【道具図鑑】宝船桂帆柱(4)十遍舎一九×歌川広重 4 mominaina 2023年11月29日 21:52 百工具之図出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』<百工具之図>矩曲尺まがりかね 規ぶんまはし すみつぼ 墨指すみさし 鑿のみ 壺鑿つぼのみ 鐔つばのみ 鏨いしきりのみ出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』釿てをの 両刃は 片刃 鍘やりかんな なまぞり 前鍘かんな(おけやにて用る なまぞりは佛神に用る) 正直せいじき大かんな 銫(大かんなを正直といふ 桶やならびに経木または硫黄木つけぎをけづるにこれをもちゆる)出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』鋸のこぎり 引まはし ねずみがゞり 大鋸台切だいきり 前挽まへびき みな木挽こびき用る 錐きり 三稜みつめぎり出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』三又ぎり 壺錐つぼきり 錑もじり 舞錐まひぎり 内鑯うちせん(■ [やねふき茴+月] 屋 こけら板へぐに用る) 外《そと》せん 源翁げんおう 出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』■ [金かなづち+奄] 鑢やすり 雁岐がんぎやすり(獣けだものの角つのをする用) 柊■さいづち [木+発] よこづち ■■かけや 鏨たがね 釘抜くぎぬき 泥鏝こて つるくび やなぎば ※ 「■■かけや」は、掛矢かけやのこと。家宅之用出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』甘堝るつぼ 鑕かなとこ ならし<家宅之用>棟むね棟むねは屋根やねの 頂上てうじやう をいふ。甍いらかは上にありて屋根を覆おほふ所をいふ。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』檐のき檐のきは、屋根やねの下垂たる所なり。庇ひさしといふは、軒の下につぎたすをいふ。飛檐ひゑんといふは、堂殿とうでんの屋根 二重椽たるきにして上は延のび下ちゞまり、四隅すみ反そり起おこるかたちなるを いふなり。※ 「檐のき」は、軒のきのこと。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』梁うつばり屋根やねのはしらを棟木むなぎといふ。そのむねを負をふものを梁うつばりといふ。梁の上のはしらを栭たりといふ。枓ますがたは、はしらの上の方なる木なり。■ひちきは胘木ひちきなり。衡けたをかけたまはる木なり。※ 「■ひちき」「胘木ひちき」は、肘木ひじきのこと。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』枓ますがた 升■ [开+久] 桁けた桁けたは、やねの横木よこき也。軒のきのはし四辺へんによこたふものを 軒桁のきけたといふ。棟木むなぎと軒桁との間にあるものを母屋もや桁となづく。堂どうの軒桁の丸きものを 丸桁といふ。橋のけたを 往ゆき桁といふなり。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』桄ぬき 和名 貫凡、家いへの柱はしらに孔あなをほり、横木をつらぬき総そう柱をぬふものを 桄ぬきといふ。たとへば、柱は経線たていとの如ごとく、貫ぬきは緯ぬき糸のごとし。故に名づく。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』榱たるき 和名 垂木榱たるきは 棟むな木の上屋根やねをうくる木なり。大抵たいてい、方三寸ばかり大小ありといへども、三寸と名づく。板いた屋、草くさ屋におほくは丸き木、または竹を用るもおほし。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』博風はふ 破風 狐きつね格子がうし 蟇脵かいるまた 障泥あをり博風はふは棟むねの 耑表はなおもて に向むかふ所なり。丸く反そりたるを 唐から破風はふといふ。梁行はりゆきの 詹のきに尖とがりたる棟むねを出すもの 障泥あをりといふ。※ 「詹のき」は、軒のきのこと。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』大棟むねの肩かたに小棟を 倚よせかく るものを千鳥ちどりと名づく。懸魚げぎよの下の格子かうし狐きつねといふ蟇脵かいるまたは、破風はふの下に蛙かいるの股もゝに似にたるゆへに名づく。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』門門もんは 両戸りやうこを合あはせ出入でいりを通つうずるものなり。冠木かぶき門は、四つの柱はしらをたて、そのふたつは ■こしがた のかはり扉をとゞむ。棖ほたて は門の両方の木なり。凡、門もんはしらはおほくは丸まるくして、扉とびらをつけがたきゆへ、傍そばにひらたき柱をたつる。これを棖ほたてといふ。略ちとたてたる鉾ほこの形かたちに似にたる故、鉾ほこだてとも。また、口くちのかたはらの頬ほう、がまちに似たるゆへ ほうだてともいふ。楣まぐさは 門戸の上 横梁よこうつばり なり。■けはなしは 蹴放けはなし 也。門戸の下横よこ木内外の限かぎりをなすものなり。梱こしがたは門の杭くひにて 扉とびらをとゞむるなり。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』華あぶみ瓦かはら 鬼おに瓦 平ひら瓦 䟽つゝみ瓦 丸まる瓦䟽つゝみ瓦は 巴ともへ瓦をいふ。花瓦あぶみがはらとは 唐草からくさのこと也。※ 「■つゝみ瓦」は、包瓦つつみがわら、堤瓦つつみがわらのこと。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』鵄尾くつがたは 鳥衾とりふすま 瓦。蚩吻しふんとは ■瓦しやちほこ のことなり。平ひら瓦、丸まる瓦あり。巴ともへ瓦は 丸瓦の耑はしに底そこあり。巴の紋もんある故に名づく。唐草からくさ瓦は 平瓦の耑はな 水草の文もんをつくる。ちと ■あぶみの形かたちなる故に名づく。鬼おに瓦は 方形にして裾すその両耑はな巻まきて蕨手わらびての如く 鬼をにの面おもてをつくる。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』または、木板いたにても作つくる故、鬼おに板ともいふ。獅子しゝ口ぐちは 三の 鳥衾とりぶすま をいたゞき、おもてに波なみの文をつくる。棟むねの耑はなにおきて 鬼おに瓦に代かふる也。菊きく丸は 色よりちいさく菊の文もんをなして、棟むねの上にならべかさねおくものなり。輪違わちがひは 形 爪甲つめに似にたり。故に ●瓦といふ。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』則、菊きく瓦の上にならべ、輪違わちがひの文の如くなす。甍いらかのかざりとするもの也。女牟度めんど瓦は 丸瓦の半ぶんなるもの、屋根やねの丸瓦の交あはひに用ひてすきまをふさぐ。竪たてがはらは 壁のこし塀へいに用ゆ。敷しき瓦は 石畳となすもの。※ 「女牟度めんど瓦」は、面戸瓦めんどがわらのこと。出典:国立国会図書館デジタルコレクション『宝船桂帆柱2編4巻』土■どゐ瓦かはらは、そのかたちつゝのごとく 地ち中にうづめて水道すいどうとす。井戸瓦は 石垣いしがきのかはりとなすもの也。凡、瓦数品すひんありて枚挙まいきよせず。呂氏●●●●が曰、陶とう者の瓦をつくる ● 円●●●●して、割分わりわかつ ときは瓦なり。また 合あはす時は円にして、その瓦の質しつを失はずといへり。筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖 ダウンロード copy #道具 #古文 #大工 #古文書 #歌川広重 #瓦 #十返舎一九 #建築用語 #十遍舎一九 4