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blue_lace_moon
夏の背に蝉の声
私は自転車を漕ぐ。
夏の街路樹に挟まれて駆け抜ける。
行くあてもなく、がむしゃらに前へ進む。
蝉の声が響き渡っている。
不安と緊張を振り切るようにペダルを漕ぐ。
後ろを振り向かないまま颯爽と漕ぐ。
蝉の声が一段と大きく響き渡っている。
頭がぼんやりとしてくる。
風景が滲み出す。
どこに行こうとしていたのか、本当に行くべきところが果たしてあったのか分からなくなる。
車体が揺れて現実に振り落とされる。
視界がはっきりと見えるその時まで、
同じことを繰り返す。
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