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分類別古単no.48:連語

48■どうしても覚えたい連語


験生のための単語リストです。
ここでは「どうしても覚えたい連語」を集めてみました。
全体の50音索引はこちらへ

■次の語の意味をA→Bで確認!

A 単語リスト

1・あなかま・あなかしこ
2・いざたまへ
3・ありし・ありつる
4・徒歩より
5・さらぬ別れ
6・させる(など、さの連語)
7・なでふ
8・ひとやりならず
9・れいの
10・われか

B 語義と語感

1・あなかま
「あなかしこ」など「あな○○」
しっ、静かに
■→「あな+かまし(やかましい)」の語幹。この感動詞+形容詞語幹の形は他にも、「あなかしこ」:ああ畏れ多い(畏しの語幹)→禁止(決して―するな)・「あなとふと」:ああ尊い(尊しの語幹)・「あなう」:ああつらい(憂しの語幹)など。

2・いざたまへ
さあいらっしゃい・さあ行きましょう・さあなさいませ
■→「いざ(来・行く・すなどの連用形の省略)たまへ」

3・ありし・ありつる
→「ありし」:少し遠い過去:かつて・「ありつる」:直近の過去:さっきの→カテゴリ【時間感覚】参照

4・徒歩より
=徒歩で
■→「より」は手段の格助詞。「かちより」という読みも大事。「馬より」であれば「馬で」。

5・さらぬ別れ
=死別
■→「避らぬ別れ」(避けられない別れ)であり、死別を意味する。「さらぬ」には「然らぬ:そうではない」と「避らぬ:避けることができない」があり注意したい。

6・させる・さるべき・さるべきにや・さればよ・さればこそなど
→カテゴリ【「さ」を含む連語】参照

7・なでふ
=何という・どうして
■→「なにといふ」の変化したかたち。「なじょう」と読む。

8・ひとやりならず
=自分の心からする
■→文字通り、他人に強制させられるのではなく、自分の心からそうするという意。

9・例の
➀いつもの
②いつものように
■→➀「例の+体言」は「いつもの」だが、②「例の+用言」の場合には「いつものように」と解釈する。②の場合「の」は比喩の格助詞である。

10・われか
=正体のないさま・自分か
■→「われかのけしき・われかひとか」など自分と他人の区別ができない茫然自失状態→カテゴリ【夢と現実】参照


■例文で演習!

C 例文

  1. あなかま、人に聞かすな。いとをかしげなる猫なり。飼はむ。

  2. いざ給へかし、内裏へ

  3. お前にまゐりてありつるやう啓すれば

  4. 山背道を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに 己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみ泣か

  5. 世の中にさらぬ別れのなくもがな

  6. こは、なでふことのたまふぞ

  7. ことにふれて心細く悲しいけれど、ひとやりならぬ道なれば、行き憂しとてもとどまるべきにもあらで

  8. 日暮るるほど、例の集まりぬ。

D 例文の解釈

  1. しっ、静かに、人に聞かせるな。たいそうかわいい猫だ。飼おう。

  2. さあ、いらっしゃってください、内裏に。

  3. 中宮様のお前に参上してさきほどのことを申し上げると

  4. 他人の夫は馬で行くのに、自分の夫は徒歩でいくので、見るごとに自然と泣けてしまうという。妻の切ない思いを歌ったいい歌である。

  5. 世の中に死別というものがなかったらいいのになあ

  6. これはなんということをおっしゃるのか

  7. 何かにつけて心細く悲しいが、自分自身の心で決めた旅なので、行きづらいといってもとどまるわけにもいかず。

  8. 日が暮れるころ、いつものように集まった。

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