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雑誌『幻想と怪奇』公募応募俳句連作『腔旋』

雑誌『幻想と怪奇』の作品公募に応募した作品です。
つまり不採用!笑
幻想、怪奇という点でどうなのかはさておき、俳句として今見るとやはりツメが甘い、
が、推敲せずそのまま載せておきます。

『腔旋』

陽炎の翁のごとく嗤ひをり

新しき秩序と古き血の朧

ひとときや精霊は消え遺る雪

母の見た墓原見ゐる鳥雲に

父も子もけだものなれば飛花落花

鬼ごつこ卆はりたりまた花の下

毛蚕やこはれてゆくものを壊すゑひ

蠅!蠅!蠅!父をかなしく捻じ殺す

我をころす父も子もなく虎が雨

虹融解灰色の産道抜けむ

蚊柱や熱の地と血の熱に建つ

血脈を断つ者として籐寝椅子

螢火の闇に果てたる自虐かな

逝者のくちびるひらき蓮の香

懐かしむことと死は似て酔芙蓉

満月の映すものみな過去の波

水ぎはにふるひつきをり永き夜

まるめろ落つ自責のあばら青年に

傷あるを獣と呼ばむ大枯野

寒林はよく見えて母捨て難し

蟲老ゆる耳にくらやみ還りけり

冬川の名を忘れ流れてゆく名

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