見出し画像

5億円~20億円にまで成長した会社の中で僕が体験した規模によるマネジメントの違い

リーダー論やマネジメント論は数多ありますが、それらは必ずしもどこでも通用するわけではありません。

同じ会社であっても、成長のフェイズに合わせてマネジメントスタイルを変えていかないといけないタイミングがやってきます。

そこで本日は、事業規模によるマネジメントの違いについて僕の経験をベースにまとめてみました。



10年で5億円~20億円まで、様々な規模のマネジメントの現場を経験


こんにちは!全国で日帰り温泉「おふろcafé」を展開しているONDOグループの宮本です。

そもそもなぜ僕が事業規模別のマネジメントを語るのかという点について、先に簡単に説明をしておきます。

ONDOグループは、現代表の山﨑が2011年に創業した「株式会社温泉道場」からはじまりました。

赤字の日帰り温泉施設の事業を引き継ぎ立て直す…という非常にリスキーな方針で、たった2店舗からスタートした会社ですが、創業から12年経ち、今では自社ブランド「おふろcafé」を全国に9店舗(FC店舗含む)展開できるほどまで成長しました。

さらに日帰り温泉事業だけでなく、地域スポーツなどにも力を入れており、2023年にはホールディングス化して、3つの事業会社を抱えるONDOグループとなりました。


僕が入社した2013年には売上5億円規模、従業員数100名(正社員11名)だった会社が、今ではグループ売上20億円、従業員数は(連結)389人にまで成長しています。

僕自身は、入社後に、おふろcafé utataneという店舗の支配人を2年務めたのち、店舗リニューアル開発・コーポレートブランディング、フランチャイズ事業などに携わり、今は三重県に拠点を置く「株式会社旅する温泉道場」の代表取締役をしながら、母体である埼玉の「株式会社温泉道場」で、副社長兼CHROとして人事の責任者をしています。

その間には、新型コロナウイルスの打撃をモロに受け、大赤字に陥った時期もあります・・・。

つまり何が言いたいかというと、この10年間で、店舗の一支配人、黎明期の小さなベンチャー企業のマネージャー、子会社の社長、大赤字店舗の立て直し、売上20億円規模の会社の取締役……など、さまざまな規模や状況のマネジメントを経験してきた、ということです。


やりたいことをやるためには、マネジメントを身につけないといけない

ONDOグループは、「温泉道場」という名前の通り、日帰り温泉を起点にしている会社ではありますが、日帰り温泉だけの会社ではありません。

「地域を沸かす」をコンセプトに、地域の温度を上げる・地域を盛り上げる事業づくりをしていきたいと考えています。そして事業を作っていく過程で、同時に人材を育成し、将来それぞれの地域に仕事を作ることができるリーダーを輩出していくというミッションを掲げています。

おふろを起点に、地域を盛り上げるリーダーをたくさん輩出していこうということを考えているわけです。

そんな会社なので、社内でも「自分がやりたいことをやるためには、マネジメントを身につけなくてはいけない。」といった声がよく聞こえてきています。

さて、前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。

マネジメントを考える上で、規模によるマネジメントの違いを知っておくことがすごく大切です。僕の経験上、店舗や事業の規模により、2億・5億・10億でマネジメントスタイルを変えるタイミングがきます。


〜2億円規模:強いリーダーが背中で見せる!

まず、売上が2億円ぐらいまでの規模であれば、リーダーが背中を見せながら、組織を引っ張ることで事業をグリップすることが可能です。

まだまだ強いリーダー1人でなんとかなる規模です。リーダーを支えてくれるような人も必要ですが、あまり大きな組織にしようとしたり、組織化しすぎないほうが賢明だと思います。

<この時期にハマりやすい落とし穴>
・組織化を目指して、不必要に役割分担をしようとする


3億円〜5億円規模:リーダーの多様性が重要

3億円〜5億円規模になると、1人のリーダーだけでは業務が回らなくなります。この規模まで成長すると、組織のルールを決めたり、役割分担をしていくことが必要になります。

個人的にこのフェイズで重要だと思うのが、複数のリーダーのキャラがそれぞれ違う、多様性です。

新しいことをやるのが得意だったり、運営に集中するのが得意だったり、コスト削減が得意だったり、色々なキャラクターのリーダーがいたほうが組織が安定します。

<この時期にハマりやすい落とし穴>
・ルールが決められていない
・全てリーダーが管理しようとして、メンバーに情報共有なされていない


5億円〜10億円規模:理念を浸透し、一体感を醸成する

5億円〜10億円規模になると、未来の出店(新規事業)や更なる規模の拡張を考えるようになります。

そのため、新しい仕事を創るメンバーと、当面のお店の運営(既存事業)を任せるメンバーに分けて組織運営を考えていく必要があります。

この規模になってくるとメンバーと対面で顔を合わせない場面も増えてくるため、コミュニケーションや組織の一体感に課題が生じやすくなります。ツールをうまく使いこなしたり、定期的にミッションを共有する場をつくり理念浸透を図ったり、工夫が必要です。

<この時期にハマりやすい落とし穴>
成功事例がたまってくるが故に、チャレンジしづらくなる
・世代交代できない


事業規模によるマネジメントの違いは、自分の経験だけでは学ぶのが難しい


ここで語ったのは、あくまで僕自身の経験がベースです。実際にマネージャーとしてぶつかった壁を中心にまとめています。

僕はたまたま会社の成長の波に乗り、様々な事業規模のマネジメントを経験することができましたが、基本的にこうした規模によるマネジメントの違いは、別の事業規模で働いている人に話を聞いてみないことには、自分の体験だけでは分かりようがありません。

僕もまだ自分の体験だけで全てを語れるわけではないので、できるだけ色々な方に話を聞くように心がけています。

マネジメント論は書籍もたくさんあり、様々なメソッドが紹介されていますが、そもそも正解がない分野だと思っています。これが正解だと思わずに気軽に受け止めていただければと思います。

「自分の場合はこうだった」「こういうことがあった」など皆さんの感想もシェアしていただけると、濃い情報共有ができると思うので、ぜひお願いします!

このnoteは、ONDOグループ社内に向けて僕が配信しているコラムを基にしています。経営者として考えていることや、旬の情報、ビジネスのノウハウなどをシェアしています。
同じハコモノ事業者さんや、サービス業の方々にとってもお役に立てるものがあるのではないかと思い、内容を少しだけ編集して公開しています。

宮本昌樹@ONDOグループ CHRO

1986年生まれ、和歌山県出身。27才の時に地域活性を目指して株式会社温泉道場入社。支配人を2年間経験したあと、店舗リニューアル開発・コーポレートブランディング、フランチャイズ事業などを経て、HR部門に注力。2019年より、ONDOグループ1人目の社長として、三重県の株式会社旅する温泉道場の社長を兼任している。

Twitter:https://twitter.com/masakimiy

この記事が参加している募集

オープン社内報

サポートいただけると嬉しいです! これからも地方創生・温泉・サウナ・人事などをコツコツ書いていきますので、書籍の購入費用に充てさせていただきます。