見出し画像

先輩と、大人になってからの孤独の話

私には仲のいい異性の先輩がいる。

先輩は、
5歳年上で、
今資格を取るために勉強をしていて、
フリーターで、
覚悟を決めるためって言って坊主にして、
坊主にしたおかげで性格明るなったわって言ってて、
そのくせ、坊主は女子ウケ悪いよなぁって言ってて、
一人暮らしで、
カツカツの生活をしている。

生涯年収が今他の人と比べてもダダ下がりやから、なんとしてでも資格を取ってお金持ちになるって言ってる。
お金持ちになって月に行きたいって言ってる。

先輩は、以前休日に近所のおばさんと草むしりしたといっていた。
そのおばさんからときどきパンをもらっている。家のドアノブにパンが入った袋をかけてくれるらしい。
バイト先のおじいさんの引っ越しも手伝っていた。
なぜかおじさんおばさんに気に入られる才能が先輩にはある。

私からしたら、人間味があって面白い経歴を持つ先輩である。
先輩の紹介はまぁこのくらいにしておいて。

仲良くなるきっかけは私が大学1年生のとき。

部活の打ち上げの飲み会で丁度私の前が先輩だった。

そのときどんな話をしたか、かなり忘れつつあるのだけど(汗)、大学生の飲み会には珍しい?真面目な?会話だったことは覚えている。

先輩もそのときのことは結構印象に残っていたらしい。

あとから聞いた話だけれど、先輩の高校時代の仲が良かった友達が自殺して、思い悩んでいたらしい。
そんな中、飲み会で私の話を聞いて、いろいろ考えさせられた、みたいなことを言っていた。

でも、当時向こう23歳、私はなんと19!
ひぇ〜私、未成年!
未成年の私の言うことなんて、少なくとも今より薄っぺらだし。
ぬくぬく大学生してる私なんかより、先輩の方がよっぽど厚みのある人生送ってる!


しかしまぁ、自分の何気ない言葉で、態度で、人はどう受け取るかわからないもんだなぁ。
その言葉・態度一つで傷つく人がいるという話はよく聞くけれど、何気ない言葉・態度一つで救われることもあるもんだな。
使い古された考え方かもしれないけれど、経験から真に思うことが増えてきた。

………
話が変わって、

今、私は大学5年生で、訳あって2つ下の学年の人たちと関わる機会が多い。
私は、大学生活で近しい友達があまりできなかった経験と、年齢差から、距離を置かれるだろうとあんまり人間関係には期待してなかった。
けれど、私と同い年のつもりで、2つ下の彼らは接してくれて、話しかけてくれた。
彼らにとって何気ない行動だったかもしれないけれど、私はどれだけ心が救われたか。

ようやくちょっと仲良くなってきたところで卒業やね。
私けっこう寂しいです。

………
話を戻そう。

「木食さんも友達とちゃんと連絡とった方がいいで。」
先輩の言葉で、私も思うところがある。


人って自分の想像以上に、あっけなく死ぬんだと思うようになった。
自分も友達も若いからって油断しちゃダメだ。
知らないうちに、静かに亡くなる。

みんな簡単に生きてるようでいて、生きるって誰にとっても難しい。
誰かが死ぬことを恐れるようになった。
もうこれは理屈じゃ説明できなくて、誰も欠けて欲しくない!っていう執着というか、そういう衝動に駆られる。

私、一人でできることは増えたけれど、大人になってからの方が、一人は怖いと思うようになったかもしれない。
もっと歳を取ったら、孤独に対する感情が、また変わってくるのかも。

人と連絡がつかないとき、生きていることをはじめに願うようになった。

まだ今年終わってないけど、来年も皆さま、どうかお元気で。健康で。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,389件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?