百人女郎品定(上)
女帝 皇后 皇女
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内侍 典 おすへ
※ 「長橋局」は、勾当内侍の別称で、宮中に仕えた女官のこと。清涼殿の東南隅から紫宸殿の御後に通じる細長い板の橋のことを長橋といい、そのそばに勾当内侍の局があったことからこの呼び名がついたそうです。
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尼御所 供の女中衆
※ 「重祚」は、 一度退位した天皇が再び位につくこと。
※ 「後室」は、身分の高い人の未亡人のこと。
※ 「遍照心院」は、万祥山 大通寺(京都市南区)の院号。
『百人女郎品定』では「鎌倉頼家● 後室二位の尼、遍照心院を建て住給へり」と書かれていますが、大通寺のWebサイトによると「承応元年(一二二二年)に、源実朝の妻、本覚尼が亡夫の菩提を弔っていたが、真空回心上人を請じて梵刹を興し、萬祥山遍照心院大通寺と名付けた」とあります。
参考:大通寺Webサイト「大通寺の歴史」
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斎宮 女官 おほら子
※ 「おほら子」は、御子良子のことと思われます。大正時代の『近松全集』に以下のような説明が見られます。
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公卿室 姫君 御乳 女中
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采女 女嬬
※ 「めのわらは」は、女の童。
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端女衆
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神職の室 神子
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武家の室 大名の姫君
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大名国御前
※ 「巴」は、巴御前のこと。源(木曽)義仲の側室。
※ 「山吹」は、源(木曽)義仲の側室。
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女俳諧 お髪揃 女いしや
※ 「丹州かいばらのすて女」は、江戸前期の女性の俳人 捨女(丹波国氷上郡柏原の生まれ)のこと。
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女祐筆 お物師
※ 「筆とり」は、ここでは、文筆にかかわる業務をする役のこと。書記。
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盲女 舞子
※ 「御宇」は、天皇の御治世、御代のこと。
※ 「島の千歳」と「和歌の前」は、白拍子舞を始めたとされる女性です。また、和歌の前は、箏の名手でもあったそうです。
※ 「磯のぜんじ」は、磯禅師。静御前の母で、鎌倉前期の舞楽の名手と伝えられています。
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町人上品の室 こしもと 中居
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有徳人の室 十種香の体
※ 「有徳人」は、富裕な人のこと。お金持ち。
※ 「十種香」は、著名な香の名前十種。栴檀・沈水・蘇合・薫陸・鬱金・青木・白膠・零陵・甘松・鶏舌。
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町人中品の妻
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商人の妻 むすめ 下女 大こんかく
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扇屋 職人女 組屋
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苧つむぐ わたつみ かのこゆい
※ 「苧」は、麻の古名。
※ 「かのこゆい」は、鹿の子結い。鹿の子絞りに染めるために、絹や布を糸でつまみ縛ること。
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しつかいや しめ物師 すわひ
※ 「しつかいや」は、悉皆屋。大坂で染め物や洗い張りなどの注文を取って、京都の専門店に取り次ぐことを業とする人のこと。または、染め物や洗い張りを職業とする人のこと。
※ 「すわひ」は、牙儈。売買の仲買をする人のこと。
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衣屋 ぞうりのはなをねり
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くだ巻 はたおり 糸くり
※ 「あやめ」は、漢女と書くのでしょうか。古く日本に渡来した漢民族の子孫と称する人々を漢氏といいます。漢氏は秦氏と並ぶ古代渡来人系の氏族です。
※ 「いとめ」は、糸女。糸をよる女性のこと。
※ 「くれはの里」は、呉服里。呉織が住んでいたことからそう呼ばれたそうです。摂津国の古名。
※ 「くだ巻」は、織機の杼に入れる管に、緯 となる糸を巻きつけること。
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白川の石うり
※ 「白川の石」は、白川石。京都の白川の上流域(現在の京都市左京区北白川付近)で取れる黒雲母花崗岩。
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八瀬の黒木売 大原の柴うり
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百姓の女房
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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