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東大新入生の政党支持率

◉Twitterを見ていたら、興味深いデータが流れてきました。東大新聞による、新入生の意識調査なんですが。その中で、政党支持率の項目がありました。今年の四月の時点ですが、ロシア連邦軍によるウクライナ侵攻もありましたし。日本で最も歴史と権威がある大学校の、新入生は政治をどう見てるか? 備忘録も兼ねて、noteにしておきます。

【【新入生アンケート2022 ④社会問題】対面授業中心84%で最多】東大新聞オンライン

 東京大学新聞社は3月28日〜4月1日、東大の全新入生を対象にアンケートを実施し、313人から回答を得た。アンケートは毎年新入生の入学時期に行っており、受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問している。昨年との比較などから、今年の傾向を分析した。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)(構成・松本雄大)

東大新聞

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、東大安田講堂です。

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■若者は保守化してる?■

若者の保守化・右傾化を嘆く声が、リベラル界隈にはあります。確かに、若い層ほど自民党支持という、傾向は顕著です。そして、リベラル界隈は、頭の悪い低学歴が自民党を支持すると決めつけます。上にもグラフをコピーしておきましたが、念のために内容を書き出すと、こんな感じになります。ちなみに、NHKの6月調査の政党支持率も( )に入れて対比しますね。

・自由民主党→ 24.9%(40.1%)
・国民民主党→ 6.7%(1.3%)
・立憲民主党→ 5.1%(5.9%)
・日本維新の会 3.2%(4.0%)
・日本共産党→ 1.6%(2.6%)
・れいわ新選組 1.6%(0.8%)
・N 国 党→ 1.3%(0.3%)
・公 明 党→ 0.0%(2.9%)
・社 民 党→ 0.0%(0.5%)
・そ の 他→ 0.3%(0.7%)
・支持政党なし 40.3%(33.1%)
・不明回答なし 15.0%(8.1%)

こうやって観ると、若者の保守化とか右傾化なんて、嘘・あるいは左派の願望だというのが、わかります。

■国民民主党への高評価■

東大新入生の、自民党への支持率は24.9%で、NHKの調査の40.1%よりも15.2%も低いです。必ずしも高いとは言えません。昨年の衆院選では議席を増やし、今夏の参院選でも大きく得票を増やすであろうと予想されている日本維新の会ですが、こちらも3.2%とNHKの4.0%よりも低いです。若者の保守化や右傾化云々の言説とは、大きく異なります。

そして興味深いのは、国民民主党への高い評価です。言うまでもなく国民民主党は、左派系の政党。一時期は、立憲民主党と大差ない政党でしたが、昨年の衆議院選挙前から政策本位の政党にシフトし、個人的には評価しています。でも、マスコミがあまり後押ししないせいで、世論調査での支持率はあまり高くありません。

ところが東大新入生の支持率は6.7%で、NHKの調査結果の1.3%のなんと5倍以上、野党で最も評価されています。野党第一党である立憲民主党の支持率 5.1%に比較しても、高い支持です。ちなみに、NHKの調査の支持率5.9%と比較して、立憲民主党への東大新入生の評価は、世間より低いですね。逆に言えば、国民民主党のような現実的な政策を打ち出せば、野党への若者の支持率は、回復するはずです。

■問題は野党側にあり?■

日本共産党の支持率は1.6%で、これまたNHKの調査の支持率2.6%よりも、低いです。個人的には、もうちょっと東大の新入生には共産党支持者が多いイメージだったので。そして、れいわ新選組が共産党と同じ1.6%です。NHKの調査の支持率0.8%の実に2倍の支持率で、戦前からある共産党より上とは……ちょっと意外です。この点からも、若者の保守化・右傾化が嘘だとわかります。

ハッキリ言えば、立憲民主党・共産党・社民党などの野党がだらしないから、消去法で中道左派の議員もいる自民党へ投票───ということでしょう。旧来の左派が、山田太郎議員を過剰に憎む、原因でしょうね。中道左派の票を、自民党に持っていっているのですから。Twitterでも、自分への批判に無理やり山田議員を絡めて、当て擦ってくる御仁が多いですが。

けっきょく、自分が今までさんざん指摘してきたことが、東京大学の新入生(18歳を中心に多浪生を含めても20代)で証明された形です。なにしろN国党でさえ、支持率が1.3%もあってNHKの調査の支持率0.3%よりずっと高いです。いろいろと迷走気味ですが、ベーシックインカムとかも主張していますしね。N国党も分類上は左派ですし。

■公明党と社民党の衝撃■

そして最も興味深い調査結果が、公明党の支持率0.0%でしょうね。自由民主党と連立与党を組む政党の支持率が、東京大学では0%というのは、なかなかに興味深い数字です。東大新入生には、創価学会の信者がほとんどいない、ということでしょうか? NHKの調査では支持率2.9%あるのに……。創価大学の新入生の、政党支持率とか知りたくなりますね。

もっとも公明党は、大衆の政党を自負してるので、エリートの東大生の不支持は、瑕疵にならないですが。そして、かつては社会党として野党第一党であった社民党。すっかり活動家に乗っ取られた印象ですが、支持率0.0%とは……。NHKの調査でもまだ支持率0.5%もあるのに。ぽっと出のれいわ新選組でさえ1.6%、色物扱いのN国党でさえ1.3%もあるのに……完全に見放されていますね。

すっかり第2共産党化した政策や、福島瑞穂党首や大椿ゆうこ副党首、伊是名夏子常任幹事らのコア支持層向けの奇矯な言動、ラディカル・フェミニズムにベッタリの姿勢が、高偏差値の東大生に嫌われた、と? これはどう見ても、野党が極左化して、本来は中道左派が多い作家や漫画家、クリエイター界隈を攻撃し始めて、支持を失っているという自分の日頃の指摘と、重なりますね。

■まとめ:今夏の参院選■

その他の支持率が0.3%で、NHKの調査の支持率0.7%よりもちょっとだけ低いのは、れいわ新選組やN国党など、ハッキリ支持する層の多さと、整合性はあります。そっちに流れている。逆に、支持政党なしが40.3%もあり、NHKの調査の33.1%よりも多いのは、東大の新入生にはノンポリや無党派層がかなり多い証拠に思えます。それは、不明・回答なしが15.0%もあり、NHKの調査の8.1%の倍近いことからも明白。無党派層で浮動層。

若者は、インターネットの極端な情報に飛びつくのは、左右ともに10%ほどで、多くは広く意見を見聞きし、バランスの取れた意見に着地しているという調査結果とも、この調査結果は一致します。結果的に、ノンポリや無党派層が多く、強く支持する政党は特になく、候補者個人単位で選んでいる───ということでしょう。政策本位にシフトした国民民主党の支持率の高さを見ても、東大新入生の知性を感じます。

そういえば数年前、朝日新聞の新入社員に東大卒が0になり、役員クラスがようやく自社の世間的な評価に気づいて、青ざめたとか。良くも悪くも、日本で上位5パーセントレベルで勉強ができる学生が集る大学です。重信房子女子の出所にウキウキになっている左派マスコミや、オールド・リベラリストがどう思おうとも、政党を冷静に見ている人間が多い、ということでしょう。今夏の参院選、少なくとも10-20代若者の得票は、東大新入生の数値に近くなりそうです。

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