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養殖魚の可能性

◉日本は四方を海に囲まれた島国で、草原が少ないために牛馬豚羊などの肉食が発達しませんでしたが、魚に関しては世界でもトップレベルに詳しいと思います。鮟鱇の吊るし切りとか、魚が好きじゃないと、生まれない手法ですからね。中国は大陸国家で、魚は淡水魚が中心なんですよね。孔子が息子に鯉と名付けるぐらいに。でも、海の資源は水産庁のデタラメな政策で、撮りすぎてやせ細る一方。そういう意味でも、養殖には漁業の未来が在ると思うんですよね。ウナギもマグロも、養殖が絶滅を防ぐ鍵ですし。

【魚が獲れない時代に「鹿児島・垂水」から学べる事 日本一のカンパチは漁業者たちの姿勢が作った】東洋経済オンライン

魚離れや漁獲量の減少、漁業者の高齢化・後継者不足など、日本の漁業を取り巻く厳しい報道が絶えません。

しかし、日本の1人当たりの水産物消費量が減少傾向にある一方で、世界的には増加傾向にあり、人口増加も考慮すると今後ますますの水産物が必要とされています。農林水産省も、日本の水産物輸出拡大を目指して輸出強化に向けた取り組みに積極的です。

そんな中、鹿児島県垂水市にある 垂水市漁業協同組合(以下、垂水市漁協)では、30年以上にわたり地道に根気強く養殖カンパチに取り組み、生産量日本一に。現在は輸出にも注力しています。カンパチ養殖を成功させるうえのさまざまな苦労や試行錯誤を追いました。

https://toyokeizai.net/articles/-/640451

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、桜島の勇姿です。花は霧島、煙草は国分、燃えて上がるはオハラハー桜島。

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■カンパチの養殖■

カンパチは、身が美しいんですよね。白身魚なんですが、ほんのりとピンク色掛かっていて。自分が地元にいた頃は、まだお隣の垂水市では養殖はそこまで盛んではなかったように思いますが。普通にカンパチの刺身自体はよく食べていましたね。脂ののりもよく見た目も綺麗という、高級魚としてブランド化する要素はありましたが。寄生虫の問題などもあって、難しい魚とも言われていたようですが。それが気がつけばここまでのブランドに成長するとは。

養殖といえば、トラフグが有名ですが。養殖のフグには、天然物のふぐの毒であるテトロドトキシンが、蓄積されないんですよね。元々はフグの毒はフグが本来持っているものではなく。餌に含まれる微量のテトロドトキシンを、なぜか体内に蓄積してしまうようです。昭和天皇は生涯、フグを口にされることはなかったそうです。もし万が一あったあったら、関係者は死んでお詫びしないといけませんからね。養殖ものをなら毒はないというのは既に知られていたそうですが。

養殖魚といえば、天然物のほうが上という、幻想がありますが。実際は在るテレビ番組で、天然物と養殖物のハマチを、ブラインドテイストさせたら、ほとんどが養殖の方を美味しく感じたと言ってましたね。しかも、築地という魚のプロに。養殖のほうが、脂が乗ってるので、よほど食べ慣れてる人でないと、見分けは難しいでしょうね。人造イクラだって、ブラインドで食べさせると、漁師でさえ間違うレベルです。某回転寿司のやせ細った本物のカニより、高級カニカマのほうが美味しいように。ラーメンハゲが言うように、だいたいの人は情報を食ってるだけです。

■サバの陸上養殖■

養殖業の可能性として、陸上養殖も注目を浴びていますね。こちらは鳥取県の事例のようですが。サバもアニサキスなどの寄生虫で知られていますが。こういう形で卵の状態から陸上で完全養殖できるなら、寄生虫や伝染病などの心配がぐっと減らせるはずです。養殖魚にはそういう可能性もあるということですね。天然物は天然物で価値があると思いますが、大集魚や希少種の魚はこういう形で、養殖が主流になっていく可能性が高そうですね。

【地下海水育ちの陸上養殖サバ、生食も可能…太陽光パネル活用「少しでも自然の力で回したい」】読売新聞

 陸上の水槽でサバを育てるビジネスが鳥取県内で広がっている。海岸近くで掘削した井戸からくみ上げた地下海水は自然の砂利や砂で 濾過ろか されるため、サバに寄生虫がつきにくく、生でも安心して食べられるという。水産物の安定供給が課題となる中、取り組みを追った。(西村歩)

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221218-OYT1T50061/

海水自体は、海の深いところの深層水を汲み上げて使うのであれば、寄生虫の問題などもだいぶ変わってくるでしょうね。寄生獣というのはそもそも宿主がいないと帰省できませんから。サバなどの青魚と呼ばれるものは海面近くを回遊する種類が多いので。深海魚には深海魚の寄生虫はいますが、寄生虫って意外と宿主の生態に特化している面がありますからね。こちらも、興味深い事例ですね。鯖は美味いと、庵野秀明監督も入っていますし。あ、いや、宮崎駿監督に言わされていますし。

■エビの陸上養殖■

同じく陸上養殖の話題ですが、こちらは甲殻類のエビの養殖の話題。しかもこちらの場合は養殖用のプラントが、非常に小さくてコンパクトですむというお話。エビ自体はそもそもそれほど活発に動き回るタイプの生物ではありませんから。時々、クジラを養殖できないかという人がいますが。ツチクジラやミンククジラとかでもあれほど巨大なものですから、養殖しようと思ったらかなり広大な面積の海域を養殖用にせき止めないと、駄目でしょうね。

【スタートアップがエビの陸上養殖装置 駐車場1台分で】日経新聞

水産資源をどう守っていくか――。漁業のサステナビリティー(持続可能性)をめぐる取り組みとして、陸上養殖のニーズは世界的に高まっている。しかし、コストや技術の参入障壁の高さなどから陸上養殖は思うように進まず、産業化への道のりはまだ遠い。そんな中、小型のコンテナで陸上養殖を行うユニークな発想で課題解決に挑むスタートアップが、ARK(アーク、東京・渋谷)だ。陸上に海をつくることで、「海を休ませる」こと...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC134E00T11C22A2000000/

エビの養殖が、駐車場ぐらいの広さで可能ならば。これはこれで個人の養殖が盛んになるかもしれませんね。鹿児島県だと、農家でない人が牛や豚を個人で裏庭で育てて、それを販売するというのが昔は盛んでした。うちの実家でもやっていましたけどね。漫画家の川原泉先生のお友達もそうやって、子牛を育てて自家用車を買う頭金にされたそうですが。田舎の土地が余っている家とか、そういう小規模なエビ養殖に乗り出す人が出ても不思議はなさそうですね。

■ウニの陸上養殖■

もういっちょう、鳥取の挑戦。こちらはウニの養殖ですが、これは各地でけっこう取り組む所が増えていますね。ウニ自体は昆布などの海藻を食べるので、天然物はやはり海藻の風味があり、美味しいですね。しかしあまり動かない生き物なので、陸上養殖をやるには最適な魚介類とも言えますね。しかも高級食材というポジションがありますので、洋食の価値が一層上がる面も。ちなみに北海道では、ラッコが絶滅したらウニが増えて、昆布を食い荒らすようになったので、逆にウニ漁が盛んになったとか。

【高級食材ウニは海の厄介者 駆除と養殖に挑む鳥取県の「両面作戦」】産経新聞

 ムラサキウニによる海藻の食害が全国で問題となるなか、鳥取県では徹底駆除と、身(生殖腺)を太らせるための養殖(飼育)の両面作戦が進められている。養殖では今年、高校生が県などの支援を受けて飼育試験に取り組み、4種類のエサの比較によって食材としての活用を模索。試験結果は漁業者にも伝え実地に生かしてもらうことにしており、産学官による〝オール鳥取〟の実践に期待が集まっている。

https://www.sankei.com/article/20221226-WDUOAZIPUJKSFJBMCG723O3CBE/

ウニの陸上養殖といえば、以前に長野県での事例を読んだ記憶があります。長野県の場合はキャベツなどの高原野菜の生産が盛んですが。出荷されるキャベツは、外側の葉っぱをむいて、形状を整えて出荷されることが多いですからね。本来は廃棄されるそのような葉っぱを、ウニの餌にできるのですから効率的。内陸地の農業県であっても、そういう部分の工夫次第でいろんなことができるんですね。自分は農林水産業はむしろ成長産業であると考えていますので、そういう話題は今後もちょいちょいとりあげていきたいです。

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