鈴木智花『いつか骨まで海になるまで』
鈴木智花さんの歌集『いつか骨まで海になるまで』を拝読しました。
印象に残った歌を引きます。
缶詰を開けた時に、フチぎりぎりまで入っているシロップですね。
誰かに対する主体のやさしい気持ちが、あふれんばかりに詰まっています。
缶詰を静かに開けるには、少し力がいりますね。
やさしさを誰かに手渡すためには、強さも必要なのかもしれませんね。
語感がとてもよくて、口ずさみたくなるお歌です。
家族関係は強固なようで、実は線引きが曖昧です。
私は、私の、私に、私のもの。
家族は私のもの