見出し画像

移民は今もアメリカを目指して

今日の記事はAFPBBの記事、メキシコ国境からアメリカ合衆国に入る移民に関する記事です。

記事によると、メキシコのシウダファレスからアメリカ合衆国に向け、一晩に1,000人以上が渡河したとのこと。
これらの人々は中南米出身で、麻薬密売組織から逃れたり、自然災害で生活が立ちいかなくなったり、或いは現政権から迫害されるなどして国外に逃れた人々。

ちなみに、彼らは記事を読む限りでは政治亡命希望者ともとれるので合法的な移民なのかははっきりしませんが、どうやら「不法移民(密入国者)」のようです。
せっかくですので、この時期に出てくる地名などについて、押さえてみましょう。

メキシコとアメリカの国境

メキシコとアメリカの国境は、「自然的国境」の例として代表的なリオ・グランデ川です。

Wikipediaより

ちなみにこの川、スペイン語でリオ(川)、グランデ(大きな)という意味で、中央アジアのアムダリア川、シルダリア川と同じく、「川」という単語を用いると正確には重言になります。

そして、この川沿いにアメリカ合衆国、メキシコに向かい合わせにいくつかの「双子都市」が存在します。
河川を挟んだ双子都市の例としては、
・ブダペスト
ハンガリーの首都。ドナウ川を挟んでブダとペストに分かれる
・香港と深圳
中国の経済特区と旧租借地の組み合わせ
・博多と福岡
現在は福岡市だが、元は別の都市
などがあります。

そして、今回出てきているシウダーファレスは、アメリカ側のエルパソと双子都市の関係にあります。
メキシコの保税加工区制度(マキラドーラ)の設定、また、NAFTA(北アメリカ自由貿易協定=現在のアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA))の締結などで両者の関係は緊密化。
メキシコからアメリカ側に出勤するなどの光景も日常的で、二つの都市で一つの経済圏を形成している状態。

一方で、アメリカ合衆国と接することは負の側面もあり、麻薬密輸や不法移民の主要ルートともなっていて、麻薬カルテルやその他の犯罪組織が暗躍する世界でも有数の危険な都市でもあります。

国境の現在と不法移民

アメリカ合衆国のドナルド・トランプ前政権は、不法移民の侵入を防ぐために「国境の壁」の建設を行い、一部は完成しています。

比較的移民の多い西部地域では、スペイン系移民(ヒスパニック)の割合がかなり多く、例えばカリフォルニア州では人口のおよそ4割をヒスパニックが占めます。
これは、非ヒスパニックの白人を上回り、同州最大。
カリフォルニア州はアメリカ合衆国の州の中で最も人口が多く、アメリカ合衆国の大統領選挙にも影響を及ぼす勢力になりつつあります。

現在でも不法移民の流入は続いており、中には砂漠越えなど非常に危険なルートを取るケース、或いは川で溺死するケースなども少なくありません。
さらに言えば、国境にすらたどり着けず、犯罪に巻き込まれたり死亡するケースも多数に上るとされます。

この地域の社会問題である移民問題。
アメリカ合衆国の人口が先進国であるにも関わらず若年層が比較的多く、出生率が高いのは移民の流入が一つの要因ですが、このような現状があることも確かなのです。

サポートは、資料収集や取材など、より良い記事を書くために大切に使わせていただきます。 また、スキやフォロー、コメントという形の応援もとても嬉しく、励みになります。ありがとうございます。