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宛先のないもの

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小説めいた日記崩れ
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いつか神様に救って欲しいから

いつか神様に救って欲しいから

自分の腕に入った刺青を眺めながらそう呟く男の子と、短い冬の間だけ付き合っていたことがある。

否、付き合いと言えるほど長くはなかったと思うし、たった2ヶ月ほどで終わった気がするからあれはまだ愛じゃない。私が20歳の時のことだったのは覚えている。

彼は当時、大学生だった私がバイトをしていた店の2階にお母さんと住んでいて、半分はフィリピンの血が入っていた。お母さんは綺麗な異国の人だった。
よく夕ご飯

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ゆるやかなさようならを

ゆるやかなさようならを

仕事の終わりに白いバラを一輪買った。
午前9時を周ったばかりのまだ新鮮な街の中では今日もいつもと変わらぬ沢山の白いマスクがあっちへこっちへ。
最寄りで電車を降り駅前の広場へ出てみれば、まだ開店したばかりの花屋には匂い立つ瑞々しく新鮮な花々があり、清潔そうな薬局と、そしてほんの少しの雨の匂いがしていた。

昨夜は一つの命が旅立った日だった。
一週間と少し前、彼の声と清明な意識が失われる恐らく最後の瀬

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