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「モリー先生との火曜日」(2007年読書記録)と2024年の感想文

1冊目(「2007年読書記録」について)の紹介はこちら。


2007年の記録


当時の(自分の)容赦ない評に苦笑して😅、どんな本だったのか読み返してみた。

2016年にKindleで買い直していた


2024年の感想文

『モリー先生との火曜日』は、アメリカの作家ミッチ・アルボムによる1997年の回想録である。この本は、アルボムがブランダイス大学の社会学教授だったモリー・シュワルツを何度も訪ねたことを記したものである。シュワルツは筋萎縮性側索硬化症(ALS)で死にかけていた。 アルボムのその後の回想録は広くレビューされ、ボストン・グローブ紙やナイトラインがシュワルツの死について特集を組んだ後、批評家の注目を集めた。

この本はニューヨークタイムズのノンフィクションベストセラーリストに206週間掲載され、数年間ニューヨークタイムズのベストセラーリストに残り続け、 2006年時点では史上最も売れた回顧録となった。

概要
著者のミッチ・アルボムは、成功したスポーツコラムニストです。1995年、アルボムは、ナイトラインで筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている元社会学教授のモリー・シュワルツを見て、連絡を取りました。アルボムは、マサチューセッツ州のシュワルツを訪ねることにしました。偶然にも新聞社がストライキを起こしたため、毎週火曜日に訪問することができました。この本は14日間に分かれており、各日にはアルボムがシュワルツを訪問した様子が収められています。各訪問では、モリーが人生経験について、回想や当時の出来事への言及を交えて講義します。シュワルツの最後の日々は、結局、アルボムに人生最後の教訓を与えることに費やされます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Tuesdays_with_Morrie

読み直してみて「含蓄のある本」。
著者ミッチが、ALSで余命短いモリー先生から生き方の教えを学ぶ。
その教えの数々が、心に響く言葉。

「2007年の感想は間違いだったの?」と、思いながら読み進むとKindle進捗80%のところに、その件(くだり)が出てきたので引用する。

「ところで、この話には悲しいつづきがあってね。ノーマンは奥さんとシカゴに引っ越した。その少しあと、家内のシャーロットが結構たいへんな手術を受けることになった。ところがノーマンも奥さんもさっぱり連絡してこない。手術のことは知っているんだよ。経過がどうだか電話できいてもこないから、シャーロットと私はひどく不愉快になってね。それで縁が切れてしまった。
 その後、ノーマンとは二、三度顔を合わせることがあって、そのたびにノーマンは仲直りしようとするんだけれども、私は受けつけなかった。その弁解に満足できなかったんだよ。プライドが高かったんだな。相手にしなかった」
 声がつまってきた。「ミッチ……二、三年前……ノーマンは死んだ……癌で。悲しいよ。私は会いに行かなかった。許さなかった。今、それがどんなにつらいか……」

「モリー先生との火曜日」

モリー氏は1994年8月に77歳でALSと診断され、1995年11月に亡くなった。
死の宣告を受け過去を後悔するのは正直だが、モリーと仲直りしようとしていたノーマンに、その思いは届かない。 その経験を通して「後悔先に立たず」を伝えたかったのかも知れない
ベストセラー回顧録の主人公となったモリー氏も不治の病にかかるまでは(ユニークな)プライドの高い元大学教授だったようだ。

筆者とモリー氏の再会が美談のような回顧録だが、あとがきを読んで「筆者が毎週、足繁く飛行機を使ってまで何故会いに行ったのか?」の疑問が解けた。

この本は主としてモリーの発案で、モリーはふたりの「最終論文」と称していた。うまくいったプロジェクトはたいていそうだが、おかげで互いに一段と強く結ばれるようになったし、いくつかの出版社から引き合いがあってモリーは喜んでいた(出版社と会う前に亡くなってしまったが)。その前払金がモリーの莫大な医療費の助けになったことは、ぼくらふたりともほんとうにありがたかった。

「モリー先生との火曜日」著者あとがき

出版社の莫大な前払金が、手厚いケアに役立ったようだ。

この本は、New York Times Non-Fiction Bestsellers Listに206週間掲載され、ニューヨークタイムズのベストセラーリストに数年間掲載された。これまでに2000万部以上を売り上げ、45の言語に翻訳された。

「モリー先生との火曜日」の売上に思うところがあったのか、それまで書いていたスポーツコラムニストから一転して、その系統の小説を書き続けている。

ベストセラー作家となったミッチ・アルボムは2003年に小説”The Five People You Meet in Heaven”を出版し1000万部以上を売り上げた(日本語訳は出版されていない)。

noteには小説家乃至小説家希望の方が多いので、この出版部数には驚くと思う。(印税とか…)


「せっかくの本を批評ばかりしても」とも思い、モリー氏の言葉をいくつか引用させていただく。

死ぬっていうのはね、悲しいことの一つにすぎないんだよ。不幸な生き方をするのはまた別のことだ。

年をとるまいといつも闘ってばかりいると、いつまでもしあわせにはなれないよ。しょせん年はとらざるを得ないんだから。

「ほんとうに満足を与えてくれるものは何だと思う?」
 何ですか?
「自分が人にあげられるものを提供すること」

「私は結婚についてこういうことを学んだ。結婚ていうのは、テストされるんだよ。自分がどういう人間か、相手がどういう人間か、適応できるかできないか、それを見つけるのが結婚だ

どこにいたって、われわれ人間の持っている最大の欠点は、目先にとらわれること。先行き自分がどうなるかまで目が届かないんだ。潜在的な可能性に目を注がなければいけない。自分にはどういう可能性があるか、そのすべてに向かって努力しなければいけない。

思いやりを持つこと。お互いに責任を持つこと。この教訓を学ぶだけでも、世界はずっとすてきな場所になるだろうね」

「テッド、この病気は私の精神になぐりかかってくるけれど、そこまでは届かない。肉体はやられても、精神はやられない

「モリー先生との火曜日」


MOH