見出し画像

社長日記(120)プログラミング教育と私

こんにちは

コトイズムの代表の勝村です。

今回のブログでは僕自身のプログラミング教育の関わりについて紹介していきます。

僕が目指すプログラミング教育は

「子どもたちが自分のやりたいことを学ぶための1つの手段」です。

CotoMiraiの理念も

「やりたいコトを声にしよう。カタチにしよう。」というのを掲げています。

基本的にはプログラマーやエンジニアを育てることを目的としていません。

僕自身、工学系出身ではなく教育畑の出身です。

子どもたちの将来につながるような教育的な指導や支援を大事にしていきたいというのが前提にあります。


【私の経歴「大学でプログラミング教育・STEM教育に出会う」】

埼玉大学教育学部臨床教育専修(学科)と言うところを卒業して、その後、法政大学大学院キャリアデザイン学研究科の修士課程を修了しています。

プログラミング教育に関わるようになったのは埼玉大学時代です。所属していた学科では教育方法や生徒指導、総合学習、教材研究などを専門とする研究室があり、教育方法や総合学習の研究をしている研究室の活動の一環としてプログラミング教育に出会いました。

ちなみに2010年代前半の当時はプログラミング教育という用語はまだなかったです。
そのような状況の中で論理的思考や問題解決能力の育成などをテーマに今でいうプログラミング教育的な取り組みを”STEM教育”として取り組んでいました。
埼玉大学STEM教育研究センターという組織の中で、学生の研究員から運営のスタッフというキャリアを積んできました。

プログラミングやロボットのものづくり活動は問題解決能力の育成のための手段という感じです。テクノロジーの発展によってScratchや安価なマイコンなど普及しました。それによって今までは一部の大人しかできなかったものづくりが民主化され、子どもたちがより生きた問題解決活動(実際に使えるものづくり)に取り組めるようになりました。
そういった流れによって、プログラミング教育は従来の暗記型の学習から新しい教育を進めていくための大きな原動力になるのではないかと思っています。

【新しい教育を作る:研究コースの運営】

大学の活動では

・プログラミング教育の普及と啓発

・プログラミング教育を用いた新しい指導法や教材の研究

という2つの大きな柱の中で活動していました。

多くの子どもたちがプログラミング教育に触れるための教室活動や、イベントの実施、教員の育成をしていました。と同時に新しい教育的な取り組みにいくつかチャレンジしてきました。新しいマイコンや新しい技術を使って、それを学校教育の中にどのように実施するかという教材作りや指導法の研究、カリキュラムの開発などの課題に取り組んできました。
埼玉大学の学生と一緒に卒業論文の研究の1テーマに設定をしたりしながら、研究的な視点でSTEM教育やものづくり教育に関わってきました。

特に僕自信が深く関わったのは「研究コース」というクラスの実施です。

研究コースは子どもたちが自分の作りたいものを作るために
・場所の提供
・学び方・方法を教えるというクラスです。

一定の期間、ロボットやプログラミングを習うと誰かに教えてもらうのでは物足りなくなって、自分で作りたいものを作りたいという子どもたちが出てきます。そういう子どもたちのために何かを教わるのではなく、自分の力で作るということための方法を教えるというクラスを開講しました。

子どもたちに提供した環境は
①パソコンや、工具や基本的な素材が提供される。
②時間が教室の開所時間9時ー18時まで自由に活動できる。という2つの特徴があります。自由にじっくり時間をかけて子どもたちがものづくりの取り組める場所を作りました。多くの興味関心を共有する子どもたちが刺激しあってコミュニティを作っていくような感じでした。学校ではなかなか同じ趣味の友達がいなかったり、時間の限りがあってやりたい頃ができなかった子どもたちが自由に学ぶ。時間をかけて学ぶ。そういう居場所を作ってきました。

もう1つのアプローチ学び方の指導を行いました。
「自由に作りたいものを作っていいよ」といっても簡単にものを作ることはできません。そのための方法や考え方を教えてあげる必要があります。
・自分の作りたいものを作るための手順や情報収集の方法、
・うまくいかなかった時の対処方法、
・アイデアの出し方、
・記録の取り方などの考え方を指導します。
このような指導を進めていくことで子どもたちは自分の考えやアイデアを形にしてくためのプロセスを経験していくことになります。指導しながら、子どもたちが多くの達成感を味わうというよりもなかなかうまくいかないという現実に向かう会うことの方が多いのではないかと思っていました。この経験が、子どもたちを成長させるためには重要なものではないかと感じました。中には1つのパーツを1日中組み立てては直し、組み立てては直しとやっている子どももいました。

実際に半年〜1年かけて自分の研究テーマに取り組み発表会を実施します。
興味関心を共有する子たちがたくさん集まっているので、発表会は子どもたちにとっても親にとっても、講師にとってもとても刺激的なものになります。以下は、僕が埼玉大学時代にやっていた研究コースの子たちを含む活動の発表会の様子です。

大学の研究室に子ども達の学び場を作る、STEM教育の実践研究発表会

https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1152921.html

【さらに10年先のプログラミング教育は?】

このような新しい学びの環境作りというのを5年間くらいかけてやってきました。実際に指導をしながら感じることはロボット・プログラミングを使うことで子どもたちの新しい学びの可能性が広がるということです。僕が小学生のことはやっとほとんどの学校にPCルームが整備されたくらいだと記憶しています。その後、タブレットが導入される→1人1台端末が配布されるというように自分達が昔受けた教育と今の子どもたちが受ける教育は驚くほどのスピードで変わっています。そのようなドラスチックな変化を楽しむことが教育に関わるもの使命じゃないかと思っています。

僕自身もこのような”新しい教育”に向けた取り組みをこれからもやってきたいと思っています。CotoMiraでもいくつかの新しい取り組みをしています。

・プログラミングの個別指導

・幼児向けのプログラミングトイの活動

・生徒の交流会や、発表会を通したコミュニティ作り

・外部の大会や競技会への参加

・新しい教材(Arduino)の導入

・学童向けのロボット、プログラミング教育の実施

2020年に小学校にプログラミング教育が導入されて3年

まだまだ試されてない可能性がたくさんあると思っています。

学校の教育は10年単位で変わっていきます。

そこに合わせ次のプログラミング教育の可能性について考えていくことが大事だと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?