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幼いあなたが見る世界


3歳の娘と、散歩。


「ほらみて!」


娘がパッと指を差した。

視線の先には、一羽のスズメ。



「あかちゃんのとりだよ!」


彼女の中で「小さいもの」は
全て「あかちゃん」なのだ。



チュンチュン、ピョンピョン

あっちへ飛んで、こっちへ飛んで…
スズメは忙しそうに飛び回る。


「おかあさんをさがしてるのかなぁ?」

と心配そうに言った。


「そうかもしれないね。見つかるといいね」

と、私は答えた。


そんなふうに考えるのか、と面白かった。




しばらく歩いて、かなり時間が経ってから

突然、娘がポツリと言った。


「とりさん、おかあさんにあえたかなぁ?」



まだ、あのスズメを心配していたのか。

私はすっかり忘れていたよ。ごめんごめん。


「きっと会えたよ、大丈夫だよ」

と私は言う。


「とりさん、おうちかえってー
 ごはんたべるのねー」

と娘が明るい声で言う。


あの迷子の赤ちゃんスズメは、
今頃お母さんとおうちでご飯を食べている。



小さな頭の中で一生懸命
そんな想像をしている娘が可愛くて

「この子にはどんなふうに世界が見えているんだろう?」と思った。



公園へ行く。

アリの巣を発見。
忙しなく出入りするアリたち。

「アリさんのおうちだよ」と私は教える。


「ありさん、べっとでねんねするのねー」

娘が言う。


なるほど。笑

そりゃあずいぶんと快適な巣だな。






3歳。



彼女には、世界がどう見えているんだろう。

本当に気になって仕方がない。


自分も3歳だったことはあるのに、
なんにも思い出せないや。



娘も、きっといつか忘れていく。

私が代わりに覚えておいてあげないと。


でも、私は記憶力が悪いから、文字や写真にして残しておかないと、どんどん忘れてしまう。


いつか大きくなったあなたに、かわいい思い出話をたくさん聞かせてあげたいのに。


忘れたくないよ。

でも、事細かに記録するのはさすがに面倒だよ。

毎日の育児日記なんて、私には無理だよ。


印象的なハイライトだけでええかい?

いいよね。それで十分よね。









ママにたくさん教えてね。

思ったこと気づいたこと、どんどん教えてね。


いつも「ちょっと待って」ばっかりでごめんね。

対応がテキトーな時もあってごめんね。



あなたが感じた世界のお話、

たくさんたくさん、聞かせてね。


一生懸命、聴くからね。


あとがき

ちょっと気分を変えてポエム調にしてみた。
毎日、娘がとても愛おしいです。

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