていたが、最後までゆっくり聞いてくれた。
その後、治療の事やこれからの事をお話しした。そして、最後に川竹氏は意外にも私には特にアドバイスはないと言って、「もう自分で答えがわかってますね。ご自分のその声に従ってください。」それしか言わなかった。治療を受ける事についても、否定するエネルギーは全くなかった。決まってないのに、自信がないのに…。そう思ったけど、だいぶ後になって、その言葉の意味がよくわかった。そう…私の核の部分はもうとっくに答えが出ていたのに、激しく抵抗している自分に隠れていただけだったのだ。

川竹氏の本も何冊か読んでいて、この頃はこの本が精神安定のバイブルのようになっていた。癌についてすごく研究されていて、どのような病なのか、何故、身体に癌を作ってしまったのか、思い込みや考え方、脳のパターン、生活習慣など、癌の仕組みと治るプロセスなどがわかりやすく解説されている。良くなった人達はこの病を知り、自分のできることを命がけで取り組みながらどのように乗り越えてきたのかが書かれている。
自分とシンクロする内容もたくさんあるので、とても参考になったし心強かった。

生きられるという希望を失いつつあった気持ちが少し緩んで、ダメもとでもできる事をやってみよう!という気持ちが少しづつ戻ってくる。
どうせ同じ時間なら、気持ちが死に向かうよりは、実際に自分自身で、できる事から始めて、元気に生きている人に会ったり話をして、気持ちを変えていく方がいいに決まってる。何もやる気が起きない鬱々した気分が続いていたけど、またもや新たな刺激が人生に入ってきた。
「生きてる自分にチューニングを合わせること」次男が入院中にふと浮かんだ言葉だったけど、また同じ言葉が送られてきたみたいだ。

そんな感覚がふわっふわっと来て、一瞬きらっと視界が明るくなれるけど、会が終わって一人になると、またいつものパターンで私の思考はおしゃべりを始める。そうはいっても、あの人の原発病巣の部位だったから、たまたま良くなったんじゃないか。パターンや体質も状況も違うし…。とか、自宅でできる事やっても、変化が起こるまでに時間が時間がかかりそう…そんな悠長な事してて大丈夫かな? 残された時間あまりないかもなのに…。とか、結局まだ決断までには至れない。

ご参考までに ↓

一瞬の晴れ間から、何とかして自分を曇り空の大雨注意報の場所まで連れ戻そうとする自分の頭は、マイナス思考の天才じゃないかと、自分にあきれてしまうほどである。

そうは言っても、やらぬよりはマシだ。頭が何を話そうと、時間があるんだから今日一日でもやれることだけでもやらねば!そう思って無理なく始められそうな項目をノートにまとめる。この講習会や本で学んだことをやるにしても、自宅でできることをコツコツやるには、一人だとなかなか至難の業。
かなり手間がかかるようにも思えるし、時間も作らなければならない。
そして、もう一つの大きな問題。それは自己管理能力だ。
独りだとすぐに怠けてしまう癖が子供の頃からあるので、そこはかなり自分を信じられない。まあいいや!また明日となりがちだ。
とはいえ、その癖は意外にも私だけではなく、自己管理が難しい人はかなり多いようで、先程の会では、24時間電話などで、一緒に自宅治療をサポートしてくれるサービスがあるという。怠けないように他者に管理して、落ち込んだ時には励ましてもらうことで、毎日持続が可能なのだという。私もおすすめされて、しばらく考えたけど結局断ってしまった。

なぜなら…。すごく魅力的で心強いなサービスだったけど、前回書いた息子との体験や講習会で色々感じたもありこんなことを思っていた。
●生きている限り諦めない
●今ここの目の前にあることや状況に集中する
●今日できることをやる(思ったことは先送りしない)
●現実の問題から逃げない
●目の前にいる人達のことを忘れない
●自分で決める
●自分で作った病なら自分で治すと決める
●まずは自分の気持ちや自分自身を尊重する
●完全なる他人軸だから自分軸に変える。
●迷ってる時は決めない
●過去を否定しない(これ難しい)
●未来のことは考えない(長い先の予定はできるだけ組まない)
●自分に責任を持つ(誰かや何かのせいにしない。)
●出てくる感情を止めない

などなど、色々自分だけのルールを決めていた。なのでこの人生で一番ネックに感じている依存的な自分の性格を変えたかった。自立したかったのだ。もし、誰かに見てもらいながら、指導してもらいながらでないとできないのであれば、それはどこか自主性に欠ける気がするし、自分の性格上、変に気を使ってしまったり、その人達に依存してしまうかもしれないと感じていた。母との関係でも思うことだが、もういい年した大人だし、母親にもなったけど、私のインナーチャイルドは時が止まっていて、いまだ親の何かに答えようとする子供が私の中に存在している。この問題はこの機会に本気で解放したいと思っていた。

なのでとにかくやってみて、限界が来たらお願いする日が来るかもしれないけど、今は自分でやってみようと考えた。

そして、なにより堂々と断れたのは、もうどこかで‘‘一人でも大丈夫‘‘という気を自分から感じていたから。前回の衝撃で確実に目が覚めていた気がしていた。

自宅でできる自然療法のことは、気休めだと思う人もいるかもしれないが、そもそも、これ自体はやってもマイナスになる事はまずない事と、お金も大してかからず、根気はいるけど、気軽に始められることがすごく魅力的だった。

実際には、半信半疑で始めた私だけど、やってみた手当に関してはいい効果が出ているし、昔の知恵や自然療法は侮れないということだけは、続けてきた今となってはよくわかる。そして、なにより身体に優しいのが素晴らしい。

これまでに参考にした、自分で自分にできる手当は
●心の乱れを整える(受けとめかた、考え方を変える)
●適度な運動(散歩や体操。気分が上がること)
●食事を変える(化学調味料や農薬を使わない自然の食事をとる。菜食、玄米食)
●手当をする事(枇杷葉温灸や半身浴など)
●自分に治る。大丈夫だ。今日も元気だと言い続ける
●感謝も気持ちを忘れない
●毎日の感謝できることを寝る前に読み上げる。(自己流の習慣)
●辛い環境や、我慢していることは極力しない。やめる環境を変える。
●極力、心地よさを重視する(幸せと感じる状況や時間を作る)
●固定しない。決めつけない。ルールに縛られず自由に変化させる。
●最後が一番重要!たとえ自分との約束を破っても辛くなったら無理はしない(適当にする)
…などなど。

身体については再発した時に、ストレス、疲労、電磁波マックスだったので、まずは身体のデトックスをしたくて、断食施設に行こうと予定を立てていた。それは息子が怪我をする前のことだった。

かなり昔に知り合いが癌になった時に進めた一冊の本があった。まさか自分が読む日が来ようとは、その当時は思ってもなかった。
そこで紹介されていた施設がどうも気になっていたので、ドクターの本も購入して読んでみたりしていた。

電話で問い合わせたら、6月はオフシーズンだと教えてくれた。
行くならできるだけ人が少ない時期にと考えていたので、6月中旬に予約を取ろうと決めていたけど、6月初旬に息子の怪我があったので、この計画は一時中断していた。こんなことになったし、この先も頻繁に通院しなきゃだから、デトックスに行くのは諦めるしかないと考えていた。
何か始めようとすると、いつも何かしら起こって中断する。
これは、子育てあるあるだし、母になってから予定通りにいかないのは常である。だから今回も仕方がない。完治まで9か月だし、片手だとしばらく大変だから……。

そんなことを考えたいた時、ふとこんなことが頭をよぎった。
なんだかこの状況、試されてる感じ。以前受けたセラピーの言葉。
自分の為に生きる事。自分の事をやる。

行くなら最低10日間は行きたい。でも…

●状況的には自分がいた方が手続きや通院など色々スムーズにいく。
●学校もあるから日々の生活のお世話や食事など、旦那だって仕事があるから全てを頼むのは難しい。
●片手が動かないので普段より生活の面で手間がかかる。
●旦那の仕事が夜間なので、子供達が夜二人だけになる。
などなど、考えだしたらキリがない。

こんな時にでも、子供をほおっておいて自分の為に家を出れるのか?こんなお題をもらっているみたいだった。

今までの私の選択は、自分が犠牲になってでも、自分がやらねばと思ったり、状況的に無理と思ったら一瞬で諦めたりしていた。骨折した息子を置いて、自分だけリゾート行くの?とか、本当は心身共に切羽詰まった状況なのに、誰に何と言われるかわからい…とか人の目を気にしていたり。いつも自分を優先して選ぶと、ほれ!見たことか!!!って言われるような状況になってしまったり、帰宅した時に、溜まっている家事が山積みで後悔したりして…とか、ろくなことがなかった記憶が思い出せれる。でも、今回はこんな事が頭によぎってても、惑わされることのない感覚が何故か不思議とあって、この状況も変えていける、変えていくんだ感じている私。

「こんな時だからこそ予定を入れるのだ。子供とはもっと元気になって会えるじゃないか、死んだら永遠に置いていく事になってしまうよ!だから、全てうまくいくと信じてやってみて!自分の心は本当はどうしたい?」もし一人で自由なら…。

「やっぱ行きたい、一回一人になって、自分だけの声を聴きたい」それが答えだった。

次の日、家族には事情を話して、10日間家を離れることを決めた。
不思議と誰も抵抗なく、怪我をした次男も全く問題なくOKで、予約もスムーズに取れた。旦那も全然使っていなかった有給が使えると、10日間休暇を取ってくれることになった。彼も休みなしだったから、久々にゆっくり休めるし、一番心配していた、夜中に子供二人だけになるという問題も回避できたので、結果かなり良い感じに納まった。

自分の為に予定を入れる。
自分の為にお金をたっぷり使う。
自分の為の贅沢な時間を作る。

こんな事が、今までの人生、私にとっては簡単でなかったのだ。
特に母になってからはもっとその癖が強く出ていたように思う。

そんなこんなで、すべてがいい感じで決まっていった。
この流れを思うと、どうやら今回のテストはパスしたように思う。
泣いて鬱々していた私が、昔の旅を思い出し、活発に準備をしていて、誰のなんの抵抗も感じることなく、その全てがスムーズに動き出していた。

どんな旅になるのかはわからない。全く知らない場所。本を読んだだけで、どんな施設なのか聞く人もいない。行ってみないとわからないところは、完全に私が好きな計画のない旅の醍醐味である。不安の裏側には確実にワクワクがある。

子供を産んでから初めて子供と離れて過ごす時間。電車での長旅や男三人を残していく事、まだ何も決まっていないし、自分の身体もどうなるかわからない。不安や心配そんな気持ちが残る中、止まっていた時間が確実に動き出していた。

……続く

※最後までお読み頂いてありがとうございました。この記事がよかった方は『スキ』又は『サポート』よろしくお願いします。

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