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夕立。そして夏のはじまり。

昨日の帰り道。16時半すぎたころから突然空が真っ暗になり雨が降り出したと思ったら、ものすごい土砂降りになった。

最近は誰もそれを「夕立」とは言わなくなったように思う。

「猛烈な雨」ってなんだよ。まあ一般的にも「豪雨」というのかな。

打水やまだ夕立の足らぬ町
夕立や殺生石のあたりより
夕立や並んでさわぐ馬の尻
夕立や砂に突き立つ青松葉
海原や夕立さわぐ蜑小舟
見てをれば夕立わたる湖水哉
夕立や沖は入日の真帆かた帆
夕立にうたるる鯉のかしらかな
夕立にふりまじりたる李かな
夕立に鷺の動かぬ青田かな
夕立や橋の下なる笑ひ聲
夕立に古井の苔の匂ひかな
夕立や干したる衣の裏表
夕立に簔のいきたる筏かな
夕立のはづれに青し安房上総
夕立の押へ付けたり茶の煙
夕立の露ころげあふ蓮哉
夕立や松とりまいて五六人
夕立の過ぎて跡なき清水哉
夕立の来て蚊柱を崩しけり
夕立や一かたまりの雲の下
夕立やはちすを笠にかぶり行く
正岡子規

「夕立」は夏の季語なんだけな。「豪雨」は季語になるんだろうか?
しかし「夕立」だけでこれだけ多くの句を詠むのもすごいな。

ともあれこれで梅雨明けだ。今年も夏が始まった。
夕暮れの夏のはじまり告げる雨
うん、微妙。

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