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面白エッセイ『時をかけるゆとり』朝井リョウ /「イン・ザ・メガチャーチ」 (日経夕刊連載) 一気読みを諦めて

「イン・ザ・メガチャーチ」は2023年4月1日〜2024年6月20日、日経新聞夕刊に連載された小説。
全359話を連載終了後に、電子版で一気読みしようと思っていた。

「イン・ザ・メガチャーチ」連載を終えて 朝井リョウ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD232XW0T20C24A5000000/


どのような物語なのか『連載小説をさらに楽しむ「イン・ザ・メガチャーチ」副読本』から少し引用する。

好きな対象を熱烈に応援する「推し活」を、その仕掛けを施す側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側、世代の異なる各視点から描く現代小説であり、人間と信仰、コミュニティーの関係性に迫ります。

https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00004490Z10C23A5000000/
人物相関図

未だ感想文ではない感想

1話が原稿用紙2枚分800字弱、約28万字の長編小説。
日経新聞のアプリやブラウザで、読み続けられない訳ではないが800字で1話が途切れるのがもどかしい。

物語の始まりは、離婚して一人暮らしの久保田慶彦が別れた妻と暮らす娘の武藤澄香との定期的なWeb会話(養育費を払っているから)や、それぞれ思いを巡らす話が続き起伏がない。
進捗が1/3に届く前(100話あたり)に読むのを小休止。

副読本」には、日経新聞読者を想定したのか「気になる言葉集」(若い人?の単語を知らない人向けの説明)もある。

気になる言葉集 (抜粋)

推し活
YouTuber
スパチャ
Z世代
Vlog
インフルエンサー
タグイベ
エゴサ
オプチャ
コンプ
アクスタ
ヘラる
スクショ
TikTok
Spotify
インスタのリール
ティザー
リアタイ
アカ

(説明例)
アカ
アカウントの略。インターネットやスマートフォンのサービス、アプリを利用するときに作成する登録情報。

https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00004490Z10C23A5000000/

日経電子版を読む人には、説明不要に思うが…

まだ1/3も読んでいないので書評するのはおこがましいが、面白さもスピード感もなく、読み留まっている。

著者は最年少直木賞受賞作家で「このダラダラとした連載は何かの事故?」と思い、Kindle Unlimitedで見つけた「時をかけるゆとり」を読んでみた。

就職活動生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。初のエッセイ集では天与の観察眼を縦横無尽に駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』に社会人篇を追加・加筆し改題。

Amazon 解説

朝井リョウ氏のエッセイ「ゆとりシリーズ」は三部作。

読んで得るもの特にナシ!
500枚超の楽しいことだけ詰まった大ボリュームエッセイ集。
対決!レンタル彼氏/ポンコツ!会社員日記/冒険!朝井家、ハワイへ/諦観!衣服と私
失態!初ホームステイ/本気!税理士の結婚式で余興/阿鼻叫喚!痔瘻手術、その全貌等
日経新聞「プロムナード」連載エッセイや、壮絶な痔瘻手術の体験をつづった「肛門記」を収録。
また、その顛末が読める「肛門記~Eternal~」書き下ろし!

Amazon 解説

『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。
怒涛の500枚書き下ろし! 頭空っぽで楽しめる本の決定版!

修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
生活習慣病!スイーツ狂の日々
帰れ!北米&南米への旅etc……

一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。

Amazon 解説

雑感

時をかけるゆとり」は、著者が学生時代に遭遇した(画策した)変な事案をおかしく面白く綴ったエッセイ。

最初に書かれた自己紹介で、若くして文学賞(すばる新人賞、直木賞)受賞の記述に加え、照れなのか「一瞬で調子に乗る」の付け加えも忘れていない。
このエッセイに度々出て来る「お腹が弱い」がポイント。

(緊張性なのか)絶妙のタイミングで便意を催し、通常では体験できないことに遭遇する。それを面白いエッセイにまとめてしまうところはプロの作家さん。
ほとんどの話が著者とその周りを含めた自虐ネタで笑いを誘う。

笑いが少ない昨今、肩の力を抜いてニマニマしながら読める本だと思う。

MOH


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