見出し画像

アメリカ駐在物語 ⑭コネ入社が当たり前?

なあーんだ。それってコネ入社じゃないか! 日本のいわゆるコネ入社とはニュアンスが違いますが、アメリカではコネ入社が当たり前なのだと感じました。最初は意外だなぁと思いましたが、良く考えてみれば納得できるのでした。

駐在期間中に社員の募集、面接、採用に関わることが何度もあり、毎回、日本とは異なる労働市場、労働関連法規に頭を悩ませることが多く、大変ストレスを感じました。一方で、日本とは異なる就職事情を理解するのにとても役立ちました。

募集するときは人材斡旋の会社に求人情報を送って紹介を受けることが多かったですが、社員の知り合いだとか、取引先の社員が応募してくるケースもも多かったです。

確かに、いわゆるコネで応募してくる人であれば、素性が分かるというか、その人の経歴、スキルに限らず、パーソナリティも分かるので、当たりはずれが少ないかもしれません。

さすがアメリカ人!履歴書や面接では自己アピールが強烈な人が多く、実際に雇ってみたら、それほどスキルがなかったり、協調性がなかったりで、失望するケースも多かったです。その点、コネ入社であれば、そんなハズレもないので安心。そんなメリットもあるのですね。

パフォーマンスが悪く、退社してもらった人も何人かいました。彼らは、退社後も社員とコンタクトを続けて「コネ」を維持していました。そして、人材募集があると、また採用してもらえないだろうかとアプローチして来るのです。ちょっと厚かましいなぁ...。でも失業している彼らが必死なのは理解できるのでした。

日米の人材採用に関する大きな違いの一つは、アメリカでは差別に大変敏感であること。法律で厳しく規制しています。募集時に性別や年齢で制限を設けるのは禁止。採用面接時に既婚か未婚かを聞いたり、家族のことも聞くのはご法度。住所を聞くのもNG。もちろん応募者が自主的に話すのはOK。履歴書に書いてあれば問題はありません。

アメリカ駐在中、人の採用には、面接時に言葉を選ばなければならない、禁句を言ってはならないなど、本当に神経を使いました。それに比べ日本ではまだまだ差別的な習慣が残っていることに帰国後気づき驚きました。募集時に年齢制限があることも多いですし、面接で家族のことなどプライベートな質問をしているのも平気なんです。逆カルチャーショックでした! 

「コネ入社」がテーマでしたが、「就職に関する差別」について思い出したので付け加えました。

最後に宣伝です。昨年、私は「英語で書く、ビジネスメールの基本」という本を出版させていただきました。自費出版ではなく商業出版です。本書の特長は以下の通りです。

<本書の特長>
①通算17年のアメリカ駐在を含む30年以上の貿易関連業務の実践を通じて習得した英文メールの書き方を解説

②ビジネス英文メールはパターン化した表現や決まり文句などを覚え、また、相手の国の文化や習慣に対する理解に基づき表現を工夫することがポイント。それらのポイントを踏まえて、相手にうまく伝わり相手の行動を促す英文メールを短時間で書くための色々なノウハウを紹介

③海外の文化・習慣に対する理解に役立つようにアメリカ駐在時の様々なエピソードも織り交ぜている

④例文を多く提示し、略語一覧やIT用語一覧なども付録として掲載しているので、手元に置いて事典のように利用できる

この本が皆様のお役に立てば嬉しいです。

https://amzn.asia/d/0bGVAFY

最後までお読みいただき本当にありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?