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24/4/14(日) 若者が夢を語っちゃダメなのか?

1週間のルーティンの中で、
読売テレビの「そこまで言って委員会NP」
を見るというのがここ15年以上続いている。
たかじんさん辛坊さんがMCの時代から
惰性で見続けているが、
正直今は物足りなさを感じている。

今回書いてみたいと思ったのは、
この日の放送の内容についてだ。
様々なベンチャー企業の方々が自社の
技術、サービスを紹介し、
パネリストの皆さんに評価されるというものだった。
この中で、村木風海さんという、
若い起業家、研究者が出演されていた。
僕は全く科学の知識はないが、
数々の賞を受賞していたり、
ForbesJapanで今年の100人に
選ばれていたりするので、素直にそのまま受け取って、
すごい人なんだなと思っている。
地球温暖化対策の観点から、
二酸化炭素を吸収する機械を発明していたり、
日々、自身の会社で研究に勤しんでいる。
「地球を救いたい」
「火星に移住する」
など少年のような夢を
一生懸命語っているところも、
彼の魅力なんだろうと思う。

番組内で、気になったのは、
パネリストの大人たちが、
彼の開発した技術がまだ未熟だと批判したり、
「大きいことを言わないほうが良い」と
苦言を呈した点だ。
パネリストのみなさんも東大や慶応大を
卒業されていたり、官僚として
活躍されて経歴をお持ちだったりと、
優秀な方たちばかりだ。
おっしゃりたいことはわかる。
「夢物語ではなく現実を語らないと資金は集まらない」
「自身を過大に広告することは後々不利益を被る」
全く持って正論だと思う。
有能な方々の豊富な経験から得られた
知識や方法論は、ある場面においては
聞き入れるべき点もあると思う。
ただ僕はここに、何か若さへの嫉妬と悪意を感じてしまった。
まさに出る杭は打たれるということで、
事例は違うが、ホリエモンが出てきたときのような、
日本社会の懐の狭さみたいなものを。

会社でも僕らみたいなおじさんおばさんが、
経験を振りかざし、若者の純粋な理念や理想を
否定してしまう場面は多々ある。
次世代にその経験を伝えていくというのとは、
また違った意味合いで、
根回しや下準備の重要性を解く。
慣習に従い、そんなことはまかり通らないと否定する。
また一方ではSNSではもう少し意味合いが変わって、
前澤さんが芸能人と付き合ったり、
宇宙にいきたいと表明したとき、
ものすごい勢いで馬鹿にする人たちが湧いてきた。
あれだけの成功者ですら、
その夢は受け入れられないのだ。
対象の人格的部分に関する批判であることも
しかりだが。

そしてこれは僕らみたいな、
おじさんおばさんに限った話しではなく、
若者同士の間でも起こる事象でもあって、
有言実行より無言実行のほうが
かっこ良いとする文化は根深く残っている。
大谷選手や本田圭佑選手など、
スポーツ選手が若い頃語っていた夢はまた別だと思う。
スポーツ選手は子供の頃からその才能が
顕著に現れるためだ。

実力が伴わない夢は語っちゃダメなのか?
その実力が磨かれ発揮されることだってあるだろう。
堅実じゃなきゃいけないのか?
だから日本は全てにおいて
出遅れているのではないのか。
世界に比べ投資する人の割合が低いのではないか。
だから今だに憲法も変えられないし、
判例主義がまかり通り、
世論と乖離してるのではないのか。
全てにおいて日本は保守的な思想が強すぎる気がする。

もしかしたら村木さんより
優れた科学者はいるのかも知れない。
村木さんはメディアが面白がって
取り上げただけかも知れない。
ただ少なくとも23歳の村木さんは
まだまだこれからいくらでも
夢を実現する可能性はある。
萎縮させてその道を狭めるような言動は、
おじさんおばさんは意識して控えるべきなのでは
と思った。
あなたのためを思ってという言葉ほど、
社会と科学の進歩を止めてしまう気がする。

メディア戦略、広報活動として、
どうしても日本人を相手にしなきゃいけない。
発信すればするほど叩かれる。
以前、成田悠輔先生が言っていたように、
20代のうちは出る杭として打たれないように、
隠れて活動する、というのが、
悲しいが日本における正しい戦略なのかも知れない。

最後に、番組に出演していた竹中平蔵先生が、
エジソンの言葉を紹介していた。
発明のためには、優れた想像力とがらくたの山が必要だ」
パネリストの中で一番高齢の竹中先生が、
一番村木さんを応援していたように見て取れた。
本心はわからないが。

言ってること全てを信じて、
全てに投資しろ、とは言わないが、
もう少し、若者の発想や言動、
もしくは成功者に対して
寛容な世の中であっても良いのでは、
と思ったという話しです。

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