原作「アジャストメント」 Adjustment Teamを読んで、映画を観ると「どこでもドア」と「映画『卒業』」を取り入れた恋愛映画だった件
PKDの短編小説を読み返していて、「アジャストメント」 Adjustment Team が、Amazonプライムビデオにあるのを思い出し、かなり以前に観た映画の内容を忘れていたので再視聴。
原作
「アジャストメント」 Adjustment Team /浅倉久志 訳
短編集(全13話)に収めてられている1話。
ある日の朝から夕方までの物語。
Philip K. Dickのアイデアはユニークで、トラブルの起き方とその収め方も短編らしい。
映画
The Adjustment Bureau
監督: George Nolfi
2011年 米国
Based on "Adjustment Team" by Philip K. Dick
出演 :Matt Damon、Emily Blunt
105分の映画の中で、物語の時間経過は4年ほど。
途中、テロップで "3 years later" "11 months later" が出てくる。
個人的には、このようにテロップだけで話を進めてしまう映画を観ると少し白ける。
原作の短編は原因を解決しないのだが、映画ではそれを解決するために、バタバタする展開。
Philip K. Dick 原作の映画はいつもそうだが、使っているのはアイデアだけで、話の中身はまったく別物。
原作でとても印象的だった『Adjustment 途中の砂で出来た世界』は出てこない。SFXのコストが掛かるので、辞めたのかもしれない。
そのためか、映像で撮るには比較的簡単な「どこでもドア」を多様したのかもしれない。
入籍手続き直前の Emily Blunt を Matt Damon が『映画:卒業』のように掻っ攫って行き、ハッピーエンドかな。
原作を知らずに映画だけ観ると面白いかもしれないけど、原作を読んでから観るとドタバタコメディに見えてしまう。
それはそれで面白いけど。
MOH