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【梅園魚品図正】(5) 目高(めだか)/鰤(ぶり)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1


目高メダカ 又 麥魚メダカ

癸巳二月十二日 写

不詳 漢名

丁斑魚メダカ 『湖中産物圖證』

丁斑に、同名あり。
闘魚ヲイカワ も 丁斑と云。即、『秘傳花鏡』載する者は、闘魚の丁斑魚也。同名異物。

※ 「麥魚」は、麦魚。


ブリ

壬辰閏十一月廿一日 真寫
海魚類

海鰱イナダ 『産物志』
ハマチ 京  イナダ 『料理綱目』

鰤の字、昔より國俗ブリとよむ。然ども、出所 未 詳。
『本草』無鱗の部に出す鰤は、別物也。ブリは 有 鱗。魚師  ルコト  ニ 明也。

 ヲ 引曰、 ハ 老魚也。 ト ハ 一物也。

不利ブリ魚 の できを ワカナゴと云。
江戸方言  鰍 『料理綱目』

二年を歴て イナダと云 江戸方言
 マチ 筑紫方言
 ヤズ 同 肥前

五年以上を ワラサ、又、不利ブリ と云。

海鰱、丹後の與、雲州 とも嶋を名産とす。他州、皆産す。


※ 「産物志」は、『本国産物志』のことと思われます。『本国産物志(紀州産物志)』(国立公文書館デジタルアーカイブ)の巻四(22/43)に「海鰱ブリ」の記載があります。
※ 「國俗」は、国俗。国風、国の習慣。
※ 「『本草』無鱗の部に出す鰤」は、『本草綱目』の鱗部四十四巻の鱗之四に掲載されている「魚師」のこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション
本草綱目卷1,2,4-11,14-28,36-52序1卷首1卷 [26]
出典:同『本草綱目卷1,2,4-11,14-28,36-52序1卷首1卷 [26]

※ 「不里」は、ぶり。
※ 「魚 の でき」は、魚苗ぎょびょう。稚魚、幼魚のこと。
※ 「雲州」は、出雲国いずものくに



筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心のためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。

この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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