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コロナ禍でとあるオーボエ奏者が真っ先に考えた事

「次の定期のソリスト楽しみだなー」とか「あの曲シビアだから緊張するわ…」とか一喜一憂していたオケの日々が無くなったこの数ヶ月。

新型コロナウイルスのニュースが出始めた頃、たまたまオケの事務局で「コロナが日本に広まったら演奏会できなくなるかもですよね〜。何か対策考えてますか?」と冗談まじりに話していた事があっという間に現実になってしまいました。

オケによって対策はそれぞれでしたが、所属する東京交響楽団は3月上旬にニコニコ動画での無観客配信を2回試み、3月21日(土)には当時最大限の対策をとって東京オペラシティーシリーズを敢行。この3月21日の演奏会は降り番でしたが色んな感情が芽生えたのを思い出します。

真っ先に思ったのは「え?やるの?大丈夫なの?」という事でした。足を運んでくださるお客様、会場のスタッフ、オケのメンバー、とにかく感染しないか、クラスターにならないか心配でした。そして万が一の事が起これば、今後の日本国内のオーケストラの演奏会にも影響を与えかねないという不安を感じたのです。当時一楽員の意見として楽団にメールを送り、その時の心情をTwitterで呟いてました。

とはいえ演奏会を中止にする事で起こりうる経営面での懸念は一楽員として理解はしていました。開催に納得はしてないが理解はしたという感覚。結果的に賛否両論あった演奏会でしたが、開催にあたりかなりの方々の力があったはず。運営が大変なオーケストラにとっては一つの選択肢だったんだと思います。

その後すぐに開催予定だった3月のサントリー定期演奏会は8月に延期が決まり、4月に緊急事態宣言が出てオケは一時休業を発表。スケジュール表に記載されているこの先の演奏会はあるものだと信じて練習する日々でしたが、結果的に5月まで全ての演奏会がなくなりました。

これまで自分はオーケストラの他に、スタジオレコーディング、依頼演奏、大学講師、個人レッスン等の収入で生活しています。詳しくは書きません(書けません)が、オケ以外の収入に助けられてきました。

しかし3月頭ぐらいだったでしょうか。オケ以外で頂いていた仕事も立て続けにキャンセル、延期の連絡が来るようになりました。その時に「これはこの先本当にヤバくなる…」と思い、何をすべきか考え、すぐに行動にうつすことにしたのです。

この続きはまた次回…


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