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5万人調査から浮き彫りになった「自ら学ばない日本人」【リクルートワークス研究所シンポジウムレポート】

リクルートワークス研究所が主催する
「社会人の学び」を解析するJPSEDシンポジウム2018に参加してきました。 
(正式なデータを見たい方はリクルートワークス研究所から公表されているデータをご参照ください。http://www.works-i.com/surveys/panel-surveys.html
※以下は、個人的に思うところがあったものをピックアップ&個人的見解です。)

「どうすれば人は学ぶのか?」をテーマに、データ分析と、パネルディスカッションが行われました。

開始早々、大久保所長が
「日本人の社会人は世界で一番学ばない」なんて言われていますが・・・」
と。
「世界一勤勉な日本人」はどこへいってしまったのでしょうか…?

▼調査について
3年前から同テーマで継続調査、さらに同一の対象者に対して行っているというのが、すごいですね。普通の企業だったら、定点観測してれば良い方ですから、データの信憑性もより高いと思われます。
5万サンプル、初回からの継続回答数が半数以上とのこと。

▼なぜ参加したのか?
「社会人になってからも自分から学び続けることでキャリアを変換させていく必要がある」というのは、自分の中でも大きなテーマで、企業に所属して経験していたことを、独立してどのように変換させていくのか、さらに蓄積・研鑽し、いかに自分のスキルと市場のニーズを合致させるのかは常日頃考えていることです。特にフリーランスは「企業主導の受け身の学び」は得られないので。

▼調査結果一部抜粋

▼まずはどれだけの社会人が「学んでいるのか?」自己学習実施割合

昨年一年の間に、自分の意志で仕事に関わる知識や技術の向上の為の取り組みをしましたか」33.1%がYESと回答。

では、忙しい人は、時間ができたら学び始めるのか?
労働時間が減れば、積極的に学ぶのだろうか?
「週労働時間が減少した」人で、自己学習を始めた割合を比較。
→週労働時間が短いからといって、学習時間が増える訳ではないという結果が。

▼学生時代から学び習慣がある人は12%授業やテスト以外で勉強する習慣がある人はたった1割。

確かに、自分を思い返しても、遊んでばかりだったけど・・・

▼では、9割の学び習慣がない人たちはどうしたら勉強するのか?「人は自分から学ばないものだ!」
リクルートワークスが導き出した答えは「企業が学ぶきっかけを作る必要がある」

▼企業が作る「効果的な人が学ぶきっかけ」とは昇進・昇格がもっとも自己学習を誘発する。評価は自己学習を誘発する。

人は、評価されないと学ばないし、学ぶ機会を作ってあげないと学ばない。日本人、大丈夫かな・・・

▼学びは継続しない。→4割の人が翌年に自己学習を継続していない

企業が学ぶ場を作っても、半数近くが継続していないということですね。

▼自己学習の実施は賃金にプラスに影響する年収500万の人が自己学習をすれば、年収が11万上昇する可能性がある。

自己学習のモチベーションに繋がるのかどうかといったところ。

▼日本の雇用システムが学び習慣を失わせるのか?退職経験がない人と、転職を3回以上している人と比べると、8%以上も開きがあった。


転職が、学びのきっかけになるというのは確かにあるかも。いくつかの企業に関わることで、自分の専門分野を見極め、学びを深めたいという視点に変わる。

▼結論「企業からの学びを自らの学びにつなげることが必要」
データによると、9割の社会人が「特に理由なく学ばない(ことが自然な状態)」なので、企業がOJTやOffJTの場を提供し、チャレンジングな仕事を与え、学びを評価してあげ、その学びを活用する場を作ってあげて、その学習機会を我がこととして捉えることができる人が将来的に学習が継続する仕組みになる

どわー。これは大変。

後半は、企業がいかに従業員に学ばせるか?についてのディスカッションが主になっていたので、割愛します。
(ご興味ある人はリクルートワークス研究所から公表されているデータをご参照ください)資料も見やすくて素敵。

http://www.works-i.com/surveys/panel-surveys.html

調査によって「人は学ばない!」というデータが浮き彫りになったわけです。
「働く時間が減っても学ばない!」
「企業が学ぶ機会を与えても継続しない!」
「そもそも9割は学ぶ習慣がない!」
「学ばない人は、学ぶ理由がないから学ばない!」
と続々と追い討ちをかけるデータが出てきて、ついついニヤニヤしてしまいました。
個人的には、「学ぶ理由がないから学ばない」のが9割というデータに仰天です。意識高いネット記事いっぱい飛んでて、「いいね!」がめっちゃついてるのにー。

企業がやらなくちゃいけないことは多いですね…
今は個人で動いているものの、企業に所属して学ぶことは非常に重要だと考えています。
でも企業の立場で言えば、新卒を採用して、給与を払って教育して、やっと少し使えるようになってきたかなーと思ったら転職しちゃったり、中途で入っても学ばないし、となると雇用主は本当に大変ですね。社長たちが頭を悩ませるのも分かるなぁ。

企業に所属していた時は、給料もらって勉強させてもらって有難いと感じていたし、もちろんその分、企業に還元しなくてはという意識で働いていたつもり。
フリーになって、基本的にはやりたい仕事やってるから、今度は自分でインプットする時間は確保していかねばと。

別の視点では、これから子供達にどんな教育をしていくか、という点でも参考になりました。
勉強も仕事も、興味のある分野で、勝手に自分で深掘りできて成功体験を積むことが、自分も周り(雇用主も、クライアント)もハッピーになる。
子供達にもいろんな経験をさせて、好きな分野を見つけてほしいなぁなんて思ったのでした。おわり。

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