大人ぐるんぱ

ぐるんぱが好きだ。
ぐるんぱは、ゾウだ。
きたなくて、くさーい匂いがするゾウだ。

ぐるんぱのようちえん 西内ミナミさく 堀内誠一 え

ご存じない方にはネタばれになってしまうが、ぐるんぱは仲間のゾウに半ば追い出されるようにして旅に出る。

ところが、旅に出た先々でもぐるんぱは厄介者扱い。しょんぼりしながら自分の居場所を探し続ける。

ぐるんぱは、がんばる。
与えられた役割に前向きに取り組み、みんなの役に立とうとする。そのたびに失敗して、やっと見つけた居場所を追われてしまう。

ぐるんぱは、空回りしたがんばりを背負ったまま、次の居場所を探す。
絵本では、ぐるんぱのしょんぼりした姿が何度も何度も描かれる。

ページを追うごとに確信する。ぐるんぱは、私だ。
ぐるんぱのように追い出されこそしなかったが、褒められるようなところもなく、どこへ行っても少しういている。

優秀な親戚と同じ振る舞いができず、いつ追い出されるかビクビクしながら、それでも自分を社会に合わせることができない厄介者。
低スペックな自分にがっかりしながらも、自分にできる何かを探している。

Noteでもそう。
みんなが優しく読者に寄り添う記事をあげる中、私にはそれができない。
何度か試してみたけれど、自分の言葉ではないような気がして、公開ボタンを押せずにいる。

ある日、店舗改装セールでぐるんぱのシールが7割引で売られていた。
ぐるんぱが現実社会でも、いらないもの扱いされたようでいたたまれず、残っていたものをすべて買い占めた。

とある本屋で1年以上売れ残っていたぐるんぱのぬいぐるみも、年末に連れ帰った。
街でぐるんぱに会うたび、少しずつ我が家にぐるんぱが増えていった。

ほぼ日手帳さんがぐるんぱを紹介したときは、自分のことのように嬉しかった。ぐるんぱが、この世界でも居場所を見つけられたような気がした。

けれど絵本の世界では、何度ページをめくっても、ぐるんぱが優秀で誰からも愛されるゾウになる日はこない。

がんばれ

ぐるんぱ

がんばれ

結末を知っている私はぐるんぱに語りかける。

ぐるんぱの居場所はちゃんとあるから。
かならず見つけられるから。
だから、がんばれ

ぐるんぱは、歩く。前へ前へと進んださきで、厄介者扱いされた過去のすべてに居場所を見つける。

今日、Noteからマガジン登録のお知らせがきた。

なにそれ?嬉しいの?いいことなの?
よくわからずに調べたら、しちゃうおじさんが教えてくれた。

公式マガジンに追加されることは「とても嬉しい」ことですが、普通にフォロワーさんのマガジンなどに追加していただけることも「とても嬉しい」ことですので、(そういった意味では)『noteの公式マガジンだから』と言っても特別なことはありません。

しちゃうおじさんNoteより引用

一応、喜んでいいみたい。
特別なことではないけれど、誰かが私の言葉を受け止めてくれたんだ。

ねぇ、ぐるんぱ。
私の結末がぐるんぱのように幸せかは、まだわからないけれど、もう少し歩いてみようかな。
せっかくだから、この先の景色も見ていきなよって、言われた気がしたから。

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上の画像からぐるんぱに会いにいけます。





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