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書評『超雑談力』雑談をマスターするにはこれ1冊でOK

1書籍紹介

今回は、五百田達成の『超雑談力』を紹介する。五百田達成はコミュニケーションのアドバイザーとして、本を書いたり登壇したりしている。

前回は会話術ということで「聞く技術」をレビューしたが、今回は「雑談力」。
話すのが苦手で、特に初対面の人との雑談に困っている私にとってためになる本だった。
雑談は、知り合いの程度の人とする会話。特に、仲良くなるまでの手段として使われる。仲良くなった後は自分の趣味や最近の出来事で盛り上がれるから楽だ。しかし、「仲良くなるまでの会話」がそもそも難しい。「仲良くなるまでの雑談」でミスったら「こいつとは仲良くなれなそう」と思われて、相手に友達になりたくない烙印を押される。(友達ほしいのに…)
相手が見えてこない状態から会話で適当に盛り上がるには、高度なテクニックが必要だ。
雑談は友達や仲間を作る上での最初の関門。

この本の内容を実践すれば、雑談が人並みにこなせるようになるだろう。雑談の目的からNG集まで、雑談をクリアするためのテクニックが詰め込まれている。
この本で人間関係のストレスを減らそう。

2内容説明

まず、「雑談は普通の会話とは全く違う」

雑談とは、「微妙な間柄の人と、適当に会話をしながら、なんとなく仲良くなる」というとても繊細な会話の方式。「雑談で何を話せばいいか分からない」と感じることはありませんか?「雑談で面白い話をしなければならない」というのは大きな間違いで、雑談の目的とは「人間関係の構築」。
会話を通じて、お互いの警戒心を解き、スムーズで円滑な関係にシフトするのが雑談の目的。無理に面白い話をする必要はない。
大切なのは、会話の内容ではなくラリー。雑談はとにかく会話のラリーが続けばいい。

気持ちをやり取りする

情報交換は、仲良くなりにくい雑談の典型。雑談に大した情報は含まれていなくていい。情報ではなく、気持ちのやり取りをすることだ。
×
「最近いいドライバーを買いまして」「どこ製のですか?」
 「最近いいドライバーを買いまして、気持ちよく打てるんですよ」「分かります!しっくりくるクラブって貴重ですよね」
気持ちいい、しっくりくる、困った、楽しい、やめられない。喜怒哀楽の感情を伝え合うのが仲良くなる鉄則。調べたら分かる冷たい情報ではなく、自分だけが感じた生の気持ちを共有すれば、密接な関係が作れる。情報ではなく気持ちを話す。
また、エピソードや経験を話そう。その際、擬音を使って自分のエピソードや経験が良い。
「今回の台風、ゴーゴーと風が強くて、夜寝られなかったんですよ」
「頑丈だと信じていたマンションなんですけど、今回ばかりはひやひやしましたね。」
体験したこと+気持ちを話す。実際に経験したことは気持ちを乗せやすい。

肯定して共感する

相手の雑談を聞くとき、どうするか。それは相手に「結論やオチを求めず」ひたすら「会話のラリーを続け」「相手が気持ちをはなすよう」にもっていくこと
「最近寒くなりましたね」
「あ、来週はあったかくなるみたいですよ」1その気はなくても相手の発言を否定・訂正する
2良かれと思ってアドバイスするのはNG
雑談では多少相手の話が間違っていようと、意見に違いがあろうと、目をつむって話を聞くのが正解だ。
「最近寒くなりましたね。」
「そうですね。朝晩とかめっきり冷え込んで。」
「急な気温の変化で風邪ひいちゃったよ」「それは大変だ」
「昨夜なんて…」
肯定され続けるとつい自分の気持ちを話したくなる。相手の話を聞くときは、とにかく肯定して、共感しよう。

会話が途切れたら、「自分に近い話題」に引き戻す

そもそも、会話が続かなかったらどうすればいいのだろうか?
話しがぷつりと途切れてしまったらどうするのが正解?
たしかに話が続くことは大事。だけれども、話が途切れた時に、慌ててほかの話題を持ち出すのはよそう。ではどうすればいいのだろうか。
まず、会話のペースを落とそう。
そして、もう一度基本に戻る。「自分の話をする。気持ちの話をする」自分に近い話題を出すと、話は簡単に復活する。
沈黙が訪れたら、身近なエピソードをきっかけに気持ちを話すようにしよう。

共通点がなければ、知らないことを教えてもらうスタンスで

「サッカーとかって見ますか?」
「見ないんですよ。あ、このコーヒー美味しいですね」
「コーヒーあまり好きじゃなくって…ご出身はどちらですか?」
「神奈川です」
「あ、僕は滋賀です…」
良く知らない相手との会話。なんとか共通点を見つけようと次々とお互いに話題を提供しあうけれど、かみ合わない、決まずい…地獄のような時間。
雑談において「共通点があること」はさほど重要ではない。その場合は相手に教えてもらえばいい。たとえば相手がプラモデルが好きなら、
「実は僕、プラモデルにハマってまして…」「そうなんですか、僕は詳しくないのですから、頓珍漢な質問をしてしまうかもしれませんが、昔からお好きなんですか」
「小学生のころから好きなんですよ」
「今でもよく作るんですか」
「そうです。土日はみっちり時間を費やしますね」
「わ!がっつりですねえ、じゃあ今週末も?」
「そうなんですよ。実は大きなイベントが来月に控えてて…」

これならかなり会話が盛り上がってますね!最初に「全然詳しくない」と断ったうえで素直な質問を投げかけると、相手が次第に「おしゃべりになっていくのがお判りでしょうか。

自分が知らないことを教えてもらう上で、話が広がりやすい質問の視点は
「過去」「現在」「未来」にフォーカスを当てること。
①過去 「昔から好き?」「いつから始めたんですか?」
②現在 「今でもよく作る?」「最近は何がオススメ?」
③未来 「じゃあ今週末も?」「次に狙っている場所とか?」
時系列に沿って質問を投げかけると話はどんどん広がっていく。
知らないことは聞けばいい。それだけで話は盛り上がる。

どうHowと状況や気持ちを訪ねる

「この間、うっかり電車の中で寝過ごして、終電までいっちゃったんですよ」
「どうして寝過ごしたんですか」
「えーっと、ちょっと飲みすぎたからですかね」
「なぜ、そんなに飲んだんですか」
「いえ、久しぶりに学生時代の友人と会って、つい…」
質問された方は、うまく話せなくてストレスが溜まります。
理由を尋ねられた瞬間、人の気持ちはスッと覚めます。なぜだろう?と理由を考え、頭が冷静になるからです。
「考える」というステップは雑談の大敵。考えれば考えるほど、言葉は少なくなり、場の空気は重くなります。

「WHY」ではなく「HOW」で尋ねる
質問するなら、「WHY」なぜではなく「HOW」どのようにを心がけよう。 

「うっかり寝過ごして終点まで行ってしまった」
「一度も起きなかったの?」「目が覚めた時びっくりしなかった?」
「ピーマンが苦手」
「どれぐらい?」「みじん切りにしてもすぐ気づく?」「日がとおしてあれば大丈夫だけれど、サラダに入っているとお手上げ」
理由を尋ねるのは最小限にとどめよう。

得意な視点をもつ

話を合わせるために、新しい趣味をはじめたり、ニュースや時事ネタに精通しようとしたりする人がいる。あるいは「これなら詳しい」というジャンルをつくり猛勉強。持ちネタで会話の糸口をつくる。素晴らしい努力だが、しかしそれは、表面的な会話で終わる可能性がある。
オススメするのは、知識やジャンルではなく、オリジナルな「視点」「切り口」を持つこと。

例えば、「人間関係」のオタクだと…
あらゆる事象を人間関係で切り取り、政治の話題、スポーツもニュースも、そこでどんな人間関係が繰り広げられているか、どんな気持ちになっているかを考える。すると、すべての事象に関心を持つことができる。

自分なりの「視点」をひとつ持っておけば、どんなジャンルでも興味を持って人の話を聞くことができ、自分なりのコメントを言うことができる。
例えば相手が「犬を飼っていて、ドッグランに良く行く」という話を始めたとする。このとき、自分は関心がなくても、「視点」さえあれば大丈夫。

「流通」という視点;「ドッグランってどういう場所にあるんですか?人が通いやすくなくちゃいけないし、広さも確保しなくちゃいけない」
「人間関係」という視点;「どういう人が集まるんですか?飼い主同士で交流があったりするんですか。」

まずは自分が関心のあるものを書き出して、それらにはどういう共通点があるのかを考えてみよう。

キーワードを絞って反応する

「この前、影木前にできた蕎麦屋に初めて行った」
「あの東口の蕎麦屋?おいしいですよね。」「うん、わりと良かった。その隣にハンバーガー屋があってさ」
「ハンバーガー、流行っていますよね。結構並んでましたか?」
「うん、行列といえばタピオカ屋の方が…」「タピオカ!すごいですよね、どんどん店が増えていって」

がんばりがときに空回りしてしまう時も…
相手のあらゆる発言に反応するのは空回りの一つ。ある程度雑談力がついてきたら、ゴールや戦略を意識しましょう。
「この前、駅前にできた蕎麦屋に初めて行ってきたよ」なら
この話題を「駅前」と「蕎麦」どちらかで受け止めて広げるのかおおよその方針を決める。
前者なら「駅前はよくいかれるんですか」
後者なら「そばや、どうでした?」「そばお好きなんでしたっけ」
などと尋ねると話が広がる

3感想

いかがでしたでしょうか。かなり、雑談に関するテクニックを盛りだくさん学べましたよね!今すぐ実践したいものばかりです。
特に、「共通点が無ければ知らないことを教えてもらうスタンスで」の所は印象に残りました。私は、雑談の際、「なんとか共通点を探さないと」と相手に質問を繰り広げていました。以前よりコミュニケーション界隈では、「共通点があれば仲良くなれる」と謳われてきたからです。なので、私も必死になって相手と同じところを探していました。しかし、振り返ってみると、質問をされた相手は確かに答えずらそうでした。そりゃそうですよね。相手からしたら一方的にインタビューをされている感覚です。
雑談の目的は、「人間関係を構築すること」と「会話のラリーを続けること 」。そして、「頭を使わないこと」です。
楽な気持ちで楽しみながら行うのが雑談なのです。よって、共通点がなくても、相手から知らないことを教えてもらえれば盛り上がります。
質問の際は、「過去」「現在」「未来」の視点から行うこと。これを意識すれば「質問することがない」を回避することができます。
この知識を知ってから、わたしは「以前知り合いと微妙だった会話ではこうすれば良かったのかー!」と後悔が止まりませんでした。このテクニックを使えば、もっと盛り上がって仲良くなれたかもしれません。一度起こってしまった失敗は取り消せないので、次から気をつけたいです。

また、「WHYではなくHOWを尋ねる」のところも学びになりました。私はずっと、会話でなぜwhyばかり尋ねていました。戒めのため書いておきます。以前いとこと行った会話です。
「苦手な食べ物とかある?」「ゆで卵が嫌いかな」「へー、なんで?」「うーん、におい?」
全然盛り上がってないし、楽しくなさそうです笑。この時、howを尋ねればもっと面白い会話ができたかも。
「ゆで卵が嫌いかな」
「どれぐらい?一口も?」「温泉卵とかはどう?」「いつから嫌いなの?」
とかですかね。勝手に脳内反省会してみました。
雑談とは、一言の違いやニュアンスで一気に盛り下がったりしますよね。特にwhyを尋ねた瞬間とか。こういう時、雑談のテクニックを知っていれば間違った発信をすることはなくなります。
「今の返し、まずかったかな…?」「嫌われた??」と落ち込むこともなくなります。
今回学んだ雑談テクを頭に叩き込んで、雑談上手になり、人と仲良く盛り上がりたいです!!笑(感想お待ちしています!)





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