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ライティング力を「夢を応援する力」に変えた方法

「お客さまに自分の存在を知ってもらうのが大変」
「2ヶ月で1万部ほどのチラシをジム周辺に配りましたよ」
「自分がもつ情報や経験を多くの人に伝えるには限りがあるって感じますね」

集客の苦労を笑いながら話す、小西トレーナー。千葉県浦安駅前のジムでパーソナルトレーナーをしている。彼の一言が、私のライターとしての新たな道を切りひらく。

私は半年前に電子書籍を出版。家事でSDGsに貢献できるノウハウを発信した。「SDGsライター」としてのポジションを確立した現在、大手新聞社や出版社からも仕事をいただくようになった。

字面だけみるとありがたい状況。けれども「記事執筆以外で自分の書く力が何かに貢献できないだろうか」という気持ちがくすぶっていた。ライターとしてのあり方に悩んでいたとき、彼に出会ったのだ。

「え、チラシを1万部?どうしてそんなにがんばれるんですか」

私は食い気味にたずねた。

「1人でも多くの人にぼくの存在を知ってもらいたいからですかね。理学療法士時代、運動しておけばよかったと後悔する患者とたくさん向き合ってきました。だから、フィットネスを通して幸せな人生を送る人を増やしたいと思っています」

それから1週間後。まだ小西トレーナーの言葉が頭の中をグルグル駆けめぐる。

「ジムで待っているだけでは、痩せたい人に自分のノウハウが届かない。それは理解できる。でも現実的にポスティングだけでは限界があるよな……」

ライターとして力になれることはないのかと考えながらパソコンが目に入る。

「いや、きっとできる。パーソナルトレーナーとしてのノウハウや思いを言語化し、発信することなら」

光がさした。とはいえ、言うのは簡単。心が揺れ動く。
「本当に自分にやれるのか」
「そもそも、お節介なのでは」
しかし、そのとき不安より「夢を叶えるサポートがしたい」という思いが勝利した。

「あなたのノウハウや思いを形にして、悩みを抱える読者に届けませんか?」

次の日、勇気を出して電子書籍出版を提案した。すると「ぜひ、お願いします」と返事が。2022年10月16日。届けたい情報を見える化する挑戦がはじまった。どんな形なら届くだろう。ワクワクが止まらなかった。

壁① 時間がない

しかし、残された時間がない。
「出版の時期はいつがいいですかね?」
「ダイエット本だから、暴飲暴食に悩む人が増える12月末ごろが出せたらうれしいですね」

話し合った結果、出版予定日は12月下旬に決定。準備期間は約2ヶ月。さらに私は当時妊娠7ヶ月。遅くとも1月の出産までには何としてでも間に合わせたい。お互いのために、限られた時間の中で作成せねばならなかった。

「どうすれば予定通り進められるだろう」。焦る気持ちを救ったのは恩師の教え。

「作業を重たいと感じるときは、タスクを細分化したらいい。あとは出版日を決めて逆算してやるだけです」

学び①
・タスクの細分化
・逆算してスケージュールを組む

これらをデータ化し互いに共有して進めるうちに、焦りと不安は少しずつ消えていった。

壁②   ライバルとの差別化

けれども、次は「ライバルが多すぎる」という課題が立ち塞がる。ダイエットのノウハウはニーズはあるが、すでにすばらしい本に溢れている。

パソコンをひらきながら「差別化が必要だけど、どうしよう」と考えこんでいた。そんな中、雑談からヒントを得た。

「小西トレーナーは昔からシュッとしていたんですか?」

「そんなことはないです。学生時代に体重が10㎏増えて激太りしましたよ。ダイエットしようと思いながらも、仲間とお酒を飲むことがたのしくて挫折してばかりでしたね。お恥ずかしい話ですが…」

この思い出話を聞いた瞬間、頭の中のもやがパーッと晴れる。挫折してばかりだったからこそ、ダイエットを続けられるコツが語れるのではと思ったからだ。

「失敗続きだったのに、どうしてダイエットに成功したんですか」

「叶えたい目標ができたからですね。ある日、ボディービルダーの神様に出会って思ったんです。うあ、こんな身体になりたいって」

「え?目標だけですか」

「そうですね。ぼくだけじゃないですよ。お客さまでも目標がある人はトレーニングが続きますね」

方向性は「ダイエットを続ける秘訣」「心が折れないダイエット」に。その後も彼がもっている武器の棚おろしを続けた。

  • これまでの経歴

  • ダイエットでの苦い思い出

  • 好きなこと

  • 資格

たのしい会話を通して、差別化できる要素がどんどん見つかったのだ。

  • ダイエットの挫折を味わったから、継続のコツがわかる

  • 飲食店のアルバイト経験を経て料理好き

  • 簡単に作れるヘルシーレシピにくわしい

  • 理学療法士だから美しい歩き方を熟知している

「小西トレーナーだから語れる本ができそうですね」

「はい、もっとワクワクしてきました。強みって自分では気づけないものですね」

強みは当たり前にできるから無自覚でることが多い。他人に話すことで発見できるのだと改めて実感した。

学び②
・強みは自分では気づきにくい

弱みは頼もしい武器に変わる

11月になるころ、タイトルと構成が完成。着々と準備が進んでいた。そして12月。本はようやく形に。私たちは出版前の最後の打ち合わせをした。

「想像以上のクオリティです。一人でも多くの方に届いてほしいですね」

完成品をみた小西トレーナーは感動を言葉にした。

「そう言っていただけてうれしいです。読者の方の反応がたのしみですね」

クリスマスイブ。ついに出版日を迎えた。

「みてください。Amazonで1位になっていますよ」

ありがたいことに健康に関するジャンルでAmazon新着ランキング1位を獲得。

「おめでとうございます」

「マミさん、ありがとうございます。すごすぎて、感情が落ち着かないですね。自分1人では無理だったなと痛感させられます」

自分の出版以上にうれしさがこみあげる。そして作成にあたって、顧客リサーチや写真提供などに快く協力してくれたことへの感謝もあふれた。

「小西トレーナー、本当にありがとうございます」

そして出版から約2週間後、私は無事に出産を終えた。

2023年6月現在、彼はキャンセル待ちの人気トレーナーとして活躍中。半年たってもダイエットを継続するコツ、おうちトレーニングや簡単レシピが多くの方に届き続けている。

以前から担当しているお客様からも「実践しやすい」「参考になる」という声をもらうのだそう。

書く力で夢をサポートする経験は、ライターとしての新たな道をつくってくれた。

おわりに

noteや電子書籍など、伝える媒体が日々進化している今。人や企業がもつノウハウや思いが伝えるべき人に届くよう、ライターとしてこれらも成長し続けたい。

きっとこの行動もSDGs目標8「働きがいも経済成長も」の貢献につながるはず。

そして我が子が大人になる未来も、やりがいをもって働く人にあふれる世界になってほしいと願う。

小西トレーナーの本はこちら↓


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