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病気と付き合うこと~大動脈解離その後~

 胸部大動脈解離のmominです。退院してからもう半年を過ぎようとしています。が,いまだ自宅療養中の私。退院後にあったことや気づいたことなどがありましたのでお話ししようと思います。

1 元に戻れないことに気づいた!

 退院して3週間たったころは,いまだに胸が苦しく,小さな咳やくしゃみをするたびに胸に激痛が走る日々でした。4月から職場復帰を目指してはいたのですが,体が重く疲れやすくなったこともあり,断念。

 通院でCTを撮った結果は順調とのこと。でも血圧が130~140と少し高めになるのが気になります。主治医は
「食生活に気を付けるように。」
と言い,薬を1つ増やしてくれました。 妻も私も塩分には十分注意して食事を作ってはいたのですが…。

 退院後1か月して,背中の痛みが激しくなりました。加えて持病のヘルニアが暴れだし,左足の坐骨神経痛と首周りの痛みが続きました。背中の痛みはCTによると解離のせいではないということです。主治医に相談して院内の整形外科を紹介してもらい,診察を受けました。

 結果は,
「体が硬いので,まずは運動に取り組んでください。それで改善しなければ,また来てください。」
とのこと。

 私の心の中は穏やかではありませんでした。何年も前から整形外科や整骨院などにかかって改善しなかった痛みです。いまさら運動で治るわけがない。

 でも,言われたからにはやってみなくちゃ,そう思いなおして運動に励むこと1か月。痛くても我慢,継続は力なり… 継続は力… 継続は…

 結局,痛みが続き,立って仕事をするのは30分が限度。もう二度と整形外科にはいかないと心に決めた私。どこかに評判のよい整骨院はないかな,とそれとなく探す私。いずれにせよ体力をつけなくては,と思う私。

 仕事も体もどうやら元に戻るっていうのは難しいと悟ったのでした。


2 奥さん,貴女もですか!

 しばらくして皮膚病と眼病を患っていた奥さんが,目が見えずらいと言い出し,他の病院で診てもらうことに。実は皮膚病も眼病も原因不明なのです。

 奥さんは今まで私のお世話を働きながら見てくれました。その奥さんにもしものことがあったらと思うと,気が気ではありません。

 目に注射をすること3回。それも1回あたり数万円するのです。それでも視力が回復しません。

 皮膚は光線治療を続けていますが,症状が治まりつつあるものの,赤みが広がるなどの副反応があり,一進一退です。

 血圧も高いのです。私よりも10~20高い。いつも150前後です。あれだけ塩分に気を使っていても血圧が下がらない。なんでこうなるの!

 もう自分のことばかり考えていられません。奥さんが働きに行っている間は炊事洗濯掃除など,やれることはなんでも取り組む私。痛いなんて言っていられません。


3 病気と付き合うことは…

 「体が痛いので,整骨院に行こうと考えています。」
 主治医が言います。
「ゆっくり,ゆっくり…。」

 焦らず,少しずつと言いたいのでしょう。奥さんの病気といい,私の病気といい,すぐに治るわけがないことは分かっています。病気を敵対者と思って打ち勝とうとすると,その反動は意外なところにも現われ,かえって病気をこじれさせることになりかねないことも知っています。

 そこで私は思ったのです。病気と付き合おうと。

 まずは,動くこと。痛くなったら立てなくなるぐらいまで頑張って,あとはベッドで痛みが引くまで休む。この繰り返しだったら何とか続けられそうです。

 パソコンに向かうのはそんなに苦ではないので,職場など元に戻らず,在宅ワークができるよう勉強する。(ようやくホームページが作れるようになりました。)

 なけなしのへそくりで資産運用をすること。もしも奥さんに何かあったら,私の身に何かあったらと思うと,あとに残る子どもたちが苦労します。だから少しでもお金を残しておきたいです。

 あとは…毎日を大事に生きること。特に奥さんとの日々は。笑顔で(なかなかできないけど),たまに集まる子供たちと奥さんとの楽しい思い出をたくさん作ること。

 要するに体の不便さを楽しむ心のゆとりをもって,いつでも前向きに一日一日を過ごすことが大切であると感じています。一瞬でも楽しめればいざというときに笑って旅立てる,そうすれば残った家族も幾分かは心が安らぐことでしょう。

 今はカレーを作っています。腰が言うことを聞きませんが,休み休み作っています。多分今週中には娘が帰ってきます。その時には熟カレーになっていることを期待しながら。もちろん,奥さんも…。

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