分類別古単no.38:夢・現実・正気
38■夢と現実・正気
受験生のための単語リストです。
ここでは「夢・現実・正気」というニュアンスを持つ語を集めてみました。
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■次の語の意味をA→Bで確認!
A 単語リスト
1・うつつ
2・われかひとか・われかのけしき
3・あくがる
B 語義と語感
1・うつつ
➀現実
②正気
■→うつつは、漢字「現」をイメージする。現在も「夢うつつ」と言うが、対義語は「夢」。①は夢に対する現実であり、②は夢心地に対する正気である。
2・われかひとか・われかのけしき
=茫然自失
■→われかのけしきは、うつつとは逆に、我か人か(自分か他人か)の区別ができない、正気を失った茫然自失の状態を言う。
3・あくがる
①さまよいあるく・さまよい出る
②魂が身からさまよい出る
③心を奪われる・上の空になる・ぼんやりする
■→あくがるは、「あく」は場所、「かる」は「離れる」を意味し、今いる場所から離れていくことが原義だが、同様に魂が肉体を離れて行く状態をも意味する。それによって心が奪われることが現代語の「あこがれる」に通じていくことになる。
■例文で演習!
C 例文
君や来しわれやゆきけむおもほえず夢かうつつか寝てかさめてか
うつつの人の乗りたるとなむ、さらに見えぬ。
心惑ひて、われかひとかにもあらでのたまふ。
汗もしとどとなりて、われかのけしきなり。
人の言にうちなびき、この山里をあくがれたまふな。
もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る
D 例文の解釈
あなたが私の所に来たのか、私があなたの所へ行ったのか、よくわからない。(あれは)夢だったのか、現実だったのか、寝ていたのか、目覚めていたのか。→文法:や=係結疑問・か=係助文末用法疑問
(車の様子は)正気の人が乗っているとは、まったく見えない。
心が乱れて、茫然としている様子でおっしゃる。
汗もびっしょりになって、茫然としている様子である。
人の言葉に誘われて、この山里をさまよい出なさるな。
物思いをしていると、沢を飛び交っている蛍の火も、自分の身から離れ、さまよい出た魂ではないかと見えたことだ。
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