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独検1級に合格する10のこと_04_[インタビュー文]「主張→例文」の構造を見抜く

みなさまお久しぶりです。mogです。
都内在住、仕事と育児に忙殺されるアラフォー女性です。最近cookdoデビューしました。あの便利なおかずの素です。

2019年2月、汗と涙と胃痛の果てに無事ドイツ語検定1級の合格証を手にしました。家事と育児と仕事の狭間で揺れる一介の女性がどうやって独検1級合格を果たしたのかを、10回に分けてお届けいたします。

これまでの記事はコチラ☆
00_独検1級に合格する10のこと_00
01_独検1級に合格する10のこと_01_配点を確認する
02_独検1級に合格する10のこと_02_[長文]徹底的学習の意外な効用
03_独検1級に合格する10のこと_03_[長文]ミクロに攻め、マクロで理解する

さて、今回はインタビューの穴埋め問題です。

独検1級インタビューってどんな問題?

独検では、たびたびインタビュー文の途中が抜いてあり、それを補う問題が出題されます。
それの1級バージョンなわけですが、準一級との違いは、インタビュアー(聞く人)とインタビュイー(答える人)どちらの文章も抜いてあるということです。
(*ただ、過去問を見てみると、インタビュアーの発言には抜かれた箇所がない場合もありましたんで、絶対ではないです。)

準一級よりもインタビューが長いですし、埋めなければならない文章自体も長いです!処理すべき情報が多いので、頭がこんがらがるんですよ。

mogも当初この問題を解いているとひじょーに混乱しました。「あっ、これだ!」と思うんですが、読めば読むほど「あれ?でもこれも当てはまりそう。あ、これも悪くない。あれ?あれ?」ってなるんですよね。で、焦ってきてワケが分からなくなってタイムアップ、というのが第一回目に受けた試験でした。

頭がこんがらがってくると、自分がどこまでわかっていて、どこがわからないかもわからないんですよ。ほんとパニックに近い感じなんです。

他の長文は、時間はかかるけれども設問にあるドイツ語を読むとそれがヒントになったりもするので、足掛かりがある感じでした。が、インタビューはそれがない。何を軸に解き進めていけば良いのかわからない。

しかも、一つ間違えればボタンのかけ違いのように全てが間違ってくる可能性がある(!)

1,2,3ときて4番目の大問として、ちょうど筆記試験の中盤にひょっこり姿を現すこの問題、疲れた脳みそにじわじわとプレッシャーをかけてくるんですよ。

インタビュー問題の軸ってなんだ?

さて、前回まで長文における論理構成の見極めがこの独検1級においては非常に大切であるということをお話ししました。

03_独検1級に合格する10のこと_03_[長文]ミクロに攻め、マクロで理解する

試験に出る、難解(に見える)ドイツ語文には敵意を抱きそうになりますが、これらは実際の雑誌や記事からの引用なので、著者は必ず「自分の言いたいことをきちんと相手に伝えたい」と思って書いているわけです。

それはこのインタビュー問題でも変わりません。

インタビューされる人は、ある一定の意見をもち、一定の立ち位置を有していると思ってください。意見がコロコロ変わることはありません。時にインタビュアーの疑問や質問に答えながら、具体的な例を挙げながら、意見を伝えようとしています。

そんなわけで、まず押さえるべきは

インタビューのテーマと、その定義

次に、というか場合によっては

それらに対するインタビュイーの意見(立ち位置)

です。

テーマは、地の文で「以下の文は〇〇の専門家である誰々が、どうこう。」
と、書かれている場合もあれば、最初のインタビュアー→インタビュイーのやりとりで明らかになる場合もあります。いずれにせよ、一言で言い表せるもので、例えば過去"Stress"「ストレス」(2014年)とか"Distanziertheit"「疎外」(2016年)等がありました。

ここらへんは最初の10行くらいまでを読めばわかると思います。
で、次に重要なのがその「定義」です。mogが過去問を見た限り、わりとこの「定義」を丁寧に説明する過程がインタビュー内容の一定部分を占めている場合が多いように感じました。

例えば「ストレスってこう言われてて」とか「疎外ってのはそもそもこういうものだと自分は思っていて」とか、そんな感じです。

ここで注意しなければならないのは、テーマはひとことで言い表せることが多い反面、定義は長くなりがちだということです。場合によってはその定義が時代ごとに変わったり、そうやって変わりやすいってこと自体が定義に含まれている場合があります。(上記の「ストレス」とか)

そんなわけで

テーマ=ひとことで言える
定義=やや複雑で長い説明が必要

と、思っておいてください。
で、実際この定義に関わる部分が(a)とか(b)とかで抜き出されている場合も多いです。

ちなみに「インタビュイーの意見」なんですが、これは問題文によってはっきりしている場合(2016年シーラッハの「疎外」とか)と、インタビュイーの個人的意見というより、現在の研究者一般の意見をインタビュイーが話している場合があります。(上記「ストレス」とか)ですので、毎回インタビューに答える専門家が、テーマに関して自分の意見をはっきり主張するのがインタビューの内容だ!とは思わない方がいいと思います。場合によるので。

インタビュー問題の論理展開

さて、テーマと定義を押さえるんだな〜とわかったところで、今度は文章の構造を見てみたいと思います。

結局あるテーマに対してあーだこーだの部分がインタビュー記事になってるんですが、テーマに対する説明責任のあるインタビュイーの論理展開にはパターンが存在します。これ、インタビュー文だけじゃないんですけど、

主張→具体例を挙げて詳しく

です。

例えば『独検対策 準1級・1級問題集』(白水社)に掲載されている2014年の過去問ではFrau Jonesが研究しているStressがテーマでした。

最初に埋めるべき(a)は、こんなところに現れます。

Fiona Jones: Stress ist ein sehr ungenauer Begriff. (a) Stress ist ein sehr subjektives Konzept. ......

81ページ『独検対策 準1級・1級問題集』(白水社)より抜粋

ストレスは、曖昧な概念なんです。(a)ストレスというのは、とても主観的なもので…

「ストレスは曖昧な概念」=「主張」とすると、それをもっと詳しく説明するために、例を用いての説明が続くと予想します。つまり、「ストレスって、曖昧なんだよね〜 例えばこんな時とか、こんな場合とか、ほら、曖昧でしょ?」という文章が入るわけです。

実際の答えはこちらです。

7. Er bedeutet für verschiedene Menschen unterschiedliche Dinge: Manche denken an Stress und meinen damit etwas Positives, das sie im Alltag antreibt und motiviert. Für andere bedeutet Stress etwas, das sie überfordert.

82ページ『独検対策 準1級・1級問題集』(白水社)より抜粋

ストレスというものが、人によって様々な受け取られ方をするという文章です。ストレスをポジティブなものだと思う人もいれば、プレッシャーと感じる人もいる、という具体例が書かれています。

これだと、(a)の後に来る

Stress ist ein sehr subjektives Konzept. ......

「ストレスはとても主観的」という内容とも合っていると判断できます。

…これは一つの例にすぎませんが、ザザッと過去問をみた限りでは、(a)の設問は、このパターンが多い気がしました。主張→(a) ですね。つまり例を挙げながらの説明がくるってパターンです。

最初に聞かれる部分ですし、出題者も親切心から(?)パターンを意識しているのでしょうか?

とにかく、

あ!これ「主張→具体例で詳しく」パターンじゃね?!

って選択肢を、自分の中に持っておいてください。
この展開の中で若干のバリエーションはありますが、けっこうこれで解けちゃう場合も多いと気がつくハズです…!!

さて、長くなって参りましたので一旦区切りたいと思います…。
それにしても、『独検対策 準1級・1級問題集』(白水社)、本当に画期的な本でしたね。通常、準一級までしか参考書は存在しませんでしたからね…!もちろんmogも最初書店で見つけた時には小躍りしましたよ!










都内在住アラフォー女性mogです。ニッチな独検1級ですが、お役に立てれば幸いです!