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いよいよ実践!未経験シングルマザー、Webデザイナーへの道。

「学ぶ」「働く」「つながる」の3つの活動からなる、沖縄のシングルマザーのためのWebデザイン就業・協働プロジェクト MOM FoR STAR。プロジェクトは「学ぶ」研修から、ついに「働く」ステップへ。1期生メンバーはそれぞれのレベルに合わせて、少しずつ実際のWeb運用業務に携わり始めています。

Webデザイン未経験だったメンバーたちが、実際にどんな仕事をしているのか?そして現在の心境は?プロジェクト開始から半年、1期生メンバーの今の思いを聞いてみました。

ついに実務スタート...東京と沖縄で密に連携!

「おはようございます!今日は〇〇の案件がありますね」「隙間時間でCSS設計の研修課題をやって、スキルアップを目指しましょう!」MOM FoR STARメンバーの1日は、オンラインの朝会からスタート。

Web業務を監修するのは東京にあるデジタルデザイン会社フォーデジットです。東京と沖縄をオンラインで繋ぎ、業務の指示や監督、スキルアップのサポートをしています。

まずは朝会で、今日の作業確認や連絡事項を共有。

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朝会が終わると、さっそくSlackで案件の連絡が届きます。今日の1件目の業務はマンション販売サイトのナビゲーション修正と、テキストの差し替え。タスク管理ツールBacklogで詳細を確認し、細かい指示はオンラインMTGで話しながらすり合わせていきます。

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「この案件お願いしたいです!説明するのでMeet入れますか?」「こちらデザインからコーディングまでお願いします!」

業務内容は、メンバーそれぞれのレベルに合わせたものを、フォーデジットのメンバーが選んでいます。作業でつまづくことがあれば、いつでもオンラインMTGを繋ぎ、確認しながら進めていきます。

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現在1期生メンバーが請け負っている主な案件は、Webサイトの情報更新や画像の差し替えなど軽微なものから、ナビゲーションの追加など少し難易度の高いものまで。Photoshopなどのツールを使った画像修正と、HTMLやCSSのコーディングといった作業がメインです。

業務が始まったばかりの頃は、指示書を見ても「何を言っているかわかりません…」という状況でした。監修するフォーデジットのメンバーがつきっきりでレクチャーしながら作業をしていたそう。業務に慣れるにつれてだんだんと、簡単な作業であればレクチャーなしで進められるようになってきました。

実務を始めてわかるWeb制作のリアル

研修をクリアした1期生が順にWeb運用業務に入ってから、約1〜2か月ほど。メンバーは研修とはちがう責任を感じながら、日々の業務に取り組んでいます。これまではイメージでしかなかったWeb制作という仕事の“リアル”に触れることで、驚きも大きいようです。

「研修で学んできたつもりでしたが、習ったことはまだこの仕事の“入り口”でしかなかったんだと気付かされました。実際は想像していたよりずっと奥が深い。難しいけど楽しいです。」
「Webデザインって、そんな細かいところまで気を使うものなんだ!って。1センチとかじゃなくて1ピクセル。画面の1粒までこだわることにとても驚きました。」
「研修と実務で一番違うのは、納期があること。研修中も目標時間はあったけど、あくまで目標だったので。実際に案件に入ると納期があるというプレッシャーと、間違えたらどうしようという心配で、最初は吐きそうなくらいでした(笑)」

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研修期間にはまだ見えなかったWebデザインの奥深さを痛感することで、成長していかなければという気持ちも大きくなったそう。業務後や週末に時間を見つけ、自主学習も行っているといいます。YouTubeでレクチャー動画を観たり、研修課題を復習したり、メンバー同士で教え合ったり。各々に合ったやり方で学び続けています。

「特にコーディングに関しては、まだまだ知らないことがたくさん…その中で一つ解決できた、そういうことだったんだと気づけた、実務をこなしながら一つずつ勉強しているところです。」

期生には、プロジェクトに参加するまで全くパソコンを触ったことがなかったというメンバーも。使い方の説明を受けても「そもそも説明に使われる言葉の意味がわからないんですよ!(笑)」という状態だったそう。未経験ならではの高い壁がある中、専門用語もひとつ一つ噛み砕いて理解しながら研修を進め、ここまで辿り着きました。

「やっと実務に入ることができて、まだやっていることは小さいけれど、これって本当にお客さんがいる仕事なんだ!と考えると、ステップアップできているんだと感じます。一人前になりたい、ここは私ができますと言えるようになりたい、という自分の理想像も見えてきました。」

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ママの働く姿が子どもたちの刺激に

沖縄で緊急事態宣言が発令されている間、MOM FoR STARメンバーは在宅勤務を行っていました。自宅でパソコンに向かうお母さんの姿に、子どもたちも興味津々。「ママ、今日は何作ってるの?」と聞いてきたり、オンラインMTGをのぞき込んだり、いろんな反応があったようです。

「これまでの仕事では、私が朝家を出たらそこまで。どんな風に働いているのか、子どもたちは見たことがありませんでした。でも今は、パソコンでこうやって作業をしているのを間近で見られる。パソコンを開かないと、なんで仕事しないの?と怒られるんですよ(笑)」

働くお母さんの背中から何かを感じ取っているのか、メンバーの子どもたちはとても協力的だそう。そうした支えもあり、仕事と生活をきちんと分け、両立できていると言います。

「以前の仕事では家を空ける時間が長く、子どもとコミュニケーションの時間があまり取れませんでした。帰宅しても家のことをやって...いっぱいいっぱいになっていたけど、今は在宅ワークも選べる。子どもたちを見ていられる安心感があるし、子どもたちも『ただいま』が言えるんです。」
「ママは今忙しいから自分で自分のことをやろう!と、子どもたち自らお手伝いしてくれるんです。何しとく?お米洗っておこうか?なんて。私の働いているところを間近で見ることが、良い刺激になっているんだと思います。」

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RBC NEWS「つなごう沖縄 シングルマザーの就業支援へ連携」より

辞めたいと思った日も。続けられたのは…

メンバー全員が未経験からのスタート。ここまで続けるには大変な苦悩もありました。メンバーたちは明るく笑って話してくれましたが、たくさんのことを乗り越えてきたようです。

「何回やっても全然理解できなくて、同じ課題を1週間も2週間もやった時期がありました。ずっと足踏みしているのが辛くて、その時は本当に辞めてしまおうかと…」
「私は自分が納得できないと飲み込めないタイプ。そのせいか研修で周りから遅れてしまって、その時はめっちゃ落ち込みました。投げ出しそうになったけど、負けてたまるかと。始めたからには簡単に抜けられないという覚悟でここまで続けて、やっと今、実務まで追いつけたんです。」

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まったく初めてのことに挫折感を味わったり、悔しい思いをすることも。そんな中でも、この半年間続けられた理由を聞くと、メンバー全員が口を揃えて「仲間の存在」だと言います。

「やっぱり初めての人が5人いて、みんな同じスタート。みんな同じ気持ちだから、自分も頑張らなくちゃと思えました。」
「最初は正直、すぐに辞めるだろうなと思っていました(笑)。元々デスクワークは苦手だし、体を動かす仕事の方が好きだと思ってたんです。それが今は、これまでこんなに仕事に集中したことないかもというくらい。」

年齢やバックグラウンドは異なりますが、同じ目標に向かって切磋琢磨するMOM FoR STAR 1期生たち。メンバー同士で、研修内容や仕事のことはもちろん、子供や学校のことを相談することもあるそう。「相談相手がいるって素晴らしいですよね」という一言には実感が込められていました。

未経験からWebデザイナーへ

MOM FoR STARメンバーを日々サポートしているのは、Web運用業務を共にするフォーデジットのデザイナー、エンジニア達。作業を見守りながら「こんなにできるようになったんだ」「ここまで1人で終わらせられるんだ」と成長を実感しているそう。

これからの道のりを聞くと...

「今はまだ作ってもらったものに、ダブルチェックが必要な段階。少しずつ習熟して、自分1人の力で最後まで業務を終えられるようになるのが次のステップです。」
「まずは、つまずいた作業をもう一度やってみて、次は1人でできるようしていくこと。その積み重ねだと思います。わからないことがあった時にそのままにしておくと、また次もつまずいてしまうから。どんどん聞いてもらって、一緒に頑張りたいです。」

Webデザイナーへの道を少しずつ歩み始めた1期生メンバーたち。本人達にこの先の目標について聞くと、「自分はまだまだ」「まずはスキルアップを」と現状を受け止めながら、夢を語ってくれました。

「ひとりでホームページを1から作り、自分で仕事ができるようになりたい。もちろんまだまだですけど、最終的には独立したいんです。そして地元沖縄の小さなお店、雑貨屋さんなんかのWebサイトを作れたら...」

MOM FoR STRAメンバーの挑戦はまだまだ続きます。


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