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自分が自分の一番の味方

ゆるさない

昨日のことです。

ある男子生徒が、いつもと様子が違い、なんだかふさぎこんでいました。

夫が話を聞いてみたところ、学校に遅刻して母に怒られた、ということでした。

この日は朝からお腹が痛くて、長くトイレにこもっていたら、5分遅刻してしまったそうです。

その5分間の間に、すでに学校から家へ連絡が入り、母に遅刻したのがバレてしまったとのことでした。

彼の言い分はこうでした。

「たった5分で連絡します?」

家に帰ったら、遅刻したことだけでなく、ついでに最近の生活態度についても怒られたそうです。

「納得いかない」

彼の中では、そんな思いが渦巻いてしまっているようでした。

彼が帰るときに夫は、「お母さんと仲良くねー」と声をかけたそうなのですが、

「いや、僕はゆるしません」

そう言って帰っていったそうです。

堂々と優先する

この話を聞いた時に、まず私が思ったことは、「ゆるさないんだ!いいなあ〜!笑」でした。

逆ギレのような気もしますが。

私が彼だったら、怒られて悔しいけど、自分にも反省すべきところはあったかもしれない、なんて思って、自分の素直な感情を抑え込んでしまったかもしれません。

でも彼は、自分の感情を堂々と優先したのです。

これは、彼のお母さんも、自分の感情を堂々と優先しているからかもしれません。

この親子のことは、一度記事にしたことがあります。

毎度すったもんだしていて面白いし、色々発見もあって、見ていて飽きない親子なのです。

彼のお母さんは、「大人」を気取りません。

自分の弱さを「大人」のふりで隠して、子供に言うことを聞かせようとする、というようなことをしません。

というか、するかもしれませんが、すぐにバレてしまうので、できません。

「〇〇くん(彼の名前)のせいで私が怒られるんだから!」とか、「しっかりしてくれないと私が困っちゃう!」ということを、堂々と言います。

「親」としてどうなの?と思う方もおられるかもしれませんが、「嘘がない」というのは、「人」として尊敬できるところだなあと、私は思っています。

自分を大事にする

もし彼が、「ゆるさない」という感情を、ここで抑え込んでしまったらどうでしょう。

無視された感情は、放っておけば癒えるというものでもなく、心の中でくすぶり続けます。

これを積み重ねていくと、自分の中に「癒されていない感情」が増えていき、その後の生きづらさの原因になったりします。

自分が本当はどうしたいのかわからない。

それは、「本音を言ってはいけない」のだと、自分を抑え込んでいるからです。

良いも悪いもなく、本音は本音なのです。

彼のように、「今は」お母さんのことをゆるせないのなら、ゆるさなくていいのです。

まずは、自分の素直な気持ちを自分だけはわかってあげよう、という姿勢はすごく大事だと、私は思っています。

お母さんや周りの人の気持ちを考えるのは、その後でいいのです。

自分のことを大事にできない人は、他人のことも大事にできません。

事実、この親子は「共感能力」がとても豊かで、あたたかいです。

次に会うときに、どんな話が聞けるのか。

なんだかんだいって、お互いにゆるしあっちゃうんだろうと思います。

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