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デザフェス初出展者の道標 ※長文です


自己紹介 ※この記事を書いた人

はじめまして。最上と申します。
当方、「糊代」というブランド名で切り絵アクセサリー(主に耳飾り)を製作販売している者です。
兼業なので、イベント出店は年1〜2回。普段は札幌で活動しています。

こんな感じの商品をつくってます


デザフェスvol.58(2023年11月)に初出展した際に、何から手を付けたら良いかわからず、かつて初出展だった方のブログやレポート等とにかく手当たり次第に漁りました。
先人の知恵と経験値、大変参考にさせていただきました。ありがとうございます。
おかげさまで何とか私も初出展を乗り越え、恩返しにこれから参加されるであろう初めてさんの為にレポートをまとめます。これが道標となれば幸いですが、各人の環境も異なりますので、どうぞ参考程度にご覧くださいませ。

出展を決めるまで

出展申し込みする? しない?

もし気持ちの面で悩んでいるなら、一回やってみたほうが良いです。経験値になるし、多様性を目の当たりにする高揚感はなかなか味わえません。
ただ、多くの人が悩むのは費用の面だと思います。東京以外からの参加だとなおさら。

私の予算組みはこちら。
ざっと10万円超。
※ここでは予算組みの為、ざっくり載せます
 ・出展料(Sブース 180×90㌢ 両日) 24,000円
 ・机、椅子レンタル代 5,000円
 ・飛行機(往復) 30,000円
 ・ホテル(3泊4日) 30,000円
 ・売り子さん報酬(両日) 20,000円
 ・交通費、食事代 10,000円

ここまでで約12万円。
この他に、商品製作費等が加算されます。
減らそうと思えば減らせる部分もあるけど、基本的には増える一方です。
収支を合わせようと思っているのであれば、この段階でご自身の商品価格と予想販売個数で売上を仮計算してみたほうがいいです。
1個も売れない……ということは無いと思いますが、もし売上がゼロだったとしても参加する(財布の)覚悟があるか。
そのあたりが決め手になると思います。

初出展の前に下見すべき?

「下見出来るならしたほうが良いです」とアドバイスはしますが、飛行機代&ホテル代かけてまでするなら、思い切って出展しちゃったほうが良いです。
私は下見なしで出展しました。出来ました。
飛行機代&ホテル代だけでもそこそこの額なので、それなら1個でも売上の期待できる出展者側で参加するほうがいいかな〜という思いでした。
過去の参加者のブログやお客さんのツイートを見たり、地方都市で開催されるハンドメイドイベントに参加するだけで、ある程度雰囲気は掴めると思います。最低限、このあたりをやっておけば良いかなと思います。


宿の確保

出展を決めたあとでも良いけれど、多分先にやったほうがいいのが宿の確保です。
キャンセル無料のところが多いですし、日程が発表されているのであれば先に確保するのがいいです。拠点大事。
私は会場に一番近いホテルをとりました。荷物を送れるし、イベント終了後即体を休められます。搬入時、忘れ物があっても取りに帰れる安心感もあります。

正直、宿が空いてなかったら出展は諦めたと思います(笑)

出展申し込み後、何をするか

出展料を入金せよ

無事に当選し出展が決まったら、まずは出展料の入金です。これをしたら後には戻れないドキドキ感がありましたね。何かあっても返金しないって書いてあるから、ビビッて腰が引けたのを覚えてます。でも早めに入金しましょう。忘れたらジ・エンドですから。

ディスプレイを検討する

どんなディスプレイにするか、とにかく過去の出展者やイベントによく出る作家さんのディスプレイをリサーチしました。
デザフェスの準備のうち6〜7割はリサーチにかけた気がします。
そこで学んだことは、
・商品を含め全体的な統一感があること
・ある程度高さを出してディスプレイすること
・アイキャッチをつくること
・何がいくらで売ってるのか分かること
・商品が何であるか分かること
が、自分がお客側として見たときに「良いな」と思えるディスプレイだということです。
ブースを見付けてもらって→足を止めてもらって→商品を見てもらい→気に入ってもらって→購入者のお財布と折り合いがついたときに初めて「売上」となります。
この道のりは結構長くて、初手が大事です。
※ディスプレイのことは後程詳しく書きます

売り子さんを頼むか、一人でやるか

私は1人お手伝いしてくれる人を呼びました。普段札幌で活動しているので、東京はアウェイです。心の支えとなる気心知れる人にお願いしました。
売り子さんを頼むメリットとしては、
・暇な時間も忙しいときも安心感がある
・トイレや他のブースを回るときも店を任せられる
・接客のバリエーションが広がる
です。
デメリット……というほどではないですが、お手伝いしてくれる以上、対価が必要となりますので、予算がキツイ場合は一人で参加するのもありです。Sブースなら一人でも充分やれますし、実際私の周りのブースは一人で参加されてる人が多かったです。
ただ、自身が接客が苦手だと思う人は売り子さんを頼んだほうが良いです。作家自身が考える以上に商品の魅力を伝えてくれますよ。(どんなに自信を持っていても、自分の商品を褒めちぎるのはなんだか気恥ずかしいものです……)

商品製作個数と製作期間を計画する

何を何個つくるか、こればかりは正解が分からず本当に悩みどころでした。
私は足りないのが嫌で多めに作りました。結局すごく沢山余りましたけどね(笑)
具体的には、ピアス&イヤリングを3シリーズ、イヤーカフは1種で、合計400点くらい作りました。売れたのは100点弱です。
製作個数は、希望販売個数+α(足りないよりは余ったほうが良いという精神)で決めました。
商品の値付けにも関係してきますが、平均単価がいくらで、1時間に何個くらい売れるかな……と計算してみるのも良いです。
実際売れるかどうかはまた別の話なので😅

製作期間は約半年ありましたが、必要な資材(イヤリング金具等)は早めに買い揃えておきました。直前になって、入荷が間に合わないとか廃番とか胃の痛い思いをしたくなかったからです。また、私は兼業作家なので1日に作業できる時間は限られています。
早めにやれることから進めていくと、デザフェス直前の自分から感謝されます。なお、完成の目安は2週間前に設定しておきました。荷物の発送や宣伝活動もあるので、商品製作にいつまでも時間はさけません。

ブース番号はスクショせよ

気が付いたら発表されているブース番号ですが、地図とブース番号はスクリーンショットで残しておいたほうが良いです。
ブース番号発表されたら、参加者の皆さんが一度ワーーっと宣伝するのですが、それからデザフェス当日まで日数が結構あきます。
直前の宣伝の際、自分のブース番号を探しにマイページまで飛ぶのは煩わしいです。
スクショでスマホに保存すべし。

レンタル備品、何を借りる?

ブースが決まったら、何をいくつ借りるかを検討しましょう。運良く角のブースなら、間口ぴったりの長机(180×45cm)もOKです。
レンタル開始時期になったら直ぐに申し込めるよう準備しておいた方が良いですよ。
ちなみに私は机1台(150×45cm)、丸椅子2つを借りました。
パイプ椅子と悩みましたが(パイプ椅子のほうが安いです。スペース的にもギリ入ります)、2つ借りるなら丸椅子のほうがいいと思います。結局一度も座りませんでしたが、のれん設置時に脚立代わりに2つ使用しましたよ(後述)。

出展者情報を書く、送る

公式ホームページで紹介される出展者情報を送ります。自分がお客さんとして見たときに、書いてあって欲しいことや目を引く商品写真があると良いです。何を書いたら良いかわからないときは過去の出展者情報を参考に。
11月のデザフェスで、8月に出展者情報を送ってます。商品写真がない人は特に準備をお早めに。ビジュアルはとても大事。

宣伝活動

私は普段X(旧Twitter)を使っていますが、アカウントはFacebook、Instagramも持ってます。とにかくSNSはフル活用しました。
日々ちょびちょび頑張るのも大事ですし、1ヶ月前からはほぼ毎日やりました。商品写真は使いまわしも多かったですが、当日現地で「SNSで見たことある商品だ」と目に留まるところまでやれたら良いと思います。
毎日宣伝していると、新しい商品の良さを発見出来ることもあります。


ブース、ディスプレイの表と裏

低予算・軽量化・コンパクト、かつ、目立つ・魅せる・効率的を叶えるディスプレイを目指して作ったブースをお見せします。

糊代のブース

ブースは「高さ」と「統一感」で目立たせる

ブースそのものを目立たせるため、のぼりを立てました。なお、高さは4mまでと決まってます(デザフェスの規定で今後変更の可能性あり)。
今回、店名を書いたオリジナルののぼりを作りました。お手頃価格で防炎加工も。軽くて畳めるので、重宝します。

のぼりを立てているポールはタープポールです。連結式で持ち運びやすいサイズになります。

ポールの先端に100均の多機能フッククリップをつけて、そこに手旗棒でのれんを渡してます。どうしても握り手部分と先端とで太さが異なるので、先端部には100均のサポーターを切って調節したものを巻きました。

ブースは全体的にモノトーンでまとめて、色があるのは商品部分にしぼりました。

テーブルクロスは机から10cm以上垂らす場合は防炎加工が必要とのこと(デザフェス規定)。足元に荷物を置きたかったので、目隠しのためにも買いました。

ずり落ちないようにテーブルの四隅に養生テープを入れてクロスを固定しました。


ディスプレイあれこれ

今回借りたのは150×45㌢のテーブルです。高さは70㌢ほど。テーブルの足に何かを噛ませて高さをふかすのはNGでしたので、今回はテーブルの高さのまま使いました。
欲を言えばあと15㌢ほど高くしたかったのですが……。
商品は表には見本を出して、お買い上げの方にはストックからお渡しするスタイルにしました。過激なライブコマースやら盗難やら、怖い話が沢山出てきたのでその対策の意味もあります。

前面には見本品
裏側にストック
収納を増やすためにウォールポケットを設置

ペンやらテープやら小物を収納するのにはウォールポケットを使いました。
ダイソーのウォールポケットを、セリアの「挟んで固定クランプフック」の突起部分に、同じくセリアの結束バンド(細)で固定してます。
100均、本当に有り難い……!

クランプフックはテーブルクロスごと固定して、クロスのずり落ちも防止してます。

また、のれん用のタープポールをフック部分で軽く固定してるので(写真撮り忘れました……)、テーブルの隅にも2つ使用してます。
ポールを立てる際に丸椅子2個使用したので(なにせ高くて手が届かない)、一度も座ることはなかったですが2つ借りて良かったのかもしれません。

商品棚

高さを出しつつ、折り畳めて軽量なもの、組み立て式で持ち運びが可能なのもの……ということで、ダイソーの折り畳みラック2段(550円)を買いました。
白色への塗装等、多少手は加えましたがほぼ100均でまかなってます。


刷毛もペイントカラーも100均で買いました
ラックに立てかけていた板はオリジナルで作成

ラックに立てかける板はサイズに合わせて作成してもらいました。
七宝模様の加工はともかく、通常のカッティングだけなら大型ホームセンターでもしてくれるはずですので、参考までに。

あると便利、小道具一覧

今回重宝した小道具を紹介します。
・ハサミ
・マスキングテープ
・養生テープ
・布ガムテープ(荷物梱包時)
・ボールペン
・蛍光マーカー
・油性ペン
・結束バンド
・ビニール袋(ゴミ袋)
・電子決済用端末(Square)

無くてもいいけど、あって助かったもの
・ウェットティッシュ
・ティッシュ
・電卓
・透明両面テープ
・手拭い(閉店後ディスプレイにかける布)

金庫と釣り銭

私がは普段、金庫代わりにプラスチックの道具箱を使ってます。なにせ軽量。
今回は価格を500円単位に丸めたので、500円玉のみのコインケースも使いました。

用意した釣り銭は下記の通り。
 5,000×1=5,000
 1,000×25=25,000
   500×25=12,500
  合計 42,500円

商品価格にもよりますが、スタートから二人連続一万円札で支払いがあっても応えられる釣り銭があれば大体足ります。
お客様も細かいお金を準備してきてくれている印象でした。

デモンストレーション


ある程度ディスプレイが決まったら、実寸をとって並べてみるのが良いです。
さすがにうちには会議用テーブルは無いので、自宅のリビングにマスキングテープで実寸をとりました。実際かなり手狭で置けないものも多く、この段階で商品数を絞ることに決めました。
お客様側から見て見づらくないかのチェックは大事ですね。


自宅でデモンストレーションしてみた

当日の搬入と搬出

搬入について

朝7時から搬入できるのですが、私は9時過ぎを目掛けて行きました。余裕を持ったつもりでしたが、ブースが出来上がったのは案外ギリギリの時間でした💦
2日目は当日に「雨天につき10分早めにオープンします」とのアナウンスもあり、初出展の方は少し早めに行くことをおすすめします。
周囲のブースの皆様にもご挨拶するのも忘れずに。

搬出について

日曜日は土曜に比べて客足が少なかったです。体感では3分の1くらいですが、お天気がイマイチだったことも要因としてあるのかもしれません。
早めにお店を閉める方もいましたし、少しずつ片付けを始めている人もいました。
私は終了時刻まで片付けには手を付けませんでしたが、1日目終了の段階である程度片付けを想定して商品数を減らしたり使わない道具を持ち帰ったりしてました。
片付け自体は1時間弱で終えました。

売上と収支

売上

1日目 約160,000円、2日目 約60,000円、2日間合計で約220,000円でした。
やはり2日目のほうが客足が少なかったので、売上にも影響が出ていますね。それでも札幌より圧倒的にお客様の数は多く、特に男性のお客様の多さに驚きました。

収支

見積もり段階で12万+αだった費用ですが、什器や製作費その他諸々の積み上げもあり費用合計は250,000円ほど、結果的には約30,000円のマイナスでした😅

ただ、経験としては大変に楽しく充実した時間を過ごせました。赤字とはいえ什器や商品が手元に残っているので、次回以降に使えます。

おわりに

ここまでデザフェス初出展の自分が知りたかった情報をまとめてみましたが、私自身ほかの方のレポート等に大変助けられて何とかイベントを終えることができました。次回以降の初出展さんの参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

デザフェスvol.59(2024年5月)も当選しましたので、良かったら現地でお会いしましょう☺️





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