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【読書感想】「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」 ジェーン・スー

読了日:2017/3/3

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「女子会には二種類あってだな」「ていねいな暮らしオブセッション」「私はオバさんになったが森高はどうだ」…誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題…etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後まで—話題の著者が笑いと毒で切り込む。“未婚のプロ”の真骨頂。講談社エッセイ賞受賞作。
「BOOK 」データベースより

この本の概要

なんてパンチの聞いたタイトルでしょう。

この「女子」というワード、私たちはもう迂闊に使えない…。
調子にのって使ってしまうと、ただのイタい人になってしまう年齢なのです。

この作者の方、もともとは普通の会社員でした。
mixiで書いていた日記がたまたま雑誌の編集者の方の目にとまり、コラムニストとしてデビューすることになったそうです。

いや、ほんと、これはプロの目にとまりますわ。
文章がめちゃくちゃ面白いんだもん。
こういう文章書けたら楽しいだろうなぁ。
羨ましい。
こういう面白い文章、書けるようになりたい。

共感の嵐

恐ろしいほど感じてしまう、作者へのシンパシー(笑)。

「ピンクが苦手」「かわいいが苦手」など王道的な女子街道を歩めず、中途半端な小賢しさを剣に、苦く、もっさい青春時代を過ごした女の思考回路が、この本にはそのまんま凝縮されています。
そしてその思考を30代後半になって消化できるようになってきた感じも超共感!
なんだ、このシンパシーは!!

30歳を越えてからの変化

私もそうでした。
思春期真っ盛りの時期は美男美女へのコンプレックスや、凝り固まった自意識が邪魔して
「ジャニーズなんてそもそも興味ないし…」
みたいに心のなかで思っていました。

ところが不思議なもので、30前後から
「あらら、やっぱりジャニーズは素敵やん」
「EXILEもワイルドやん」
「この人もあの人も素敵やん」
という状態に…。

嗜好がかわったのか、自分が彼らより年上になり「ジャニーズは愛でて、成長を楽しむもの」
というロジックを理解できたからなのかわからないけれど、年末カウントダウンを見て
「ジャニーズに囲まれてみたい!」
と素直に言える今のほうが楽しい。
もう最近は20代はみんなイケメンにみえるし(笑)

自分の武装は解除して、バカな部分も出していったほうが楽しいし楽チンだな、としっかり気付けたのが30代。
どうせどんなに武装しても、わかる人には
「あー、あの人、無理してるな」とわかっちゃうんだな、と気付いたし…。
ただ「不器用でカッコ悪い」より、「ほんとはカッコ悪いのにそれを隠してカッコつけて、カッコつけてんのが実はみんなにばれてる」ほうが、めっちゃカッコ悪いな、ということに実感として気付くことができた感じ。

作者が「30代は棚卸しの時期」と言っていましたがすごく共感。
思春期に少しずつ買い足しながら身につけてきた鎧を一回棚卸しをして、上質な鎧だけ厳選して、あとは断捨離してる時期だなぁと私も思います。

そういう意味で、女子とは呼べないイタい年代にはなったけど、身軽に自由になって、とっても楽しい30代。

この世代全員ではないと思うし、歩んできた道のりはみんな違うので共感できるところも多少違うんだろうけど、なんかいいですよ、この本。
同年代女子たち(←敢えて使う)、読んでみてください。

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