035 求められるダイバーシティ&リベラル
私立大学の観光学部が、千葉県鴨川市から撤退します。
撤退あとは、どうなるんだろうか。
そこに、地域活性化に貢献する、こんな学校ができたらいいのにという妄想です。
引き続き、地域活性化を学ぶためのテーマを考えていきます。
人口減は結果でしかない
2040年に、多くの市町村で人口減が予想されています。
そんなことは誰もが知っていること。今さらです。
日本全体で人口減少が進むのですが、特に地方において、その減少速度が加速します。
なぜ?
そもそも首都圏や愛知、大阪、福岡への人口集中により、その他の地域では人口減に繋がっていることがあります。
出所:『愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議資料』
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/303659.pdf
特に若い女性がその地を離れ、首都圏や都市部へと流出してしまうことが大きく影響しています。
たとえば愛知県は、全体としては人口が流入するほうが多いのですが、若い人たちの男女比で見ると、女性の比率が非常に小さくなっています。
出所:『愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議資料』
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/303659.pdf
このことは愛知県だけの話ではなく、都市部以外の多くの地域で起きていることです。
なぜ?
出所:愛知県 『若年女性の東京圏転出入に関する意識調査結果』
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/264387.pdf
その地では若い女性はキャリアを形成できない、つまり自分のやりたい仕事を見つけられず、また続けていくこともできないと考えているからです。
その結果、若い男女がその地域で仕事をしながら生活し、結婚して家庭を持ち、子育てもしながら仕事を続けるという割合が少なくなっているのです。
なにができるのか
兵庫県豊岡市では、ジェンダーギャップ解消推進を進めています。
ホームページに掲載されている文章を、少し長くなりますが引用します。
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豊岡市では、基本構想において、目指すまちの将来像を「小さな世界都市-Local&Global City-」と定めて、この実現のために「多様性を受け入れ、支え合うリベラルな気風が満ちているまち」を目指しています。
女性、高齢者、障害者や外国人等の多様な人々が、地域社会や地域経済の担い手として期待され、現に活躍するまちづくりを進めます。
とりわけ、豊岡市において女性の若者回復率が男性の半分しかない実態や常態化する人手不足を考えると、地域社会と地域経済の両方において「多様性を受け入れ、互いに支え合うまち」へと、まちづくりの舵を切っていくことは喫緊の課題でもあります。
このようなまちを目指すに当たり、最大の課題と考えられるジェンダーギャップ(性別に基づき定められた社会的属性、機会等の格差)の解消に向けて、さまざまな取組みを進めています。
ジェンダーギャップの現状と課題
この数年間、豊岡市では、地方創生(人口減少対策)について、さまざまな取組みを行ってきましたが、その結果、人口減少の最大の要因は「若い女性が豊岡を選んでいない」ということにあることが分かりました。
この背景には、本市においても、ジェンダーギャップが根強く残っているということが考えられます。
職場では、事業所の将来を担う人材として女性に期待しない傾向があったのではないでしょうか。市役所でも、かつては、女性の採用数は少なく、採用された女性の多くは補助的な仕事に従事するという時代がありました。残念ながら、現在もその傾向を大きく変えるには至っていません。
家庭では、男性、特に長男に対し「いつかは帰ってこい」と言うことはあっても、女性に同様の言葉を掛けた人は少なかったと思います。
地域では、女性に主体的な参画を期待して来なかったと思います。かつて、行事、会議等での女性の役割は、お茶を出すことではなかったでしょうか。
このような状況は、改善されつつあります。しかし、長らく続いてきた「女性に期待しないまちの有様(ありよう)」によって、若い女性は豊岡で暮らす魅力を感じられないのではないかと推測しています。
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出所: 兵庫県豊岡市ホームページ
https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/chihososei/1007000/1008845/1006759.html
性別だけでなく、働き方など、「多様性を受け入れ、互いに支え合うまち」を目指すことで、持続可能な地域を実現する。
こうしたダイバーシティ&リベラルな取り組みが各地で進められることが、きっと地域の活性化には大切なことなのだと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。