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30歳目前・ヒモがネギしょってやってきた!

大学生男子をガストでお腹いっぱいにしたい28歳独身女」という記事を、
何の気なしに書いてから、私の人生はまるっと変わった。
結論から言うと、本当に所望していた「ピュアなヒモ」を見つけてしまったのである。

これは30歳を目前に、周りと比べては辛くなり、理想の自分とのギャップに苦しみ、血迷い、時に傷つき、ボロボロになって、自分なりの幸せをつかむ記録である。
少なくとも、今、この文章を書いている私の隣には、従順なペット兼、彼氏がいるのである。

ペット探しの始まりはこのnoteに投げ銭を貰ったことから始まる。

上記のnoteに、165円の投げ銭がされた。
よかったら檸檬堂代にどうぞ、というセンスの良いコメント付きで。
私の悲しいクレイジーサタデーナイトを、嬉しい記憶に変えてしまうくらい、衝撃的な出来事であった。

私はその喜びをトゥイッター(突然のひろゆき)に書いた。
そしたら投げ銭の主(以下檸檬堂さん)からDMが届いたのである。

そこには、いつも私の文章を読んでいる旨と、「機会があれば、ガストのポテトかサイゼのポップコーンシュリンプを奢ってください!(4月から社会人になるまだギリギリ大学生より)」と書いてあった。

彼はまさかの大学生だった。しかもガストで喜べるらしい。
まさかの、ヒモがネギしょってやってきたじゃん・・・と私は戦慄した。
ここまでくるともはや、私をパチ屋で置き去りにしたピンク髪のホスト崩れが、ヒモ神だったのでは?という気すらしてくる。
ヒモ神が地上に降りてきて、
私に「年下の男をいいようにしたいわけではないのか?」と試され、ホテルの前に連れていかれたのかもしれない・・・あれを断ったから、ピュアなヒモが欲しいという気持ちが認められたのかもしれない。性欲が無くてマジで助かった。
そしてあの歌舞伎町のパチ屋のトイレが、ヒモ神と現世を繋ぐ唯一のスポット、天気の子でいうところの屋上の鳥居だったのではないか?(新海先生ごめんなさい)

是非ガストに行きましょう!と返信したあと、でも結局は流れてしまうだろうな・・・とは思っていた。
だとしても、私とガストに行きたいと、私の文章を好きだと思ってくれる人がいたことが心から嬉しかった。(約2年前だけどありがとう~~~)

あのヒモ神と出会ってから、なぜか私の人生は一気に好転していた。
会社では全社の年間MVPを受賞し、仕事もめちゃくちゃ楽しかった。
フランス語教室では新しい友達もでき、着々とパリジェンヌへの道を歩きはじめていた。
そんな矢先、檸檬堂さんからもう一度DMが届いた。
正直、日々が充実しすぎていて、すっかりヒモ神~檸檬堂さんの流れを忘れていたのでとても驚いた。
そして本当にガストに行く日が決まってしまった。
それは、マッチングアプリのアポの10倍くらい緊張する出来事だった。
29歳の私が、新卒の男性と関わるのは、私が講師側の新人研修しかないのである。絶対彼らはポケビもブラビも知らないぞ・・・

駅で待ち合わせをして、お互いわかるように服装を送り合う。白Tに黒いカーディガンを着た大きめの男です、と言われ、探していると、
とんでもないスラっとした爽やかなイケメンがやってきた。

いや、まさかこんなクソみたいな私のnoteをこんな爽やかなイケメンが・・・?と思ったが、彼だった。
話を聞くと、3か国語を喋れるトリリンガル、商社勤めと、とんでもないハイスぺ男性だった。
そして、大学のサークルの代表なども勤めていたり、基本、幹事となれば自分がやる、といったようなとんでもない陽キャの人間で、
高校時代クラスTシャツを1人買わなかったり、成人式に行かなかったり、大学の新歓など1回も行っていない私にはとんでもなく眩しい人だった。

「こんなハイスぺイケメン、わいがペットにできるわけないですやん」

冒頭10分でそれを悟った私は、Z世代の男性の恋愛観や流行をヒアリングする会に早急に切り替えた。
ポテトをつまみながら、ずっと「この人は私の文章のどこが好きなんだろう?どこに共感したのだろう?どこに闇が・・・?」ということをぐるぐると考えていた。

また、久しぶりのガストの山盛りポテトが、ケチャップを別料金になっていることが大変悲しかったが、ケチャップだけで頼むことは出来ず、
配膳の猫型ロボに文句をいうこともできず、アセアセしていると

檸檬堂さんは、自らのハンバーグのソースを「よかったらポテトに付けてください」と言った。斜め上の気の遣われ方をして、私は大爆笑してしまった。

お会計をする際も、半額出しますよ、と言ってもらったり、とても気の遣える子であった。
しかし、さすがに新卒の男の子にお金を出させるわけにはいかない。
また、ガストで男の子をお腹いっぱいにするミッションを取り上げられるわけにはいかない。

支払いをすますと、檸檬堂さんは申し訳なさそうに「ごちそうさまです、あのご馳走になっちゃうかもと思ったので、もしよかったらこれ」と、
何かの包みを差し出してきた。

「ちょっといいシャンプー・コンディショナーのセットです」

なんかもう・・・・こんなよぉデキた子、ペットにできるわけないです!!!!
本当に心の中で何度も申し訳ない気持ちになりながら、お別れをした。

「僕の悪口でも何でもnoteに書いていいんで!」と言われたが、悪口など書くところがないくらい、非の打ち所がない良い青年だったのである。
どうか私のnoteなど卒業して、日本経済を回しておいてくれ・・・
君にはもっとやるべきことがある・・・

私のペット面接第1回めは、あまりにいい青年すぎて、ペット契約の打診すらできずに終わってしまった。
そのころの私は、「ちょっといいなー」と思っていた人となかなかうまくいかず、イライラしており、マッチングアプリでテキトーな男と会いまくっては、近所の居酒屋で愚痴をこぼしていた。

今回のガストの件も、例のごとく報告しながら、浴びるように酒を飲み、
「あーーーー私は恋愛なんていいから、可愛い男の子にご飯を奢りてぇんだあああ」と散々わめいた。

どういう経緯か覚えてはいない。ていうか、飲みすぎてあんまり記憶がない。
しかし、翌朝、居酒屋の店員さんから、
「これが昨日話したママ活におすすめの男です」と連絡先がポンっと送られてきていた。

まさか、その人と付き合い、一緒に暮らすことになるなんて、
その時は思いもしなかった。

つづく・・・(多分)










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