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『Web小説用プロットのつくり方』(Kindle Unlimited)サクサクと読める良い本
Web小説用プロットのつくり方
Kindle換算で114頁、直ぐに読み終わる。
要点が明記されて、著者がサンプルで掲載した物語の作り方が分かりやすい。
Web小説は鮮度が命です。
思いついてから書き始めるまで何年もかけてはいけません。
すぐに書くべきです。
ですが、そうすると途中で「先の展開が思いつかない!」と筆が止まることにもなりかねません。
どうすればいいのでしょう?
本書はプロットの書き方を通して、どうしたら速く、破綻なく物語が書けるかを考えていきます。安心してください。難しい説明はありません。
大量のサンプルと解説を読みながら、あなただけのプロットの作り方を見つけてみてください。
本の内容
プロットの作り方は作者により様々。
著者はそれを否定しておらず、この本は一例として自身の方法を紹介している。
『小説家になろう』に投稿する、数十万文字に及ぶ小説に、プロットが必要な理由を事例を上げて説明する。
そこまで長くなくても1万文字を越えれば、プロットは必要だと思う。
具体的なプロットの作り方として演繹的叙述法と帰納的叙述法が説明されている。
『それだけでは足りないのでは?』と思いながら読み進めると、最後に両者を合わせたハイブリッドなプロット作成法が出て来て納得😊
長編小説を演繹法乃至帰納法だけで書き上げるのは難しい。
プロットの不足により物語が途中で止まったり、破綻するという説明には納得がいくし、そのようなWeb小説を目にすることもある。
自分が書いた連載小説が、途中で止まった理由を思い出した。
その小説、プロットに不足は無かったが、この本に何度か出てくる『複数の選択肢』から、物語の行き先を選択するところで逡巡した。
『115.『世界の隙間』旅行? その5』この先をサクッと終わらせるのか? イベントを作るのか? が決まらなかった。
連載中、1ヶ月に1話しか投稿出来なかったのは、このエピソードを掲載した月だけ。そこから先の筋道でも迷うことはあったが、中断せずに最終話まで持ち込めたのは、プロットがあったからだと思う。
著者について
出版社から紙の本も刊行されてる。
雑感
『物語を書きたいけど、どう書き始めて良いのか分からない』
『書き始めたけど、物語をどの様に展開して良いのか分からない』
そのような方には、お薦めの一冊。
著者が書いた内容は具体的で、この本の通りに書いていけば、おそらく物語が出来るはず(保証はしません)😅
すでに物語(数万~数十万文字)を書かれている方が、あらためて読む必要はないと思われるが、文中の小ネタ(プロットを書くとき、物語に書くプロットと書かないプロットをちゃんと区別するとか)は、役立つかもしれない。
私は物語に書かないプロットを、別途『基本設定』や『基本設定メモ』として記録しているが、メモが多くなると物語を書いていて「ハテ? どのメモに書いたかな?」と、それを探すのに時間が掛かったり😅
プロットの中にそれも折り込み、分かりやすく区別すれば物語を書き進めやすくなるのではないかと。
この本、一言でまとめれば『小説を書き始めるためのノウハウ本』
実際に小説を書かれている方の説明文には現実味があり、具体例も分かりやすい。
所謂、講師業を生業とされる方々が書く方法論や書式設定の本とは異なり、形式に拘っていないところが読んでいて気持ちよい。
最初のところを少し抜粋。
プロットについて、唯一無二の定義はないと思いますので、その場合は参考にするなどして、自身の糧としてもらえると助かります。
私の考えるプロットですが、簡単に言うと『構想や走り書き程度のメモを系統立ててまとめたもの』となります。
よくプロットは「小説の設計図」だとか、「小説に書かれるすべてがここにある」などとかっこいい言葉が登場することがありますが、個人的にはプロットなんて、自分だけが分かればいいというスタンスです。
逆に、プロット作成段階で「難しい手順を踏むほど挫折しやすい」と考えています。
小説を書く専用のエディタなどありますが、キャラクター一人に対して決めることが多すぎます。
舞台設定や時間軸も詳細に書かねばならず、「これ埋める間に小説が一本書けるわ」と思うことしきりです。
そのわりに、構成を無理矢理『起承転結』に当てはめようとするなど、首を傾げざるを得ないものだったりします。
余談ですが、『起承転結』は中国の漢詩『絶句』で使われる言葉です。漢詩と小説は違いますのし、漢詩の構成と小説の構成を同じにする意味はないと考えます。
大事なことなのでもう一度書きますが、プロットは、自分だけが分かればいいと私は考えます。
それこそが、プロットの唯一無二の利点だと思っています。
いろいろなプロットを考えるとき必要なのは『たくさん引き出しがある』こと。
著者もそれに言及しているが、引き出しの増やし方までは書いていない。
当然ではあるのだが。
MOH