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ex.回線

去年自分が書いた小説を読んだら、割と文字をそのまま受け取れることができて、一年経つと、自分の手から離れていくから大体剥離されて別ものになって、じめっとしなくなる気がした。時間を置けば人に読んでもらうことに抵抗感がなくなった気がしてよかったなあって思って、途端に、もう早く読んでほしくて推敲なんかしてらんないんだよって笑っていた人の文章が好きだってことを思って、くやしい。文章のひとつひとつを直したり、そっと下書きに保存したりするたびに、あなたの鮮烈な呼吸を見て、嫌気が差す

    • なっちゃん (あたしだけの)なっちゃんへ、

      同級生が書いた小説にあてられて久しぶりにIDを検索した。覚えていないけど一年か、二年は経っていると思う。インスタは鍵で施錠されていたし、ツイッターのアカウント名は変わっていた。リプライ欄にあったのは2015年とかの呟きで、そのあとなんて名前に変わっていたのか忘れちゃった。忘れられてよかったと思う。昔は大人になったら全部許すことが出来て、幸せを願えるとなんとなく信じていたけど、別にそんなことはないみたい。自分自身の幸福の数とは関係がなくて、不幸を願うことはないけど、好きに

      • 方向性の違いじゃないから、

        精神的に心中するみたいにしてバンドを組む。そうであったらよかった。ぼくが今でも一応楽器を続けているのは、なんとなくとか、流されてみたいな言葉が似合う。趣味でしょと言われたらすこしへこむくせに、たとえば野心もないし、聴かれようとする努力も怠っている。ずっとある焦燥感みたいな何かが、爆音で誤魔化せるのが好きだった。 曲を作りたいんじゃなくてバンドをやりたいんだと言われたとき、軽く流してしまったけれど、今はすこしだけ意味が分かるようになった。曲を作ること、楽器を演奏

        • でも、

          大して好きでもない人のことを擁護したくなって、心理テストでお話されたことを思い出した。再生回数が二桁の弾き語り動画に高評価を押した。胸に響いたから。熱くなるものがあった、から。画面越しには妄想の声が聞こえてきて、いつも言い訳ばかりしている。ほんとだったのにね。 とても好きな子にカワカミさんはいいものをちゃんといいって言うよね(ニュアンス)って言われて、嬉しかった。そう見えているならいいか、しかもあの子が言ってくれるならいいかなと思うけれどそれは多分、自覚的で意図的