Xwatching「新商品とネーミングと開発中止」
Xではさまざまなプロモーションが流れているが、その中に「標語募集」「川柳募集」「ネーミング募集」という体裁でフォロワーを増やそうとする動きもよくある。
まあX上のだいたいの公募は「アカウントをフォロー」「引用リポスト」が条件になっていることも多く、企業的にも手っ取り早い施策だろう。何よりポストするだけでよいのでコストがかからない。
そんな中4月ごろに以下のようなポストがあった。カテゴリとしては「新製品のネーミング募集」である。とはいえ大々的な広告費を使ったプロモーションキャンペーンというわけではなく、単純に企業アカウントによるポストだ。
で、ここから三か月ほど経って、先日以下のポストが出たわけである。
なんと、「開発中止」でフィニッシュ。「扉を開けたらバッドエンド」並みの急展開である。これにはびっくりした。先入観で勝手に「新商品の開発が終わったからネーミングを募集した」と思っていたからだ。終わってなかったんかい、と。
これに対してちょこちょこと反応があったのだが、企業対応を非難するもの、単に残念がるもの、逆に励ますものなど内容はさまざま。どっちかというと非難が多かったような印象である。
まあ、確かに「募集かけといて結局やりませんて何だよ」と言われれば企業としてはぐうの音も出ないだろう。決定が決まってから募集しろよという話だ。しかも、普段と反応が違う。この企業アカウントのポストをざっと見てみたが、通常はお菓子の宣伝に対していいねが20~50程度。それがこのネーミング募集の際は600以上のいいねがつき、700以上の引用リポストがされている。
自分は2~3本ほど応募した記憶があるが、ざっと見てみると一人でかなり多く応募した人もいる様子。しかも、ネーミング単体だけでなくその意図や背景説明まで加えていたりもする。ここまでいろいろ考えてみて「中止なのでなかったことに」となるとまあさすがに残念感が漂う。「商品化は出来なかったけど、おわびにネーミング特別賞を表彰します!」なら多少留飲も下がった気はするのだが。
しかし、こういった公募系では「10000円分~のギフト券」「高級和牛セット」といった感じの商品が多いが、今回の場合は「新商品を一つプレゼント」である。規模としてはかなり小さい。恐らくXで宣伝する予算というのはほぼ設定されていないのだろう。
まったくの想像だが「タダで宣伝できるならやってもいい」くらいの位置付けなのではないだろうか。今回の新商品は苺13個を使ったのが売りだったが、それでもさすがに1個で5000円とかするわけではないだろうし。
この募集が「完成しそうだから宣伝しろ!名前募集してもいい!」と上から言われて動いてたら「やっぱ13個も使うと難しいわ!中止!」と言われたのだとしたら担当も大変だ…という事情でもないとなかなか同情はできないところだろう。
正直応募した人の動機は「何としてもお菓子が欲しい」という理由ではなかったと推測する。「自分が名付けたものが世に出る」という喜びを味わいたかったのだと思うので、企画自体がなくなった時点で意味もなくなってしまった。ただそれでもやっぱり「ごめんなさい」だけで終わるとモヤモヤしたものが残りそうだ。
ちなみにざっと応募作を見た感じ、個人的には「十三苺(とみいちご)」なんか特別感が分かりやすくていいのではないかと思った。語感もいいしね。自分が応募したのは「苺大大福」とかで、まあこれは語呂と文字の見た目でわかりやすいんでは、くらいのもんである。
…と思って企業アカウントを見てたら「お詫びのプレゼント企画」をやっていた。おお!と思ったが、よく見てみるとネーミング応募者が対象なわけではなくて、単なるフォロー・リポスト条件のプレゼント企画であった。
ただ、それが4000リポスト・1500いいねを達成(7/19朝時点)してるのを見て、じゃあ最初からプレゼント企画やってりゃよかったんじゃないかという思いと、「よいご縁がありますように」層の勢いに押されてなんか脱力してしまった。
プレゼント企画の威力ってすごいんだな。しかもこのプレゼントも「1個」である。どんだけ倍率高いのだ。
ちなみに意外と他にも「募集はしたけど発表がうやむや」という企画はあったりするものだ。昔どっかの雑誌社が抽選プレゼントを結局送ってないみたいな問題が発覚したこともあったが、このへん誰かが追及しない限りわからないからなあ。空振りも込みで考えるか、ちゃんと発表してくれそうなところだけに応募するかであろう。
サポートいただけた場合、新しい刺激を得るため、様々なインプットに使用させていただきます。その後アウトプットに活かします、たぶん。