ロックンロールでしょ？２

とある会話　ラーメン屋で

門作と岩次郎は家系ラーメン屋に来ていた。

俺は全部乗せにしよ。

門作は千円札を券売機に入れボタンを押す。

じゃあ俺は全部乗せないにしよ。

岩次郎は千円札を券売機に入れる。が、そんなメニューはない。

岩次郎相変わらず面白いなー。ないって知ってたくせに。

いや、人と同じなのは嫌だから。俺は俺だから。

渋いなー。って何にするの？

ならチャーシュー乗せ乗せにしよ。

そんなメニューないよ、ってある！

なんだ知らないの？チャーシューの上にラーメンが乗ってるの。

なにそれ・・・。まあいいか。

いいんかい！まあいいや。

門作と岩次郎はカウンターの席に着く。

お好みどうしますか？

色が白くがりがりな男の店員がきく。

じゃあ俺面固め油多めで。

門作は迷いなく答えた。

じゃあ俺は全部なしで。

は？

店員は少し目が吊り上がった。

だから全部なしで。

岩次郎は真顔で答える。

そんなの無理ですけど。

店員が怒り気味に言った。

ならマッハ増しで。

なんだよそれ、あはは。

門作は岩次郎のほうに向かいバカにしたような笑い声を立てた。

はい。

店員は俯きながら返事をする。

え、マッハ増しってあるの？

あるよ。壁見てみな。

岩次郎は壁のほうを顎で指す。確かにある。マッハ増し。面湯出ず。味激濃

い。油でドロドロ。

って、まずそうじゃない？

まずいよ。

ならなんで頼むんだよ。

修行だよ。

修行？

書いてあるだろ。これを食べれば君にときめき。

なにそれ・・・。修行じゃないじゃん。

修行だよ。修行の先にあるときめきを求めてるんだよ。

へー・・・。

おまたせしました。先ほどの店員が面倒くさそうにつぶやきながらどんぶり

をカウンターに置いた。

マッハ増し早いな・・・。ってチャーシューでか！

え？そう？

だって分厚過ぎてどんぶりのから10センチははみ出してるよ！

こんなの普通だよ。

それに生めんチャーシューの上に乗ってるし！

だから修行だって言ったでっしょ。

外食に修行を求めるか・・・。

お待たせしました。全部乗せです。

先ほどの店員がどんぶりをカウンターの上に差し出す。

あー来た来た全部乗せ。

門作は笑顔になる。

となりで岩次郎が吐いていた・・・。