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日本人の大人はアジアで一番勉強していないって本当だろうか

最近、こんな記事を見た。
「リスキリング」という言葉は広がっているが、実際に勉強している人は少ないというもの。

要約すると、こんな感じ。

ベネッセが実施した調査によると、日本の大人はアジアで最も学んでいない国の一つであるということを報告しています。リスキリングという言葉の認知度は高まっていますが、実際に学習する意欲や行動は低いままです。ベネッセは、Udemyと提携してオンライン動画学習サービスを提供しており、社会人の学習支援を目指しています。記事では、Udemy日本事業責任者の飯田氏が、リスキリングに取り組めない要因として、「時間がない」「やる気がない」「お金がない」という3つの要素を挙げています

bingによる要約


日本人はアジアで一番勉強しない?


3年前の記事でちょっと古いけど、日本人の大人はアジアで一番勉強していないんだそうだ。

日本はアジア14カ国で一番「学んでいない国」 | キャリスパ (career-spice.info)

最初のHAFFPOSTの記事を読んで「大人の学習」について
なにか書こうと思ったけど
パーソル総合研究所の その他のデータを見ていたら
本当に、ゾッとするようなデータだった

「学ぶ」「学ばない」という問題以前に
生き方として、どうなの?」と思ってしまった

僕自身は
やりたい事をやりたくて」「独立して」「日々 自己研鑽をしている
という、この統計上では、とても希少な存在のようだ

上にも書いたけど
「学ぶ」「学ばない」よりも、問題だと感じたのは
今の会社に対する満足度が高くない」にも関わらす
環境を変えようとしていない
それなのに、「自分の身を守りたい」と思っている
と、データが示していることだ

もちろん、統計なので
誰か特定の人が、上の状態と言うわけではないけど
それでも、総体としては、そういう状態の人が多い
と、言うことだ

「現状に満足していない」
「自分のみを守りたい」
と思うのなら、
「環境を変える努力」をしてほしいと思う

努力したからといって、必ず結果が付いてくるわけではないけど
データを見る限り、努力すらしていない人が多すぎる

「自分の身を守る」のは、自分だ

自分を守れる自分になって欲しい

そういう事を、子ども達には伝えていきたいと思う。

キャリスパ 日本はアジア14カ国で一番「学んでいない国」


パーソル総合研究所レポートへの疑問

この記事で引用されているパーソル総合研究所のレポートにたどり着く。

なかなかセンセーショナルなタイトルだ

そして自己研鑽についてのまとめは以下のとおり
「勤務先以外での学習や自己啓発について、日本は「特に何も行っていない」が46.3%で、14の国・地域で最も高い。2位のニュージーランドと比べて24.2ポイントも差があり、断トツで自己研鑽していない。」

データはこれ。確かに数字に出ている。
例えば、日本は通信教育を受けている人の割合が7.7%。中国は32.7%。
資格取得のための勉強では日本は13.6%。中国は35.9%。インドネシアに至っては50.7%
。 負けてるね。

分析コメントも手厳しい

分析コメント
~調査結果からうかがえる日本型雇用の機能不全と国際競争力の低下~

日本だけ「一人負け」といってよい特異な数字が出た調査結果となった。その理由を説明するに当たり、日本型雇用が直面している「機能不全」と切り離すことは極めて難しい。

男性中心で強い同調圧力、自社でしか通用しない業務プロセスの習得を通じた業務遂行能力の長期育成、年功的人材運用――これらが見られる組織において、先輩や上司は20~30代にとって魅力的なロールモデルとなりにくい。また、40代以降ではほぼ出世の勝負がついており、逆転人事は期待できない。こうした社会では、自ら学んで力を付けて自らの市場価値を上げ、時には転職をも手段としてキャリアを自ら形成していく意識や行動は現れにくい

今回の調査結果は、今後激しさを増すグローバルビジネスや、外国人を含む優秀な人材の獲得など「国際競争力の低下」という観点から極めて憂慮すべきものである。このままいけば日本の産業のさらなる地盤沈下は避けられず、改革を進めなければならない。

パーソル総合研究所 取締役副社長兼シンクタンク本部長 櫻井 功氏

だが、私が一番着目したのは、実はそういう分析やコメントではなく、以下の「調査手法」の欄だ

よく見ると、日本と他の国では同じ調査ではないことがわかる。

条件はそろえているように言っているが、本当にそうだろうか?
調査サンプル属性サマリを見ると・・・

この調査対象では、日本は最終学歴の大卒割合、正社員比率、管理職の割合が相対的に著しく低い。 

ちょっと待てよ?
中国の管理職割合が62.3%って何?? 
インドの最終学歴、93.5%が大卒以上だって??

普通の会社の中での管理職比率はせいぜい1割か、2割ぐらいだろう。6割というのは明らかにサンプリングに偏りがある。そもそも中国で管理職になるような人は人一倍勉強するのは当たり前だよな、と言いたくなる(私も何度か中国に出張して現地を見てきたからわかる)。

インドの大卒比率に至ってはもっと偏っている。インド全体で見たら大卒の割合ってどうなんだろうか? 
(もっとも、大卒だから社会人になっても勉強するとは言うつもりはない。あくまで、サンプリングに偏りが大きいという事実を言いたいだけ。)

勉強する人たちをわざわざ選んで回答してもらったとは言わないが、海外在住者へのアンケートは、ネット環境に恵まれ、それなりに情報リテラシーの高い人が回答した結果、このような偏りが生じたのではないかな?

言いたいこと

私は別に、日本人の大人を擁護するつもりはさらさらない。周りを見ても、自己啓発に励んでいる人は一部にとどまっているように見えるし、自分も他人のことをとやかく言うほど勉強していない。だから、国民全体のレベルを見ても、やはり日本人は勉強していない人が多いのかもしれない。
日本は長い間終身雇用・年功序列が続いてきたし、資格を取ってもそれを活かせる場面は少ないと思う。転職することもあまりないから、対外的に自己アピールする必要性を感じることもないだろう。そういうことよりも、目の前の仕事に専念するとか、社内の人間関係を大事にするとか、そういうことのほうが昇進にはプラスになることが多いので、自己啓発のモチベーションは上がりにくいんじゃないかな?

とは言うものの、パーソルの調査をもって、「だから日本人はアジアで一番勉強していない」と性急に結論付けるのはいかがなものか? 国際比較するならば、調査対象の属性を揃えるのがフェアな調査というものではないだろうか? よって現時点、私の中では判断保留。

コロナ騒動で思ったが、統計データはその調査手法やデータの切り取り方で如何様(いかよう)にもできる(つまりイカサマ)。言いたいストーリーありきで、それに見合うように都合のいい数字を並べれば、たいていの人を騙すことは簡単である

要するに、ネットやテレビで流れる様々な言説や、統計データなるものは、注意して中身を見ないと判断を誤ることもあるんじゃないかということだ。

ポジショントークになってない?

最初に戻るが、冒頭に紹介した記事では、調査したのは教育産業のベネッセ。なるほど、「勉強しなきゃ」と焦る人が増えれば、Udemyなどのネット通信教育やってみようかという人たちも増えるかもしれない。それはそれで悪いことではないと思う。
それでも、コロナを煽ってmRNAワクチンを推進してきた連中の影がちらついてしまうのは、私が偏屈者だからかな?



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