ああ、離婚狂騒曲

私の会社はバツイチが多い。スタッフの半分以上が離婚経験者だ。社長もそうだし、息子さんである店長、不動産担当のKさん、以前働いていた経理のTさんとIさん、全員離婚経験者なのだ。

なので、インテリアコーディネーターのTさんはランチでの会話も極力、家庭内の話を避けていたのだ。私も聞かれたら話していたが、自分からベラベラと話すことは控えていたのだ。

しかし、他人事だと思っていたら、遂に自分も仲間入りすることになってしまった。しかし、そのことは、不動産の情報を聞くために、Kさんだけに話していた。もし社長が知ったら、なぜ離婚するのかを根掘り葉掘り聞かれそうだと思っていた。それで、できるだけ、ギリギリまで伏せておこうと思っていたのである。

ところが、神様は私の味方をしてはくれなかった。ある日のこと、病院に通院していた社長から電話が入る。
「次の内覧会は土日に当たるけど、うさももさんにも出てほしいんだけど。」
うわ!遂に来てしまった!内覧会は2週に渡って開催されるのだが、その日は全て引っ越し準備と引っ越しの日となっていた。

観念した私は、社長に、自分はもうじき離婚前提の別居をするのだが、内覧会の日は引っ越し関連で、出社できないことを伝えた。すると、社長はビックリして、
「え!別居!離婚!わかりました。じゃあ、いいです。」
と内覧会の日に出社することは免除されたらしい。しかし、きっと後で呼び出されて、色々聞かれるんじゃないか?と私は戦々恐々としていた。

案の定、次の日の朝、私は社長室に呼ばれた。しかし、以外にも社長は優しく、とても同情的だったし、余計なことは聞かれなかった。
「僕も離婚してるし、店長もそうだし、Kさんもそうだし。母子家庭のことはKさんに教えて貰うといいよ。まあ、僕もいつバツ二になるかわからないしね。」
と冗談めいて言っていたのだが。。。

そして、
「何か困ったことがあったら、いつでも相談に乗るよ!」
と優しい言葉をかけてくれた。そこで、私は人の優しさにじーんとなった。

と、そこまでは良かったのだが、その後、
「じゃあ、他のスタッフみんなにも、うさももさんの離婚の話をしよう!」

なにー!私は芸能人じゃないぞー!!!何でやねん!なんで私の離婚のことをみんなの前で発表せにゃならんのだ!そんなことしたら、記者会見が必要じゃないか!

やっぱり社長は社長だった!ああ、これから私は新たなバツイチ候補として、会社で見世物になるんだ!と思ったら頭痛がしてきたのであった。。。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?