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#05「ゆるっと」な働き方改革

しがないエロライターだった俺が、ベストセラーのゴーストライターに成り上がるも、やがて朽ち果てるまでの軌跡を振り返るとともに、それを戒めとしてライターとして大成するための極意について書く。

先日、夕食前の時間にぼーっとテレビを観ていたら、「ゆるスポーツ」なるものが紹介されていた。
ゆるスポーツとは、老若男女、スポーツが得意な人・苦手な人、そして健常者も障害者も、誰しもが「ゆるっと」楽しむことができるスポーツのこと、だそうだ。

スポーツをセックスに変えたら、そのまま「ゆるセックス」じゃないか!

ネットで調べてみたら、「世界ゆるスポーツ協会」なんてものまであるじゃないの!
もっと来い来い「ゆる◯◯」ブーム!

そんなわけで、『ゆるセックスのすすめ』はKindleほか電子書籍ストアで絶賛発売中です。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。

それはさておき、「ゆるっと」の精神って、もっと評価されていいと思う。

俺の勝手な印象なのかもしれないけれど、いわゆる成功者たちって、「好きなことが仕事」な人ばっかりだと思う。
普通の人の感覚からすると、どんだけ働くんだってくらい仕事してるんだけど、疲れるどころか、むしろ彼らは多忙な毎日が楽しくて仕方ないと言う。
そりゃあ成功もするよと。
さらに、ひとたび成功すれば、「仕事」と「趣味」と「遊び」の境界線がどんどんなくなっていくという好循環に突入して、多くの人が羨む「充実しかない楽しい毎日」がやってくる、という成功譚。
このストーリーに乗っかれば、大金持ちになれるかどうかは別としても、少なくとも「努力」なんて言葉はその人の辞書から消えるわけだ。
だって、努力を努力と感じることがなくなるくらいの「好きなこと」や「夢中になれること」を見つければいいだけなんだから。

言ってることは、すんごくわかる。
わかるけど、努力を努力と感じなくなるほどの「好きなこと」や「夢中になれること」を見つけることが超難しいわけでさ。
がんばって見つけようとすることは、まだ見つかってない者にとっては普通にしんどい「努力」なわけでね。
だから、いろんなストレスの解消のためにも、「楽」したいじゃない。
もっと楽したいよ~。
仕事なんてしたくないよ~。
思わず本音も出ちゃうけど、たまには「楽」に逃げちゃってもいいよね?
ほら、ライオンのオスなんて、メスに狩りをさせて、ぼーっとお昼寝しちゃってるし。
そんなんで百獣の王とかって、羨ましすぎだわ!

ところが、人間がそれをやると、なぜか罪悪感に苛まれることになる。

「ああ、俺はなんてダメ人間なんだ~」

って。怠惰は罪だって、誰が決めたんだよ!
ああ、怠惰を貪りたい。
ああ、今すぐライオンになって、メスに囲まれてお昼寝したい!

よし、全部吐き出したら、ちょっとすっきりした。
そこで、俺は思う。
怠惰100%じゃダメだけど、「ゆるっと」はありなんじゃないかと。
確かに、常に走り続けていられる人って、すごくかっこいいよ。
でも実際問題、みんながみんな「カリスマ著名人の名言」のマネをするのは無理。
人類の発展のために断言する。
無理なものは無理!

〈急募〉
どこかに「ゆるっと」やって大金持ちになったカリスマ経営者の方はいませんか?
いらっしゃいましたら、ぜひ俺に本を書かせてください。
「ゆるっと」な生き方・働き方の普及のために格安でお受けいたします。

俺が成功者なら一番良かったんだが、あいにく反面教師だ。
そして50歳を越えてまだ、「不惑」の影さえ踏めていない。
しかし、生き残ってはいる。
たまたまの縁で出版界に足を踏み入れ、30代半ばまで仕事に対してなんの情熱も志も持たず、暇さえあれば女の尻を追いかけ回していた俺が、それから20年後の今もなおプロのライターとして嫁と3人の息子を養っている。
そして平凡ではあるが、そしてささやかすぎるにしても幸せな毎日に感謝して過ごせているのには、ちょっとした秘密がある
自慢できるような話ではない、秘密と書いたのは息子たちには聞かせたくない恥ずかしい話だからだ。

これまで読んでくれた人にはおわかりの通り、俺は怠惰とゲスの塊のような人間だ。
ちょっと目を離すとすぐ、楽な道に逃げてしまう。
執筆に詰まるとすぐ、エッチな画像を検索してしまう。

ベストセラーを出したときもそうだ。
本来ならば仕事に打ち込むべきところを、プチリッチになった途端、「助かる~、楽できる~」と怠惰にまみれた。
もちろんそんな生活が長く続くはずもなく、気がつけば仕事は減り、金も底をついてきた。ここまでは前に述べた。
そうなってはじめて俺はようやく重い腰を上げ、そこからは収支がプラスに転じるまで集中して働いた。
恥ずかしい話、これまでの俺の人生は、この繰り返しなのだ。
ちょっと上手くいくと、油断してだらける。
崖っぷちに立たされて、やっと本気を出す。

ゆるっと、ゆるっと、ゆるっと、「ぎゅっと!」
ゆるっと、ゆるっと、ゆるっと、「きりっと!」
ゆるっと、ゆるっと、ゆるっと、「ばきっと!」

イメージ的にはこんな感じ。
さすがの俺も反省している。
過去は変えられないが、未来は変えられるはず。
そして今の俺はこんな感じ。

ゆるっと、ぎゅっと、ゆるっと、きりっと、ゆるっと、ばきっと……。

はい、「ゆるっと」を少なめにしてみました。
五十路から取り組む、「ゆるっと」な働き方改革。
「成功者の名言」の類に食傷気味な若い人に、特に強くおすすめしたい。

ずーっと走り続けるって、誰にもできることじゃないから。
そして、できないからって、自分を責めることはないし。
ちゃんとしっかり「ぎゅっと」のパートを集中してがんばれたら、「ゆるっと」のときの自分に罪悪感を覚えることも少なくなっていく。
もっと言えば、本気モードの集中力を凝縮させるためにも、「ゆるっと」は重要な役割を担う。
何もしないでだらっとしてるのと、「ぎゅっと」してからの「ゆるっと」は完全に別物なのだ。

まずは自分で「ゆるメタボ」診断をしてみよう。
メタボ気味だと感じだら、少しずつでいいので、「ゆるっと」を減らしていく。
でも、そのときに絶対に忘れてはいけないのは、「ゆるっと」は決して「悪」ではないということ。多すぎなのがダメなだけ。
バランスは人それぞれ、誰かと比べることはない
そして自分に適した「ゆるっと量」を見つけよう。
仕事や遊びの効率がグンとアップするはずだ。


【プロフィール】
50代のライター。
出版業界でエロ仕事を任されたことが転機となり、ヤリチンロードを爆走。
浮気がバレて30代前半でバツイチになるも、返す刀で当時の愛人の一人と結婚。
子宝にも恵まれ、ささやかな幸せを漫喫しつつ、ヤリチン癖は健在。
現在、20代のOLと絶賛不倫中。

ツイッター https://twitter.com/mogajichan

【著書】
『セックスにコミットする一生モノの口説きの極意18』https://amzn.to/2CvK8id
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