養殖魚の可能性
◉日本は四方を海に囲まれた島国で、草原が少ないために牛馬豚羊などの肉食が発達しませんでしたが、魚に関しては世界でもトップレベルに詳しいと思います。鮟鱇の吊るし切りとか、魚が好きじゃないと、生まれない手法ですからね。中国は大陸国家で、魚は淡水魚が中心なんですよね。孔子が息子に鯉と名付けるぐらいに。でも、海の資源は水産庁のデタラメな政策で、撮りすぎてやせ細る一方。そういう意味でも、養殖には漁業の未来が在ると思うんですよね。ウナギもマグロも、養殖が絶滅を防ぐ鍵ですし。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、桜島の勇姿です。花は霧島、煙草は国分、燃えて上がるはオハラハー桜島。
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■カンパチの養殖■
カンパチは、身が美しいんですよね。白身魚なんですが、ほんのりとピンク色掛かっていて。自分が地元にいた頃は、まだお隣の垂水市では養殖はそこまで盛んではなかったように思いますが。普通にカンパチの刺身自体はよく食べていましたね。脂ののりもよく見た目も綺麗という、高級魚としてブランド化する要素はありましたが。寄生虫の問題などもあって、難しい魚とも言われていたようですが。それが気がつけばここまでのブランドに成長するとは。
養殖といえば、トラフグが有名ですが。養殖のフグには、天然物のふぐの毒であるテトロドトキシンが、蓄積されないんですよね。元々はフグの毒はフグが本来持っているものではなく。餌に含まれる微量のテトロドトキシンを、なぜか体内に蓄積してしまうようです。昭和天皇は生涯、フグを口にされることはなかったそうです。もし万が一あったあったら、関係者は死んでお詫びしないといけませんからね。養殖ものをなら毒はないというのは既に知られていたそうですが。
養殖魚といえば、天然物のほうが上という、幻想がありますが。実際は在るテレビ番組で、天然物と養殖物のハマチを、ブラインドテイストさせたら、ほとんどが養殖の方を美味しく感じたと言ってましたね。しかも、築地という魚のプロに。養殖のほうが、脂が乗ってるので、よほど食べ慣れてる人でないと、見分けは難しいでしょうね。人造イクラだって、ブラインドで食べさせると、漁師でさえ間違うレベルです。某回転寿司のやせ細った本物のカニより、高級カニカマのほうが美味しいように。ラーメンハゲが言うように、だいたいの人は情報を食ってるだけです。
■サバの陸上養殖■
養殖業の可能性として、陸上養殖も注目を浴びていますね。こちらは鳥取県の事例のようですが。サバもアニサキスなどの寄生虫で知られていますが。こういう形で卵の状態から陸上で完全養殖できるなら、寄生虫や伝染病などの心配がぐっと減らせるはずです。養殖魚にはそういう可能性もあるということですね。天然物は天然物で価値があると思いますが、大集魚や希少種の魚はこういう形で、養殖が主流になっていく可能性が高そうですね。
海水自体は、海の深いところの深層水を汲み上げて使うのであれば、寄生虫の問題などもだいぶ変わってくるでしょうね。寄生獣というのはそもそも宿主がいないと帰省できませんから。サバなどの青魚と呼ばれるものは海面近くを回遊する種類が多いので。深海魚には深海魚の寄生虫はいますが、寄生虫って意外と宿主の生態に特化している面がありますからね。こちらも、興味深い事例ですね。鯖は美味いと、庵野秀明監督も入っていますし。あ、いや、宮崎駿監督に言わされていますし。
■エビの陸上養殖■
同じく陸上養殖の話題ですが、こちらは甲殻類のエビの養殖の話題。しかもこちらの場合は養殖用のプラントが、非常に小さくてコンパクトですむというお話。エビ自体はそもそもそれほど活発に動き回るタイプの生物ではありませんから。時々、クジラを養殖できないかという人がいますが。ツチクジラやミンククジラとかでもあれほど巨大なものですから、養殖しようと思ったらかなり広大な面積の海域を養殖用にせき止めないと、駄目でしょうね。
エビの養殖が、駐車場ぐらいの広さで可能ならば。これはこれで個人の養殖が盛んになるかもしれませんね。鹿児島県だと、農家でない人が牛や豚を個人で裏庭で育てて、それを販売するというのが昔は盛んでした。うちの実家でもやっていましたけどね。漫画家の川原泉先生のお友達もそうやって、子牛を育てて自家用車を買う頭金にされたそうですが。田舎の土地が余っている家とか、そういう小規模なエビ養殖に乗り出す人が出ても不思議はなさそうですね。
■ウニの陸上養殖■
もういっちょう、鳥取の挑戦。こちらはウニの養殖ですが、これは各地でけっこう取り組む所が増えていますね。ウニ自体は昆布などの海藻を食べるので、天然物はやはり海藻の風味があり、美味しいですね。しかしあまり動かない生き物なので、陸上養殖をやるには最適な魚介類とも言えますね。しかも高級食材というポジションがありますので、洋食の価値が一層上がる面も。ちなみに北海道では、ラッコが絶滅したらウニが増えて、昆布を食い荒らすようになったので、逆にウニ漁が盛んになったとか。
ウニの陸上養殖といえば、以前に長野県での事例を読んだ記憶があります。長野県の場合はキャベツなどの高原野菜の生産が盛んですが。出荷されるキャベツは、外側の葉っぱをむいて、形状を整えて出荷されることが多いですからね。本来は廃棄されるそのような葉っぱを、ウニの餌にできるのですから効率的。内陸地の農業県であっても、そういう部分の工夫次第でいろんなことができるんですね。自分は農林水産業はむしろ成長産業であると考えていますので、そういう話題は今後もちょいちょいとりあげていきたいです。
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