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リタイアして変わった自分 ~療養中のくらしの中で~

 病気療養中のmominです。秋です。木々の緑が日を追うにつれ赤や茶色に変身していくのを見て,さみしさや底知れぬ怖さも少しずつ味わうようになりました。

 というのも,発症が早春の寒い朝。職場について着替えとあくび一つで救急車を呼ぶ羽目に。胸部大動脈解離って突然に襲ってくるものなのです。それで寒さと血圧が怖い私。

 あれから9カ月たっても血圧が安定しません。腰や背中,肩が痛く30分立っているのがやっとな私。おまけにこの頃,胸が重く,押しつぶされそうな感覚があり,息切れしやすくなりました。

 今まで心臓に異常はなかったので,運動不足かと思い,体を動かすことに心がけて生活していました。そんなことで仕事はリタイアです。

 でもじっとしていられない私。入院していたころに発売された「刺繍で楽しむスヌーピー&フレンズ」に取り組んでいます。入院していた時になぜか気になっていたんです。退院してすぐに購入しました。

 男なのに刺繍?それがどうした!!(開き直ってどうする???)

 重いものは持てません。ギターも弾きたいのですが,楽器の取り扱いがうまくいきません。おもさがあるものはダメなようです。ちなみに料理は時間をおいて休み休み作っています。

 そんなに器用なほうではないので,最初は糸を絡ませたり指をさしたり…。やり直しもよくありました。

 でも,慣れてくると時間のたつのも忘れていることが多くなりました。再発の怖さも一時忘れます。なんか今までの自分ではなくなったような変な気分です。女性の趣味の一つである理由がわかるような気がしました。

 というのも,在職中は時間に追われ,じっとしている余裕がない日々でした。小学校教諭でした。多趣味ではありましたが,休日は教材研究に追われ,好きなことをじっくりなんてできない日々が続いていました。それが当たり前のことでした。

 大病を期に退職して刺繍していると,無心になれるんです。心が軽くなるんです。久々に椅子に腰かけじっとしている自分をみると,ちょっぴり大人になったかなと思います。(自画自賛とはこのことですね。)
 もう一つ,変わってきた自分を見つけました。段取りがよくなったことです。

 刺繍はたくさんの糸を使います。針も使います。次のことを考えて片付けをしながら次の準備をするのです。例えば次に緑の糸を使うのであれば,今まで使った糸を片付け,緑の糸を規定本数取り分けておきます。黒は一番使うので足りなくなることが予想されたら,必要本数をとりわけ,あまりを緑と一緒にまた使えるよう糸巻に巻いておく,なんて。

 いままでが散らかしっぱなしの私。先のことが考えられるようになったなんて,自分でもびっくりです。

また,テレビもほとんど見なくなった私。もっぱらラジオが情報源になりました。

 元来飽きっぽい私のことですから,いつまで続くかわかりません。万が一の時がきても,刺繍の作品は残ります。自分が生きた証拠が残ります。noteの記事とともにです。

 生かされた命です。これからも一日一日を大切に生きていきたいと思います。


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