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賞レースに企業闘争に。猫も杓子もストリーミング | mofiニュース

劇場ではまだまだ大手スタジオやプロダクションが活躍中だが、テレビや映像ビジネス全般ではストリーミング・サービスの動向に業界中の期待と興奮が集まっている。2週間分のお休みを穴埋めする、増量ラインナップでニュースをお届け。(掲載:mofi 第222号 2018/10/01)

【興行収入:9月第5週】ユニバーサルの『Night School』がファミリー映画を抜き一位取得

初登場組で、ケヴィン・ハート主演のコメディ映画が3,000館あまりの公開規模で2800万ドル(28億円ほど)を記録、首位を獲得した。ワーナーのアニメーション映画『Smallfoot』があげた2300万ドルを抜いた。ユニバーサルはコメディ映画で好調をキープしており、過去2年間でも『Blockers』『Girls Trip』と成功作を連発。マイノリティ層をおさえた作品という意味でも力を示している。(O)


【興行収入:同週・単館系】ドキュメンタリー好調 『Free Solo』が劇場平均で今年最高売上を記録

「Free Solo」はカリフォルニアの名峰エル・キャピタンを命綱無しで登るクライマーを追うドキュメンタリー。全米たった4館で公開されたにもかかわらず、30万ドル(およそ3,000万円)を売り上げてインディ映画シーンを牽引中だ。フォックス・サーチライト配給のロバート・レッドフォード主演作『The Old Man & The Gun』も5館で15万ドルほどを稼いだ。レッドフォードは本作で俳優業を引退すると公言している。(O)


【興行収入:9月第4週】児童書原作『ルイスと不思議の時計』が首位取得 M・ムーア新作は不振

9月22日〜23日の週末は初登場のファミリー向け映画『ルイスと不思議の時計』が4,000万ドルでダントツの首位。その他の初登場作品では、中間選挙に備えてトランプ批判を詠ったマイケル・ムーア監督最新作『Fahrenheit 11/9』が8位と振るわなかった。『プレデター』新作もなかなか苦戦している一方、ライオンズゲートの小品で佳作と話題の『A Simple Favor』は好調をキープ。(O)


【ビジネス】コムキャスト、入札額400億ドルで英スカイを買収 フォックスは全持ち株を売却の方針

※「フォックス、英スカイの持ち株を(およそ)150億ドルで売却」

※「企業闘争の最終局面はHulu争奪戦にあり?」

ディズニーとの代理戦争の様相を呈していた、フォックス対コムキャストの企業買収競争に決着がついた。ヨーロッパ最有力のペイTVチャンネル・英スカイは、コムキャストの軍門へ下った。これを受けて、フォックスは39%を保持するスカイの持ち株を総額およそ150億ドルでコムキャストに売ることを決定。フォックスがディズニーに買収される際の負債額を減らすことが目的だ。一方これを受けて、次はHuluがどこへ向かうのかについて憶測が飛び交っている。コムキャストがディズニーおよびAT&Tの持ち株を買い占めて完全子会社化する、という予測もある。(O)


【#metoo】コメディアンのビル・コスビー、過去の性暴力事件で3〜10年収監の実刑判決下る

ペンシルバニア州で判決が下り、州立刑務所で最低でも3年の服役が確定した。睡眠薬のような錠剤を飲ませ、眠った女性を襲ってきたとされるコスビー。同様の手口を指摘する女性たちが、彼を相手取って起こしている訴訟案件はこの一件に限らない。(O)


【映画祭】東京国際映画祭、コンペティション部門のラインナップ続々発表 北米作品が少ない?

ブラッドリー・クーパー監督・主演作『スタア誕生』がオープニング作品。東宝とポリゴン・ピクチュアズのアニメ版『ゴジラ』最終作がクロージングを飾る。コンペティションにはレイフ・ファインズ監督作『The White Crow』も公開、アジア圏でのプレミアを実施。アメリカ産の映画は極端に少ないとのことだが、狙ってのことか否か。(O)


【映画賞】プライムタイム・エミー賞発表 全受賞者・受賞作リスト公開

アマゾン・スタジオの「Marvelous Mrs. Maisel」がコメディ部門を席巻。ドラマ部門はおなじみ『ゲーム・オブ・スローンズ』が多数受賞。各シリーズで異なる刑事事件を取り扱う「American Crime Story」もまた栄冠に。ネットフリックスら配信勢が隆盛を極める中、ケーブル局ではHBOが常にトップを争う。(O)


【ストリーミング】アマゾン、ネットフリックス オリジナル・コンテンツの数を倍にする見通し 調査会社調べ

調査会社Ampere Analysisによると、多数の競合をおさえてトップ争いに先んじるため、配信勢はオリジナル・コンテンツをさらに増産するとみられている。すでに尋常でない予算をつぎ込んでいる両社だが……アップル、フェイスブック、YouTube、ディズニーなど、競争は苛烈を極めるばかりだ。安心してはいられない。(O)


【ストリーミング】ネットフリックス、日系アメリカ人ライターShion Takeuchiと包括的企画開発契約を締結

オバマ夫妻や業界トップ中のトップたちと包括契約を結んできたが、「今後は相手を選ぶ」と話していたことも印象深かったネットフリックス。そんな彼らが、アニメーション部門では若手女性に白羽の矢を立てた。Takeuchiは名門カルアーツ卒で、ピクサーでもストーリー部門で技を磨いた。若い才能が機会を与えられている。(O)

編纂:小原康平 / 初出:2018/10/01 第222号
有料メールマガジン「Ministry of Film - ゼロからのスタジオシステム」より

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