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【読書感想】拝啓人事部長殿 髙木一史

この本の概要

トヨタを3年で辞めた若手人事が、
「どうすれば日本の大企業の閉塞感をなくせるのか?」という問いを掲げ、
その回答を手紙形式でまとめた全524Pに及ぶ力作。

著者は、サイボウズ人事労務部所属。
noteに投稿した「僕はなぜトヨタの人事を3年で辞めたのか」が400000PVを獲得するなど話題となり、日経COMECOキーオピニオンリーダーに就任するなど、いま注目の若手人事。
Amazon作品紹介より引用

感想

同僚である髙木さんが6月に本を出しました!!

執筆しているのはずいぶん前から聞いていたので、遠巻きにみていただけではありますが「無事にだせて本当によかったねぇ」という思いでいっぱいです。

Kindleとリアル本とどっちにしようか迷いましたが、リアルでお世話になってる人の本はリアルで買いたくなり、物理本で購入。
紙質が薄くていい紙使ってる感じなんですけど、薄い紙のクセにけっこうな厚さがあります。

内容は、髙木さんが前職の人事部長にお手紙を出すような体で、企業風土の閉塞感について、時代背景や他国との違いなども踏まえつつ、髙木さんが調べ考察したことなどをお届けしていくという流れで進みます。
後半には、人事制度についてさまざまな企業にインタビューをし、その内容や制度の裏にある想いなどもご紹介。
人事まわりのお仕事がすごく綺麗に整理されているし、今の状況になった背景もしっかりを知ることができるので、人事の方、組織開発に携わる方たちにはすごく役立つんじゃないかと思います。

敵と味方、古い人新しい人。
というふうに、私たちったらなんでもかんでも分類、区別、ジャンルわけしたがります。(突然のセカオワ)

人事制度とか今の組織の在り方も、誰かが悪くしようと思ってやったものではもちろんなくて、その時代その時代でより良くなるように考えられて作ってきたもの。
そういう歴史がわかると、「昔の人はダメだ」とか「上の世代の人たちはいけてない」という分断を生む会話に陥らずに、一緒に前を向いていけるのではないかと思います。
読み手をそういうふうな気持ちにしてくれる語りには髙木さんの人柄が現れているし、なにより要所要所で高木さんの熱い想いが感じられて、胸が熱くなりました。

ワタクシ的名言

会社も、社会も、一人ひとり個性を持った人間があつまってできています。そんな会社を、社会を変えようと思えば、ぼく一人の力ではどうすることもできません。ちゃんと自分の理想を伝え、共感してもらい、協働していく必要があります
閉塞感を生み出していたのは、すべてを一人でなんとかしようとしていた、ぼく自身だったのかもしれません。
p513 終章 ぼくはなぜ、この手紙を書いたのか

ちゃんと自分の理想を伝え、共感してもらい、協働していく必要がある」。
言うのは簡単だけどそれを続けるのはとても難しい。「言ってもダメかもしれない」「言ったら悪い影響を及ぼすかも」などの諦め、怖さもあるだろうし、そもそも人に伝えられるほど自分の思いをキレイに言語化するというのも、多くの人にとってはハードルが高い。

仲間を作るためのこの基本行為をうまくやっていくためのスキルを、私たちの多くは体系的には学んではいません。今の社会では各自の経験にのみ頼っている状態なんだと思います。

一人ではなくチームで変えていくという世界を作るためには、チームを作れる土台となるコミュニケーションスキルや学びの共有も必要なんじゃないかしら?

私たちサイボウズも、チームや組織の仕組み部分、関係性にフォーカスしてサービスを提供しているし、そこの部分の価値は確実にあると思っているけど、個にフォーカスする視点も同じくらい必要なことだと思うし、個と組織、両輪を動かすことができて初めて人と組織が変化できるんじゃないかと思います。

そういう意味で今の我々は「個」への打ち手は足りているのだろうか?
小さな行動を起こそうとしている人をフォローできているんだろうか?
そんな思いを感じたりもしました。
私たち自身もまだまだ足りていないし、言語化できてないところの言語化をすすめていかないと、チームワークは溢れてこないよなぁと思った次第。
がんばらねばならぬな!!

人事界隈の人たちは読んでおいて絶対に損はないかと。

とりあえず髙木さんお疲れ様でした!!

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